50 / 188
第49話 盗賊退治
しおりを挟む
ハゲ頭の先導で歩くこと1時間。盗賊団のアジトが一望できる丘の上に来ていた。丘から少し回り道をするとアジトに辿り着くみたい。アジトは自然にできた洞窟らしく、奥の行き止まりにお宝を貯め込んでいるという。
「ちゃ、ちゃんと案内しただろ!? 約束通り解放してくれるんだよな?」
ハゲ頭がすがるように懇願する。しかしサルヴァンの答えは非情なものだった。
「今考えてみたんだが……。やはり犯罪者は突き出すべき、という結論になった。リーネ、石にしてやってくれ」
「だ、騙したなー!」
当然の如くハゲ頭は抗議してるけど、あんたらも似たようなもんじゃん?
「いや、俺は考えてやると言ったんだ。で、考えた結果突き出すことにしただけだ。言いがかりはやめてくれ」
サルヴァンがニヤニヤして答えると、ハゲ頭の顔色が変わる。
「石化」
「いやだぁぁぁぁぁっっっ!!!」
パキパキパキ……。
ハゲ頭は絶叫をあげながら石となった。大きい声だったから気付かれたかな?
別にいいけど。むしろ向かってきてくれた方が楽かもしんない。
「見つかったようだな。結構出てきたぞ」
うん、洞穴からわらわらと湧いて出てきたね。丘から見下ろすと手に弓や斧、剣を持った盗賊どもが姿を現しこちらを睨んでいた。
「ルウ、なるべく逃がしたくない。どう対処したらいい?」
「リーネ、石壁であいつら封鎖しちゃって。届くよね?」
「もちろん! 石壁!」
洞穴の入口付近の盗賊どもを囲うように石壁が盛り上がり、奴らを閉じ込める。さっさと動かないからそうなるんだけどねぇ。
下でなんか騒いでいるようだけどシラネ。
「水創、強化。リーネ、雷網お願い」
「お任せ! 雷網!」
奴らに大量の水をぶっかけた後、電撃を帯びた網が大量に落下。網が下に落ちると盗賊どもの絶叫が聞こえた。
「防壁。これに乗って降りよう」
「おう!」
「闇の手!」
魔法の壁に乗ってゆっくりと下に降りる。ほとんどの盗賊どもは電撃にやられてまともに動けないようだ。
「石化」
「強化」
石化魔法の範囲を拡大させ、動けなくなった盗賊どもを石に変えていく。洞穴の入口付近にも何人か残っているみたいだ。
「残りは俺とアレサでやる。必要なら援護頼む」
「わかった。僕とリーネは石になったヤツを回収しておくよ」
「やっと出番か! 昨夜は恐慌状態の相手で手応えがなかったからな」
手頃な位置に降りるとサルヴァンとアレサが前に出る。弓を引き絞ってる奴がいるな。
「闇膜」
それを察し、リーネが多重発動で全員に防護魔法をかける。アレサとサルヴァンはいらないかもだけど。
盗賊が矢を放ったのだろう。アレサの剣閃が走る。アレサに向かった矢は斬り落とされ、サルヴァンは盾で弾く。そして僕の顔の横を矢が通り過ぎた。
ちょっと肝が冷えたわ。当たっても無傷なんだろうけど怖いものは怖い。
「ちくしょう! なんなんだてめぇらは!」
バンダナを巻いた盗賊が吠えるが誰も答えない。そんな義理はないもんね。
そしてアレサが駆ける。盗賊も3人程前に出てきたが、内2人が瞬時にその腕を飛ばされた。
「所詮盗賊か。弱いな」
「くそっ! てめぇら俺たちを盗賊団殺戮の宴と知って喧嘩売ってんのか!」
アレサがつまらなさそうに剣を肩に担ぐ。腕を飛ばされた2人の盗賊は悶絶しているようだ。残りの1人もサルヴァンにあっさり返り討ち。左肩を斧で叩き斬られその場に座り込んでいる。
「殺戮の宴? 知らん。弱すぎてつまらんぞ。もっと強いやつを出せ。いるんだろ?」
「俺の出番か……」
アレサが強いやつを要求すると奥から1人の男が出てきた。大振りのバトルアクスを手にしたその男はサルヴァンが子供に見えるほど大きい。それにゴリマッチョだ。ハゲ頭が言っていたスキル持ちがこいつか。
「おお、頼むぞ!」
「任せてくださいよお頭」
ほうほう。あのバンダナを巻いたのがお頭か。バトルアクスを持った奴は斧野郎でいいか。
「さっさとかかって来い」
「俺様のスキルは痛覚無視! どんな一撃だろうとこの俺様の斧の一撃は止まることなし!」
痛みを感じないのか。病気になっても自覚症状無いなら早死にしそうだね。
斧野郎は斧を横向きに構え、アレサに向かって突進する。
「喰らえい!」
斧を横に薙ぐ。アレサはその動きを見切り、軽くバックステップでかわすと即間合いを詰める。
斧野郎は空振った斧を止めず、左足を軸にして回った。
しかし、その斧が振るわれることは無かった。
回りきる頃には両腕はなく、横の石壁にバトルアクスと両腕がぶつかる。アレサは斧野郎の横を通り過ぎ、両腕を斬り落としたみたい。
「ぬぅっ!? う、腕が無い!?」
「単純に遅い」
アレサは不満そうだ。盗賊に期待してもしょうがないと思うな。それほどの腕があるなら落ちぶれたりしないでしょ。
そんなことを思いながらアレサの斬った盗賊たちの腕を治しつつリーネが石に変えていく。あと何人いるん?
「残りの奴。武器を捨てて投降しろ」
「投降したら石にされるのか……?」
「投降しない場合は痛い思いをしてから石になるだけじゃないか?」
石になる運命は変わりません。だって持ち運び楽なんだもん
「くそっ! 石になんてされてたまるか!」
「阿呆が」
やぶれかぶれに突撃した盗賊があっさりとアレサに剣を弾き飛ばされる。弾き飛ばされて手が痺れたのか、右手がプルプルと震えていた。
見せしめにするか。
「光刃、付与、強化」
小さな光の刃を多数生み出し、痛みの強化を付与する。魔法に魔法を付与するのだ。もちろんこれも拡大解釈あっての技法だ。
光の刃はその盗賊の太腿、肩、腹と至る所に刺さっていく。刃自体は小ぶりなのでそこまで深くは刺さらないから致命傷にはならないと思う。でも感じる痛みを強化してあるから相当痛いはず。
「いだいいいぃぃぃいっっ!!」
あれ?
気絶しないな。傷が浅かったのかな?
それでも盗賊はあまりの痛みに絶叫をあげ、涙鼻水を撒き散らしながら転げ回る。それを見ていた後ろの盗賊達はお頭が武器を投げ捨てたのを皮切りに皆が武器を捨て始めた。
「と、投降する……。あれはちょっと勘弁してくれ、いやください……」
残り全員が膝を付き投降する。そしてあえなく全員が石にされ、盗賊団殺戮の宴は壊滅したのであった。
めでたしめでたし。
さー、お宝だ!
「ちゃ、ちゃんと案内しただろ!? 約束通り解放してくれるんだよな?」
ハゲ頭がすがるように懇願する。しかしサルヴァンの答えは非情なものだった。
「今考えてみたんだが……。やはり犯罪者は突き出すべき、という結論になった。リーネ、石にしてやってくれ」
「だ、騙したなー!」
当然の如くハゲ頭は抗議してるけど、あんたらも似たようなもんじゃん?
「いや、俺は考えてやると言ったんだ。で、考えた結果突き出すことにしただけだ。言いがかりはやめてくれ」
サルヴァンがニヤニヤして答えると、ハゲ頭の顔色が変わる。
「石化」
「いやだぁぁぁぁぁっっっ!!!」
パキパキパキ……。
ハゲ頭は絶叫をあげながら石となった。大きい声だったから気付かれたかな?
別にいいけど。むしろ向かってきてくれた方が楽かもしんない。
「見つかったようだな。結構出てきたぞ」
うん、洞穴からわらわらと湧いて出てきたね。丘から見下ろすと手に弓や斧、剣を持った盗賊どもが姿を現しこちらを睨んでいた。
「ルウ、なるべく逃がしたくない。どう対処したらいい?」
「リーネ、石壁であいつら封鎖しちゃって。届くよね?」
「もちろん! 石壁!」
洞穴の入口付近の盗賊どもを囲うように石壁が盛り上がり、奴らを閉じ込める。さっさと動かないからそうなるんだけどねぇ。
下でなんか騒いでいるようだけどシラネ。
「水創、強化。リーネ、雷網お願い」
「お任せ! 雷網!」
奴らに大量の水をぶっかけた後、電撃を帯びた網が大量に落下。網が下に落ちると盗賊どもの絶叫が聞こえた。
「防壁。これに乗って降りよう」
「おう!」
「闇の手!」
魔法の壁に乗ってゆっくりと下に降りる。ほとんどの盗賊どもは電撃にやられてまともに動けないようだ。
「石化」
「強化」
石化魔法の範囲を拡大させ、動けなくなった盗賊どもを石に変えていく。洞穴の入口付近にも何人か残っているみたいだ。
「残りは俺とアレサでやる。必要なら援護頼む」
「わかった。僕とリーネは石になったヤツを回収しておくよ」
「やっと出番か! 昨夜は恐慌状態の相手で手応えがなかったからな」
手頃な位置に降りるとサルヴァンとアレサが前に出る。弓を引き絞ってる奴がいるな。
「闇膜」
それを察し、リーネが多重発動で全員に防護魔法をかける。アレサとサルヴァンはいらないかもだけど。
盗賊が矢を放ったのだろう。アレサの剣閃が走る。アレサに向かった矢は斬り落とされ、サルヴァンは盾で弾く。そして僕の顔の横を矢が通り過ぎた。
ちょっと肝が冷えたわ。当たっても無傷なんだろうけど怖いものは怖い。
「ちくしょう! なんなんだてめぇらは!」
バンダナを巻いた盗賊が吠えるが誰も答えない。そんな義理はないもんね。
そしてアレサが駆ける。盗賊も3人程前に出てきたが、内2人が瞬時にその腕を飛ばされた。
「所詮盗賊か。弱いな」
「くそっ! てめぇら俺たちを盗賊団殺戮の宴と知って喧嘩売ってんのか!」
アレサがつまらなさそうに剣を肩に担ぐ。腕を飛ばされた2人の盗賊は悶絶しているようだ。残りの1人もサルヴァンにあっさり返り討ち。左肩を斧で叩き斬られその場に座り込んでいる。
「殺戮の宴? 知らん。弱すぎてつまらんぞ。もっと強いやつを出せ。いるんだろ?」
「俺の出番か……」
アレサが強いやつを要求すると奥から1人の男が出てきた。大振りのバトルアクスを手にしたその男はサルヴァンが子供に見えるほど大きい。それにゴリマッチョだ。ハゲ頭が言っていたスキル持ちがこいつか。
「おお、頼むぞ!」
「任せてくださいよお頭」
ほうほう。あのバンダナを巻いたのがお頭か。バトルアクスを持った奴は斧野郎でいいか。
「さっさとかかって来い」
「俺様のスキルは痛覚無視! どんな一撃だろうとこの俺様の斧の一撃は止まることなし!」
痛みを感じないのか。病気になっても自覚症状無いなら早死にしそうだね。
斧野郎は斧を横向きに構え、アレサに向かって突進する。
「喰らえい!」
斧を横に薙ぐ。アレサはその動きを見切り、軽くバックステップでかわすと即間合いを詰める。
斧野郎は空振った斧を止めず、左足を軸にして回った。
しかし、その斧が振るわれることは無かった。
回りきる頃には両腕はなく、横の石壁にバトルアクスと両腕がぶつかる。アレサは斧野郎の横を通り過ぎ、両腕を斬り落としたみたい。
「ぬぅっ!? う、腕が無い!?」
「単純に遅い」
アレサは不満そうだ。盗賊に期待してもしょうがないと思うな。それほどの腕があるなら落ちぶれたりしないでしょ。
そんなことを思いながらアレサの斬った盗賊たちの腕を治しつつリーネが石に変えていく。あと何人いるん?
「残りの奴。武器を捨てて投降しろ」
「投降したら石にされるのか……?」
「投降しない場合は痛い思いをしてから石になるだけじゃないか?」
石になる運命は変わりません。だって持ち運び楽なんだもん
「くそっ! 石になんてされてたまるか!」
「阿呆が」
やぶれかぶれに突撃した盗賊があっさりとアレサに剣を弾き飛ばされる。弾き飛ばされて手が痺れたのか、右手がプルプルと震えていた。
見せしめにするか。
「光刃、付与、強化」
小さな光の刃を多数生み出し、痛みの強化を付与する。魔法に魔法を付与するのだ。もちろんこれも拡大解釈あっての技法だ。
光の刃はその盗賊の太腿、肩、腹と至る所に刺さっていく。刃自体は小ぶりなのでそこまで深くは刺さらないから致命傷にはならないと思う。でも感じる痛みを強化してあるから相当痛いはず。
「いだいいいぃぃぃいっっ!!」
あれ?
気絶しないな。傷が浅かったのかな?
それでも盗賊はあまりの痛みに絶叫をあげ、涙鼻水を撒き散らしながら転げ回る。それを見ていた後ろの盗賊達はお頭が武器を投げ捨てたのを皮切りに皆が武器を捨て始めた。
「と、投降する……。あれはちょっと勘弁してくれ、いやください……」
残り全員が膝を付き投降する。そしてあえなく全員が石にされ、盗賊団殺戮の宴は壊滅したのであった。
めでたしめでたし。
さー、お宝だ!
20
お気に入りに追加
711
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】異世界転移で、俺だけ魔法が使えない!
林檎茶
ファンタジー
俺だけ魔法が使えないとか、なんの冗談だ?
俺、相沢ワタルは平凡で一般的な高校二年生である。
成績は中の下。友達も少なく、誇れるような特技も趣味もこれといってない。
そんなつまらない日常は突如として幕を閉じた。
ようやく終わった担任の長話。喧騒に満ちた教室、いつもより浮き足立った放課後。
明日から待ちに待った春休みだというのに突然教室内が不気味な紅色の魔法陣で満ちたかと思えば、俺は十人のクラスメイトたちと共に異世界に転移してしまったのだ。
俺たちを召喚したのはリオーネと名乗る怪しい男。
そいつから魔法の存在を知らされたクラスメイトたちは次々に魔法の根源となる『紋章』を顕現させるが、俺の紋章だけは何故か魔法を使えない紋章、通称『死人の紋章』だった。
魔法という超常的な力に歓喜し興奮するクラスメイトたち。そいつらを見て嫉妬の感情をひた隠す俺。
そんな中クラスメイトの一人が使える魔法が『転移魔法』だと知るや否やリオーネの態度は急変した。
リオーネから危険を感じた俺たちは転移魔法を使っての逃亡を試みたが、不運にも俺はただ一人迷宮の最下層へと転移してしまう。
その先で邂逅した存在に、俺がこの異世界でやらなければならないことを突きつけられる。
挫折し、絶望し、苦悩した挙句、俺はなんとしてでも──『魔王』を倒すと決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる