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白虎が自分の食事を確保するため、再び魔の森に入り狩りをしてくると言って出掛けた。返って来た白虎は、自分用に魔物を、そして僕達用に動物を数体狩って来てくれた。お陰で夕食はとても豪勢になって、みんなとても喜んでいた
喜んでいるみんなを見て、とても嬉しそうな白虎が、とても可愛いと思ったのは内緒だ
たっぷり食べて、コリンお手製のお風呂に入り、今夜も早めに休む事に
瘴気の件があったからか、お風呂から上がるとドッと疲れが出てしまった。それは僕だけでは無かった様で、みんな昨夜よりも早く就寝。ちなみに、見張りは白虎がかって出てくれたので、みんな安心して休む事が出来た
翌朝、何時もの通り早くに目が覚めると、これまた何時もの通り鍛錬をこなす。そしてお風呂で汗を流し、白虎の元へ
「白虎、昨日は有難う。お陰でぐっすり眠る事が出来たよ」
『これくらい何ともない。うむ、昨日よりも顔色が良くなっている。魔法を使ったのは昨日が初めての様な物だったのだろう?状況的に不可抗力だったとは言え、高度な魔法を使わせてしまった。きっと疲れているだろうと思ってな。我に出来る事は、したかったのだ』
「心配してくれていたんだね、有難う白虎。確かに、魔法を上手く発動出来たのは初めてで、少し疲れはしたんだけど、それよりも魔法が使ええた事の興奮と言うか、嬉しさの方が勝っててさ。こういう経験も初めてだったから、どっちかって言うと興奮しすぎて疲れた?んだと思う」
『そうだったのか。ならば、その疲れはこれからも続くかもしれんな』
「え?どう言う事?」
『主の魔力は、何と言うか心地よいのだよ』
「僕の魔力が心地いい?そもそも、魔力に心地いいとかってあったの?」
『うむ。魔力は持ち主に大きく影響されると聞いた事があるが、それは真の事だと思っている。心が悪に傾いていれはいる程、魔力の質は何と言うか…瘴気に近いのだ。善に傾いていれば、暖かい。そんな魔力を持っている事が多い。一概に全てがそうだとは言えないがな。だが、主の魔力はそのどれとも違っているのだ。そうだな…大きな何かに包まれているかのような、そんな安心感を感じる』
「僕の魔力が…」
『我でさえそう感じるのだ。きっと主の魔力を敏感に感じ取る事の出来る者達が、訪ねて来るようになるだろうと、我は思っている』
何処か確信めいた様に言う白虎。僕が言うのもなんだけど、そんな事を言ってくれるのは、後にも先にも白虎だけだと思うんだけど
だけど、白虎が僕の事をそんな風に思ってくれていた事を知れて、とても嬉しかった
知り合って一日も経っていないけど、僕は白虎が大好きだ。凶悪な姿に反して、とても穏やかで優しい白虎
僕は、初めて契約を結んだのが白虎で良かったと、心から思っている
「もし、そうなったら白虎はどうする?」
『主の言わんとする所が、あまり理解出来ぬが、我は主の元に集う者が増えて行く事は良い事だと思うし、我も嬉しく思うよ』
「そうか…うん!僕もそうなれば嬉しいな!仲間が増えていくって、何だか胸がポカポカするよね」
『ふむ。主の言う通りだな。我は久しく誰かと触れ合う事など、していなかったからな。やはり、良い物だな』
白虎が頭を擦り付けて来る。柔らかい体毛が肌に触れる感覚が、とても心地よくて気づけば僕も白虎に頭を擦り付けていた
白虎のモフモフを堪能していると
「おーい!そろそろ出発するぞー!」
ダノバスさんが遠くで手を振っていた。皆それぞれ準備が終わったみたいだ
「行こうか」
『うむ』
いよいよ目的の場所、最果ての地へ
なんだか不思議だけど、屋敷を出発した時に感じていた不安は、今はもうなくなっていた。それどころか、ワクワクさえしている
最果ての地で、どんな事が起こるだろうか。どんな事を知って、どんな出会いがあるのだろうか
今の僕の心には、希望だけがあった
喜んでいるみんなを見て、とても嬉しそうな白虎が、とても可愛いと思ったのは内緒だ
たっぷり食べて、コリンお手製のお風呂に入り、今夜も早めに休む事に
瘴気の件があったからか、お風呂から上がるとドッと疲れが出てしまった。それは僕だけでは無かった様で、みんな昨夜よりも早く就寝。ちなみに、見張りは白虎がかって出てくれたので、みんな安心して休む事が出来た
翌朝、何時もの通り早くに目が覚めると、これまた何時もの通り鍛錬をこなす。そしてお風呂で汗を流し、白虎の元へ
「白虎、昨日は有難う。お陰でぐっすり眠る事が出来たよ」
『これくらい何ともない。うむ、昨日よりも顔色が良くなっている。魔法を使ったのは昨日が初めての様な物だったのだろう?状況的に不可抗力だったとは言え、高度な魔法を使わせてしまった。きっと疲れているだろうと思ってな。我に出来る事は、したかったのだ』
「心配してくれていたんだね、有難う白虎。確かに、魔法を上手く発動出来たのは初めてで、少し疲れはしたんだけど、それよりも魔法が使ええた事の興奮と言うか、嬉しさの方が勝っててさ。こういう経験も初めてだったから、どっちかって言うと興奮しすぎて疲れた?んだと思う」
『そうだったのか。ならば、その疲れはこれからも続くかもしれんな』
「え?どう言う事?」
『主の魔力は、何と言うか心地よいのだよ』
「僕の魔力が心地いい?そもそも、魔力に心地いいとかってあったの?」
『うむ。魔力は持ち主に大きく影響されると聞いた事があるが、それは真の事だと思っている。心が悪に傾いていれはいる程、魔力の質は何と言うか…瘴気に近いのだ。善に傾いていれば、暖かい。そんな魔力を持っている事が多い。一概に全てがそうだとは言えないがな。だが、主の魔力はそのどれとも違っているのだ。そうだな…大きな何かに包まれているかのような、そんな安心感を感じる』
「僕の魔力が…」
『我でさえそう感じるのだ。きっと主の魔力を敏感に感じ取る事の出来る者達が、訪ねて来るようになるだろうと、我は思っている』
何処か確信めいた様に言う白虎。僕が言うのもなんだけど、そんな事を言ってくれるのは、後にも先にも白虎だけだと思うんだけど
だけど、白虎が僕の事をそんな風に思ってくれていた事を知れて、とても嬉しかった
知り合って一日も経っていないけど、僕は白虎が大好きだ。凶悪な姿に反して、とても穏やかで優しい白虎
僕は、初めて契約を結んだのが白虎で良かったと、心から思っている
「もし、そうなったら白虎はどうする?」
『主の言わんとする所が、あまり理解出来ぬが、我は主の元に集う者が増えて行く事は良い事だと思うし、我も嬉しく思うよ』
「そうか…うん!僕もそうなれば嬉しいな!仲間が増えていくって、何だか胸がポカポカするよね」
『ふむ。主の言う通りだな。我は久しく誰かと触れ合う事など、していなかったからな。やはり、良い物だな』
白虎が頭を擦り付けて来る。柔らかい体毛が肌に触れる感覚が、とても心地よくて気づけば僕も白虎に頭を擦り付けていた
白虎のモフモフを堪能していると
「おーい!そろそろ出発するぞー!」
ダノバスさんが遠くで手を振っていた。皆それぞれ準備が終わったみたいだ
「行こうか」
『うむ』
いよいよ目的の場所、最果ての地へ
なんだか不思議だけど、屋敷を出発した時に感じていた不安は、今はもうなくなっていた。それどころか、ワクワクさえしている
最果ての地で、どんな事が起こるだろうか。どんな事を知って、どんな出会いがあるのだろうか
今の僕の心には、希望だけがあった
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