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第140話 VSタートルドラゴン3
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「よし、みんな僕の後ろに移動して!」
「「「了解!」」」
暴れてその場をグルグル回りながら暴れるタートルドラゴンから離れ、僕を先頭にして4人が固まる。タイミングが大事だしチャンスも1回こっきりだろう。
「闇の手」
「強化」
リーネの闇の手を強化。これでアレサとリーネの2人が使用していることになる。これで下準備完了だ。後はタートルドラゴンをこちらに向かわせればいい。
「死滅陣!」
「強化!」
そして暴れまくるタートルドラゴンにもう一度闇属性魔法を喰らわせる。親和性Sのリーネの死滅陣でさえタートルドラゴンにはそれほど効いていない。しかし痛みくらいは感じているのだろう、タートルドラゴンの注意がこちらに向いた。
「さぁ来い!」
タートルドラゴンの動きがこちらを向いたところで止まった。ちゃんと捕捉してくれたようだ。
……来る!
タートルドラゴンがこちらに向かって一直線に突っ込んで来る。水の中だからそこまでのスピードはないが、この距離で避けるのは不可能に近い。ま、避けないんだけどね。
「収納開放! 出ろ、とにかくデカイ箱!」
タートルドラゴンと僕の間に突如巨大な箱が現れる。そのサイズはタートルドラゴンが入るほど巨大であり、勢いをつけたタートルドラゴンはその箱の中へと突撃していく。この中は拡大の魔法によりとにかく広くなっている。タートルドラゴン一匹くらい入っても問題はない。
「よし、閉めて!」
箱の蓋はスライド式になっており、これにより密閉が可能になっている。どういう訳か密閉状態じゃないと中の生物ごと収納することができないんだよね。
この戦法、上手くはまれば格上の相手すら封印できるかも、なんて思ったけどそんな都合のいい話はない。実際に実験したんだけど箱の中の生物はある一定以上のレベルに達していると動くことが可能だ。そして箱に少しでも小さな穴が空くと、強制的に排出されてしまうという訳のわからない性質があったのだ。
つまり、この箱の中に封印してからは時間との戦いとなる。
そして今、重い箱の蓋は閉じられた。
「よし、収納! 急いで池から出るよ!」
「「「了解」」」
僕たちは急いで地上を目指す。そして池から顔を出すとすぐに看板の近くに出た。僕はすぐに飛翔の魔法を使いセーフティゾーンの中央を目指す。
そして中央に着いたと同時に強制的に空間が開かれ、中からタートルドラゴンが姿を現した。どうやら間に合ったようだ。後は仲間が追いつけば勝てるだろう。なにせ僕の知る限りタートルドラゴンの攻撃は噛みつきとぶちかましという巨大質量を活かしたものだけであり、ブレスや魔法の類は使わない。
つまり陸に上がってしまえばただデカくて硬くてタフなだけの怪物に過ぎないのだ。普通の魔導士にはタートルドラゴンの動きを封じるなんて簡単じゃないけど、拡大解釈による無声連続発動が可能な僕だからできる方法がある。
浮遊。
強化。
この2つをタートルドラゴンが浮き上がるまで連続発動!
そして10回ほど繰り返したところでタートルドラゴンの身体は浮き上がった。もっと、もっと高く!
さらに魔法を使い、タートルドラゴンはとてつもなく高いはずの天井にまで届く。この高さはそれこそタートルドラゴンが小さく見えるほどだ。
「待たせた! リーネ、超龍炎光牙剣を出してくれ」
「うん!」
追いついたアレサがリーネにドレカヴァクとの戦いで使った超龍炎光牙剣を出してもらうと、保持したままの闇の手を操り構えた。
「よし、ルウやってくれ!」
「いくよ! 浮遊解除!」
幾重にも重ねがけした浮遊魔法を解除。そうすると当然タートルドラゴンは落下してくる。その下にはアレサの構える超龍炎光牙剣の剣先が待ち構えていた。
そして石床を破壊するけたたましい音と振動がセーフティゾーンの中を駆け巡る。土煙がもうもうと舞い、石床が飛び散った。それらは僕の張った防壁で防いだけど、激しい振動に尻もちをつく。
しばらくして土煙も止み、セーフティゾーンの中には巨大なクレーターができていた。そしてそのクレーターの中には超龍炎光牙剣に身体を貫かれ、甲羅をも突き破られ絶命してタートルドラゴンの姿があった。さすがの超龍炎光牙剣も剣が折れており、その衝撃の凄まじさがわかる。
「やった、タートルドラゴンに勝った!」
僕は喜び勇んでクレーターを降り、急いでタートルドラゴンを収納する。そういえば落ちてから少し経ってるけど大丈夫だったようだ。もしかしたらセーフティゾーンにはモンスターの遺体を吸収する機能が無いのかもしれない。
「おーいルウ、収納できたか?」
「うん、出来たよ! 上に戻るね」
みんながクレーターの縁に立ち、僕の様子を見守る。飛翔魔法で戻るとしよう。僕が飛翔魔法で飛び上がり、みんなの所へ戻ると急に地響きが聞こえた。
「な、なんだ?」
「おい、見ろ。クレーターが凄い早さで復元されていくぞ!」
なんなんだこれは?
クレーターの地面が凄い早さで膨れ上がっていき、僅か1分程で元の石床へともどっていった。と同時に地響きも止む。
そしてその中央。その虚空に突如白く光る渦が現れた。
「ここに入れってことか。よし、行こう。多分この先にお宝があるはずだ」
僕たちは頷き合うと、その白い渦に身を投じた。
「「「了解!」」」
暴れてその場をグルグル回りながら暴れるタートルドラゴンから離れ、僕を先頭にして4人が固まる。タイミングが大事だしチャンスも1回こっきりだろう。
「闇の手」
「強化」
リーネの闇の手を強化。これでアレサとリーネの2人が使用していることになる。これで下準備完了だ。後はタートルドラゴンをこちらに向かわせればいい。
「死滅陣!」
「強化!」
そして暴れまくるタートルドラゴンにもう一度闇属性魔法を喰らわせる。親和性Sのリーネの死滅陣でさえタートルドラゴンにはそれほど効いていない。しかし痛みくらいは感じているのだろう、タートルドラゴンの注意がこちらに向いた。
「さぁ来い!」
タートルドラゴンの動きがこちらを向いたところで止まった。ちゃんと捕捉してくれたようだ。
……来る!
タートルドラゴンがこちらに向かって一直線に突っ込んで来る。水の中だからそこまでのスピードはないが、この距離で避けるのは不可能に近い。ま、避けないんだけどね。
「収納開放! 出ろ、とにかくデカイ箱!」
タートルドラゴンと僕の間に突如巨大な箱が現れる。そのサイズはタートルドラゴンが入るほど巨大であり、勢いをつけたタートルドラゴンはその箱の中へと突撃していく。この中は拡大の魔法によりとにかく広くなっている。タートルドラゴン一匹くらい入っても問題はない。
「よし、閉めて!」
箱の蓋はスライド式になっており、これにより密閉が可能になっている。どういう訳か密閉状態じゃないと中の生物ごと収納することができないんだよね。
この戦法、上手くはまれば格上の相手すら封印できるかも、なんて思ったけどそんな都合のいい話はない。実際に実験したんだけど箱の中の生物はある一定以上のレベルに達していると動くことが可能だ。そして箱に少しでも小さな穴が空くと、強制的に排出されてしまうという訳のわからない性質があったのだ。
つまり、この箱の中に封印してからは時間との戦いとなる。
そして今、重い箱の蓋は閉じられた。
「よし、収納! 急いで池から出るよ!」
「「「了解」」」
僕たちは急いで地上を目指す。そして池から顔を出すとすぐに看板の近くに出た。僕はすぐに飛翔の魔法を使いセーフティゾーンの中央を目指す。
そして中央に着いたと同時に強制的に空間が開かれ、中からタートルドラゴンが姿を現した。どうやら間に合ったようだ。後は仲間が追いつけば勝てるだろう。なにせ僕の知る限りタートルドラゴンの攻撃は噛みつきとぶちかましという巨大質量を活かしたものだけであり、ブレスや魔法の類は使わない。
つまり陸に上がってしまえばただデカくて硬くてタフなだけの怪物に過ぎないのだ。普通の魔導士にはタートルドラゴンの動きを封じるなんて簡単じゃないけど、拡大解釈による無声連続発動が可能な僕だからできる方法がある。
浮遊。
強化。
この2つをタートルドラゴンが浮き上がるまで連続発動!
そして10回ほど繰り返したところでタートルドラゴンの身体は浮き上がった。もっと、もっと高く!
さらに魔法を使い、タートルドラゴンはとてつもなく高いはずの天井にまで届く。この高さはそれこそタートルドラゴンが小さく見えるほどだ。
「待たせた! リーネ、超龍炎光牙剣を出してくれ」
「うん!」
追いついたアレサがリーネにドレカヴァクとの戦いで使った超龍炎光牙剣を出してもらうと、保持したままの闇の手を操り構えた。
「よし、ルウやってくれ!」
「いくよ! 浮遊解除!」
幾重にも重ねがけした浮遊魔法を解除。そうすると当然タートルドラゴンは落下してくる。その下にはアレサの構える超龍炎光牙剣の剣先が待ち構えていた。
そして石床を破壊するけたたましい音と振動がセーフティゾーンの中を駆け巡る。土煙がもうもうと舞い、石床が飛び散った。それらは僕の張った防壁で防いだけど、激しい振動に尻もちをつく。
しばらくして土煙も止み、セーフティゾーンの中には巨大なクレーターができていた。そしてそのクレーターの中には超龍炎光牙剣に身体を貫かれ、甲羅をも突き破られ絶命してタートルドラゴンの姿があった。さすがの超龍炎光牙剣も剣が折れており、その衝撃の凄まじさがわかる。
「やった、タートルドラゴンに勝った!」
僕は喜び勇んでクレーターを降り、急いでタートルドラゴンを収納する。そういえば落ちてから少し経ってるけど大丈夫だったようだ。もしかしたらセーフティゾーンにはモンスターの遺体を吸収する機能が無いのかもしれない。
「おーいルウ、収納できたか?」
「うん、出来たよ! 上に戻るね」
みんながクレーターの縁に立ち、僕の様子を見守る。飛翔魔法で戻るとしよう。僕が飛翔魔法で飛び上がり、みんなの所へ戻ると急に地響きが聞こえた。
「な、なんだ?」
「おい、見ろ。クレーターが凄い早さで復元されていくぞ!」
なんなんだこれは?
クレーターの地面が凄い早さで膨れ上がっていき、僅か1分程で元の石床へともどっていった。と同時に地響きも止む。
そしてその中央。その虚空に突如白く光る渦が現れた。
「ここに入れってことか。よし、行こう。多分この先にお宝があるはずだ」
僕たちは頷き合うと、その白い渦に身を投じた。
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