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第4章 バイオハザード?
第26話 精鋭壊滅
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部隊の中心に次々と寄生虫ゾンビが放り出され、部隊は再びパニックに包まれた。そこへ追い打ちをかけるべく寄生虫マンイーターがその軟体を縮ませる。そして戻る勢いを利用して高く跳び上がると兵士を何人か踏みつけて部隊へと飛び込んでいった。
そしてマンイーターは兵士に卵を植え付けてその数を増やす。ゾンビワームも兵士に襲いかかり、苗床にすべく寄生虫をまとわりつかせた。
「クソッ、なんなんだこいつらは! こう乱戦にされては広範囲魔法での殲滅ができんではないか」
目論見を崩され指揮官である大隊長に焦りが生まれる。展開した部隊のあちこちで悲鳴があがっており、寄生虫達はその数を増やしていった。
「クソッ! こっちくんな!」
騎士がバスタードソードを振り下ろし寄生虫ゾンビの頭をかち割る。するとおびただしい出血で鮮血が飛散。そしてその中にはゾンビワームも混じっていた。鮮血を浴びた兵士にゾンビワームがまとわりつくと、鎧の隙間から入り込む。
「うわっ! む、虫が入って来た!」
身体の外を這いずり回るゾンビワームに不快感を覚え、慌てて鎧を脱いでしまった。そして隙だらけのところを寄生虫ゾンビに襲われ、あえなく苗床の仲間入りとなってしまう。
寄生虫ゾンビは頭を潰された程度では止まらない。浄滅魔法で消し去るか火で焼き尽くすかしない限り死なないのだ。そこがこのゾンビワームの恐ろしいところであった。
「このままでは全滅だ。かまわん、こうなったら味方ごと焼き尽くせ!」
「え、し、しかし……」
大隊長のまさかの命令に魔導士達が二の足を踏む。しかしそんな魔導士達を大隊長が叱責した。もう生き残るのに必死である。
「つべこべ言わずにやれ! でないとお前らも食われるかゾンビにされてしまうぞ!」
「は、はい!」
魔導士達は急いで範囲殲滅魔法に取りかかる。そして少し躊躇いながらも魔法を完成させ解き放った。
「エリアバーン!」
「ファイアーボール!」
広範囲燃焼魔法や火球魔法を使い味方の兵士を巻き添えにして寄生虫ゾンビやマンイーターを焼いてゆく。炎に巻かれその身を燃やす寄生虫ゾンビたち。ファイアーボールの威力に押され、マンイーター達も耐えきれずその身を焦がしていった。そして残ったマンイーター達はその魔導士達を危険視する。
炎に巻かれる寄生虫ゾンビを触手を使って投げ飛ばし始めたのだ。狙いは当然魔法を放った魔導士達である。恐るべき知能に思えるが、それは寄生虫との視野共有というソロモンのクソ野郎としてのスキルが原因である。
全ては戦況をソロモンが把握し、命令していたからであった。ゆえに組織的な動きでもって人間の部隊を追い込めたのである。
そしてその魔導士達を目指し、マンイーター達も高く跳び上がった。触手は燃え盛る寄生虫ゾンビを跳びながらも投げつけ武器とする。中には直撃を喰らい、炎に巻かれながら寄生虫を植え付けられる悲惨な者もいた。
「くそっ、なんなんだこいつらは! 厄介過ぎるぞ。生き残っている者は撤退しつつ広範囲魔法や火属性魔法で焼き尽くすんだ!」
このままでは全滅する。必勝を期して編成された精鋭であるにも係わらず全滅など、あってはならないことだ。今生き残っている数はわからないが、もはや巻き返しは困難であった。
しゅるっ。
そして遂にマンイーターの触手が大隊長を捕まえる。
「! くそっ、は、離せ! 誰かアニヒレーションを、アニヒレーションを使うんだぁっ!」
マンイーターは捕らえられた大隊長を引き寄せると、産卵管を突きつける。
「や、やめろ。やめてくれぇぇっ!」
そして鎧と兜の隙間にある首にマンイーターの産卵管が突き刺さった。産卵管はドクドクと脈打ち、大隊長の中に卵を植え付ける。
「ひ、ひぃぃぃぃっ!!」
それがわかったのか、大隊長は絶望の声をあげた。そして大地に投げ出されると全身を打ち付ける。その後寄生虫ゾンビは大隊長には見向きもせず他の兵士たちを襲った。
それから5分後。大隊長は突如腹痛に見舞わられ、身体を突き破って新たなマンイーターが姿を現す。指揮官を失った精鋭達は変わり果てた指揮官に絶望し、大幅な士気の低下を招く。
もはやマンイーターも寄生虫ゾンビも誰も止めることはできなかった。それから壊滅は時間の問題であり、3時間もしないうちに寄生虫ゾンビが数千体と百近いマンイーターが誕生。そこに人間の姿は一つもなかった。
* * *
「終わったぜホルヌス。残った寄生虫どもには近くの街を襲わせる。いいな?」
「そうしてくれ。しかしエゲツないな寄生虫というものは。貴様が味方で良かったぞソロモン」
俺は操っているマンイーターのうちの一つと視界を共有し、戦闘の終わりを告げた。別に奴らの中にリーウのおっさんの仇がいるわけじゃない。弔い合戦のつもりで望んだが、実際はただの蹂躙だったな。悪いな、人間どもよ。俺の八つ当たりに突き合わせちまって。
リーウのおっさんの仇を取りたいならナトリウムの国王を殺らないと手向けにならないよな。これで俺のクソ魔法のスキルが10になった。メテオのお返しはきっちりしてやるぞ!
そしてマンイーターは兵士に卵を植え付けてその数を増やす。ゾンビワームも兵士に襲いかかり、苗床にすべく寄生虫をまとわりつかせた。
「クソッ、なんなんだこいつらは! こう乱戦にされては広範囲魔法での殲滅ができんではないか」
目論見を崩され指揮官である大隊長に焦りが生まれる。展開した部隊のあちこちで悲鳴があがっており、寄生虫達はその数を増やしていった。
「クソッ! こっちくんな!」
騎士がバスタードソードを振り下ろし寄生虫ゾンビの頭をかち割る。するとおびただしい出血で鮮血が飛散。そしてその中にはゾンビワームも混じっていた。鮮血を浴びた兵士にゾンビワームがまとわりつくと、鎧の隙間から入り込む。
「うわっ! む、虫が入って来た!」
身体の外を這いずり回るゾンビワームに不快感を覚え、慌てて鎧を脱いでしまった。そして隙だらけのところを寄生虫ゾンビに襲われ、あえなく苗床の仲間入りとなってしまう。
寄生虫ゾンビは頭を潰された程度では止まらない。浄滅魔法で消し去るか火で焼き尽くすかしない限り死なないのだ。そこがこのゾンビワームの恐ろしいところであった。
「このままでは全滅だ。かまわん、こうなったら味方ごと焼き尽くせ!」
「え、し、しかし……」
大隊長のまさかの命令に魔導士達が二の足を踏む。しかしそんな魔導士達を大隊長が叱責した。もう生き残るのに必死である。
「つべこべ言わずにやれ! でないとお前らも食われるかゾンビにされてしまうぞ!」
「は、はい!」
魔導士達は急いで範囲殲滅魔法に取りかかる。そして少し躊躇いながらも魔法を完成させ解き放った。
「エリアバーン!」
「ファイアーボール!」
広範囲燃焼魔法や火球魔法を使い味方の兵士を巻き添えにして寄生虫ゾンビやマンイーターを焼いてゆく。炎に巻かれその身を燃やす寄生虫ゾンビたち。ファイアーボールの威力に押され、マンイーター達も耐えきれずその身を焦がしていった。そして残ったマンイーター達はその魔導士達を危険視する。
炎に巻かれる寄生虫ゾンビを触手を使って投げ飛ばし始めたのだ。狙いは当然魔法を放った魔導士達である。恐るべき知能に思えるが、それは寄生虫との視野共有というソロモンのクソ野郎としてのスキルが原因である。
全ては戦況をソロモンが把握し、命令していたからであった。ゆえに組織的な動きでもって人間の部隊を追い込めたのである。
そしてその魔導士達を目指し、マンイーター達も高く跳び上がった。触手は燃え盛る寄生虫ゾンビを跳びながらも投げつけ武器とする。中には直撃を喰らい、炎に巻かれながら寄生虫を植え付けられる悲惨な者もいた。
「くそっ、なんなんだこいつらは! 厄介過ぎるぞ。生き残っている者は撤退しつつ広範囲魔法や火属性魔法で焼き尽くすんだ!」
このままでは全滅する。必勝を期して編成された精鋭であるにも係わらず全滅など、あってはならないことだ。今生き残っている数はわからないが、もはや巻き返しは困難であった。
しゅるっ。
そして遂にマンイーターの触手が大隊長を捕まえる。
「! くそっ、は、離せ! 誰かアニヒレーションを、アニヒレーションを使うんだぁっ!」
マンイーターは捕らえられた大隊長を引き寄せると、産卵管を突きつける。
「や、やめろ。やめてくれぇぇっ!」
そして鎧と兜の隙間にある首にマンイーターの産卵管が突き刺さった。産卵管はドクドクと脈打ち、大隊長の中に卵を植え付ける。
「ひ、ひぃぃぃぃっ!!」
それがわかったのか、大隊長は絶望の声をあげた。そして大地に投げ出されると全身を打ち付ける。その後寄生虫ゾンビは大隊長には見向きもせず他の兵士たちを襲った。
それから5分後。大隊長は突如腹痛に見舞わられ、身体を突き破って新たなマンイーターが姿を現す。指揮官を失った精鋭達は変わり果てた指揮官に絶望し、大幅な士気の低下を招く。
もはやマンイーターも寄生虫ゾンビも誰も止めることはできなかった。それから壊滅は時間の問題であり、3時間もしないうちに寄生虫ゾンビが数千体と百近いマンイーターが誕生。そこに人間の姿は一つもなかった。
* * *
「終わったぜホルヌス。残った寄生虫どもには近くの街を襲わせる。いいな?」
「そうしてくれ。しかしエゲツないな寄生虫というものは。貴様が味方で良かったぞソロモン」
俺は操っているマンイーターのうちの一つと視界を共有し、戦闘の終わりを告げた。別に奴らの中にリーウのおっさんの仇がいるわけじゃない。弔い合戦のつもりで望んだが、実際はただの蹂躙だったな。悪いな、人間どもよ。俺の八つ当たりに突き合わせちまって。
リーウのおっさんの仇を取りたいならナトリウムの国王を殺らないと手向けにならないよな。これで俺のクソ魔法のスキルが10になった。メテオのお返しはきっちりしてやるぞ!
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