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第103話 王立魔導研究所3
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「しかし弱りましたね。私どもは大体が一般的な親和性ですからね。いてもAが1種だけです。それでは強力な魔道具は作れないということになりませんか?」
一般的に親和性は誰でも1つくらいはBがある。Sははっきり言って超レアだ。そのため一般的な威力の評価はB判定を基準にしてあるのだ。しかしこのBとAには越えられない壁があり、Sともなると本当に滅多にいない親和性なんだよね。
「なるね。悪いけどこればっかりはどうにもならないよ。親和性で威力が決まるなら親和性の高い人に協力してもらうしかないね」
悪いけど僕も四六時中協力なんてできないからね?
一応威力を上げる手段もあるっちゃある。しかしB判定が基準なんだからそれで作ればいい話でしょうに。頑張ってレベルを上げてもらうしかない。
「しかしルウ様は確か魔法の威力を上げる魔法をお持ちでしたよね? そちらの詠唱文言をいただくわけにはいきませんか?」
「うーん、わかりました。では羊皮紙を。それに転写します」
気づいてたか。できる範囲でいいから協力するよういわれているから仕方ないね。王命じゃなかったら断ってると思うけど。
「ありがとうございます! おい、誰か羊皮紙を用意してくれ」
「はい、すぐにお持ちします」
研究員が急いで羊皮紙を取りに行く。貴重な文章は普通紙ではなく羊皮紙が使われるのが一般的だ。何せ破れにくく丈夫なため、保存という面では優れているらしい。
「はい、お持ちしました!」
「ありがとう。さ、ルウ様お使いください」
「はい、じゃあ」
僕は羊皮紙を受け取ると、机の上に置く。
「強化、解読」
強化の魔法の詠唱文言が虚空に現れる。後はこれを羊皮紙に写すだけ。
「付与」
そしめその詠唱文言を羊皮紙に付与する。すると羊皮紙に詠唱文言が写された。これで魔力の質を強化できる。実質僕のオリジナル魔法ということになるんだろうか。
「おお、これは凄い。こんな簡単に書き写すことができるなんて!」
「ルウ様、いっそここで働きませんか? 今でしたら特別待遇をお約束しますよ?」
「いえ、やることがたくさんありますので」
クラン設立したばっかりなのにやるわけないじゃん。しかし僕の知りたいことがあれば教えて貰える約束だったけど、使えなそうなのは魔晶石の作り方くらいか。
「それより魔晶石の作り方を教えてください。それと、魔晶石になるとどう変わるんですか?」
「そうですね、魔晶石にすると魔力を自己回復するようになります。それに本来なら魔力を取り出すには必要な措置なのです」
「そうなんですね。僕は魔石に魔力供給効果を直接付与できたからなぁ」
自己回復効果があるなら魔道具素材として大変有用な気がする。魔力伝導率は多分1.0だろうからね。
「魔力を使い切ったらどうなるんですか?」
「消えてなくなります」
「なんと。魔晶石の場合は黒い石になるだけですね。なんとも不思議なことです」
確かに不思議だ。その辺は研究する気はないけどね。
「さて、魔晶石の錬成方法でしたね。我々はこの詠唱文言を読み上げてやっています」
研究員は戸棚から1枚の紙を取り出した。それを受け取り、内容を確認する。その詠唱文言は結構長く、200文字くらいはあるかもしんない。これをいちいち読み上げているのか。しかしこの魔法のために貴重な魔法スロットを割くのもなぁ……。そうだ。
僕はオーガの魔石を2つ取り出す。そしてその紙に解読をかけた。するとその詠唱文言が浮き出てくる。
「付与」
そして片方のオーガの魔石に付与した。するとオーガの魔石は白い輝きを帯びる。そして白くなった魔石をもう片方の魔石に触れさせた。すると触れさせたオーガの魔石も白い輝きを放ち始め、そのサイズを小さく凝縮させていった。そして白く半透明な結晶体、魔晶石へと姿を変えた。
そしてその魔晶石にまたその錬成魔法の詠唱文言を付与する。すると輝きがより一層強くなった。これで魔力が切れたら供給してやればまた使えるようになる。
「いやはや、錬成魔法を封じ込めた魔晶石ですか。それはまた便利なものを」
「皆さんももう同じものを作れるはずですからね?」
僕はそう言いながら少し後ずさる。なんとなく嫌な予感が……。
「いや、そこをなんとか。できれば光の剣の詠唱文言と魔力回復の詠唱文言も是非! それから役に立ちそうな魔法も色々と!」
……。
人の欲望って果てしないよね。
結局役に立ちそうな魔法の詠唱文言を10個程協力させられました……。
なお、魔力回復はなぜか詠唱文言が現れませんでした。出た文言が『不可』だもんな。どうやら僕だけの特権魔法みたいです。
一般的に親和性は誰でも1つくらいはBがある。Sははっきり言って超レアだ。そのため一般的な威力の評価はB判定を基準にしてあるのだ。しかしこのBとAには越えられない壁があり、Sともなると本当に滅多にいない親和性なんだよね。
「なるね。悪いけどこればっかりはどうにもならないよ。親和性で威力が決まるなら親和性の高い人に協力してもらうしかないね」
悪いけど僕も四六時中協力なんてできないからね?
一応威力を上げる手段もあるっちゃある。しかしB判定が基準なんだからそれで作ればいい話でしょうに。頑張ってレベルを上げてもらうしかない。
「しかしルウ様は確か魔法の威力を上げる魔法をお持ちでしたよね? そちらの詠唱文言をいただくわけにはいきませんか?」
「うーん、わかりました。では羊皮紙を。それに転写します」
気づいてたか。できる範囲でいいから協力するよういわれているから仕方ないね。王命じゃなかったら断ってると思うけど。
「ありがとうございます! おい、誰か羊皮紙を用意してくれ」
「はい、すぐにお持ちします」
研究員が急いで羊皮紙を取りに行く。貴重な文章は普通紙ではなく羊皮紙が使われるのが一般的だ。何せ破れにくく丈夫なため、保存という面では優れているらしい。
「はい、お持ちしました!」
「ありがとう。さ、ルウ様お使いください」
「はい、じゃあ」
僕は羊皮紙を受け取ると、机の上に置く。
「強化、解読」
強化の魔法の詠唱文言が虚空に現れる。後はこれを羊皮紙に写すだけ。
「付与」
そしめその詠唱文言を羊皮紙に付与する。すると羊皮紙に詠唱文言が写された。これで魔力の質を強化できる。実質僕のオリジナル魔法ということになるんだろうか。
「おお、これは凄い。こんな簡単に書き写すことができるなんて!」
「ルウ様、いっそここで働きませんか? 今でしたら特別待遇をお約束しますよ?」
「いえ、やることがたくさんありますので」
クラン設立したばっかりなのにやるわけないじゃん。しかし僕の知りたいことがあれば教えて貰える約束だったけど、使えなそうなのは魔晶石の作り方くらいか。
「それより魔晶石の作り方を教えてください。それと、魔晶石になるとどう変わるんですか?」
「そうですね、魔晶石にすると魔力を自己回復するようになります。それに本来なら魔力を取り出すには必要な措置なのです」
「そうなんですね。僕は魔石に魔力供給効果を直接付与できたからなぁ」
自己回復効果があるなら魔道具素材として大変有用な気がする。魔力伝導率は多分1.0だろうからね。
「魔力を使い切ったらどうなるんですか?」
「消えてなくなります」
「なんと。魔晶石の場合は黒い石になるだけですね。なんとも不思議なことです」
確かに不思議だ。その辺は研究する気はないけどね。
「さて、魔晶石の錬成方法でしたね。我々はこの詠唱文言を読み上げてやっています」
研究員は戸棚から1枚の紙を取り出した。それを受け取り、内容を確認する。その詠唱文言は結構長く、200文字くらいはあるかもしんない。これをいちいち読み上げているのか。しかしこの魔法のために貴重な魔法スロットを割くのもなぁ……。そうだ。
僕はオーガの魔石を2つ取り出す。そしてその紙に解読をかけた。するとその詠唱文言が浮き出てくる。
「付与」
そして片方のオーガの魔石に付与した。するとオーガの魔石は白い輝きを帯びる。そして白くなった魔石をもう片方の魔石に触れさせた。すると触れさせたオーガの魔石も白い輝きを放ち始め、そのサイズを小さく凝縮させていった。そして白く半透明な結晶体、魔晶石へと姿を変えた。
そしてその魔晶石にまたその錬成魔法の詠唱文言を付与する。すると輝きがより一層強くなった。これで魔力が切れたら供給してやればまた使えるようになる。
「いやはや、錬成魔法を封じ込めた魔晶石ですか。それはまた便利なものを」
「皆さんももう同じものを作れるはずですからね?」
僕はそう言いながら少し後ずさる。なんとなく嫌な予感が……。
「いや、そこをなんとか。できれば光の剣の詠唱文言と魔力回復の詠唱文言も是非! それから役に立ちそうな魔法も色々と!」
……。
人の欲望って果てしないよね。
結局役に立ちそうな魔法の詠唱文言を10個程協力させられました……。
なお、魔力回復はなぜか詠唱文言が現れませんでした。出た文言が『不可』だもんな。どうやら僕だけの特権魔法みたいです。
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