ラスボス廃棄少女は幸せになりたい

まにゅまにゅ

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第6章 赤い羽根で舞い降りる

第44話 魔人アインズ1

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「お手柄だったな、テアよ。まぁ座りなさい」

 ヘルクス子爵に隊長室まで呼び出された私は部屋に入るなりお褒めの言葉を預かる。取敢えず座っていいみたいだし座らせてもらおう。私はソファに腰掛けると用意されたクッキーを1つ口に運ぶ。

 あの後私は2人をヘルクス子爵のところへと連れて行き、内通者として告発してやったのだ。それから取り調べること1時間。2人は結構簡単に吐いたらしい。

「なんでも魔神に引き合わせるよう仕向けたのはお前に魔神の声が聞こえているか知りたかったからだそうだ。まぁ、結局聞こえなかったようだからそのことを教団に伝えようとしていたらしい」

 あぶねーーっ!
 実はモロに聞こえて会話もしてるんだよね。うん、会話までしたことはみんなには内緒にしておこう。

「そ、そうなんですね。それが聞こえると何かあるんですか?」

 やばっ、ちょっと心臓バクバク言ってるわ。ちょっと冷や汗出そう。

「ああ、なんでも聞こえたならそれは魔神の器として適合している可能性があるわけだから、攫うつもりでいたらしい」

 ヘルクス子爵はやれやれ、と両の手のひらを上に向けた。呆れているのだろうか。普通に聞いたら荒唐無稽な話なのかもしんない。

 うわー、やはり教団側もそのことは知ってたか。ただ正確には声を聞くだけなら適合者じゃなくても聞こえるんですけどね。それを教えるのは危険過ぎる。

「それと、今度の襲撃はかなりの規模になる。奴らはこの街を壊滅させ、封印された原初オリジンを運び出すことにしたそうだ」

 しかし今度は一変憤慨し、机をドスンと叩いた。びっくりしたぁっ!

「え、そんな馬鹿な!?」

 ちょっと待て。こんな展開原作にはなかったはずだ。奴らはこれから2年ほどかけて贄を生み出し原初オリジンの復活を目論むはず。それなのにこの街を壊滅させて運び出すだって?

「あの魔道士色々喋ってくれたぞ。なんでもその計画は幹部の一人の暴走だそうだ。その幹部はテアが適合者であるという確信があるらしい。適合者がいれば魔神の復活はできるらしいから贄を送り出す必要はないと考えているそうだ。それであの魔道士が裏を取り、必要なら暴走を止めるつもりだったようだ」
「でも動き出してるのなら止まることはないんじゃないですか?」

 そうだ、既に魔物たちは動き出しているはず。今更止められるとも思えない。はたしてどんな魔物をぶつけてくるつもりなのやら。

「まぁ、そうなんだがな。そのへんは何か考えがあったのかもしれん。それよりも今後の対策が急務だ。送りつけてくる魔物は量よりも質が問題だな。確かにいつも通りのゴブリンやオークどももいるんだが、今度はドラゴンがいるらしい」
「は?」

 ドラゴン?
 あのゲームにドラゴンなんて一回も出てきてないんですけど。まぁ、ドラゴンなんだしとても強いのは間違いない。

「ドラゴンは知っての通り上位種になると一匹で国を滅ぼせる。普通のドラゴンでもこの街を滅ぼすことは容易だろう」

 ヘルクス子爵の顔色はあまり良くないようだ。そりゃそんな伝説級の魔物と戦えとか無理ゲーにもほどがある。

「奴らはそんな存在を使役できるということですか?」

 そんな存在を使役できるならゲームに出てきても良さそうなもんだけど。なんで出てこなかったのだろうか。

「そのへんについては頑なに口を割らなかったな。さすがに上位種は人間には無関心なはずだし人に使役できる存在じゃないからな。おそらく普通のドラゴンだろう。だが人類の歴史上レッドドラゴンを倒した記録は存在せん。レッドドラゴンじゃないことを祈ろう」

 つまり人類の敵う相手じゃないってわけか。それが普通というあたりドラゴンの恐ろしさがわかるというものだ。奴らはそんな切り札を持っていたと?
 いや違うな。恐らく第一の魔人アインズが全魔力を使って呼び出したのかも。設定にはそんなのなかったけど、そんな人類の手に追えない相手を使役できるとしたらそれしかないだろう。

「ドラゴンの相手は私がします。大丈夫です、必ず倒して見せましょう」

 うーむ、ラスボスVSドラゴンか。もうこいつ倒したらエンディング迎えそうな相手だよ。終わったら困るけどさ。

「ああ、すまんがそれしかないだろう。なにせ並の魔法は効かんし知恵もあり鉄程度の武器じゃかすり傷1つつけられんからな」

 なにその無敵ぶり。しかもデカくて攻撃は全部一撃必殺と。うん、一発もらったらアウトか。そうなると用意してもらった武装も役に立つのか怪しいかもしんない。せっかくいいの考えたと思ったのになぁ。

「わかりました。とにかく決戦は明日ですね。ドラゴンは必ずや私が倒してみせましょう!」

 それでも私はやるよ。レオン様のためなら私はドラゴンだって倒してみせますとも!
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