47 / 188
第46話 襲撃者の末路
しおりを挟む
「これはまた見事なものね」
縛られ、気絶して倒れている盗賊どもを眺めながらアレーテさんが感嘆の声をあげた。
「この様子なら私は要らなかったかもしれませんねぇ~」
「盗賊ごときに遅れはとりませんよ」
サルヴァンがへへっ、と笑う。僕も奇襲で接近さえされなければ、盗賊なんて僕たち龍炎光牙の敵じゃないと思う。リーネの恐怖ではいおしまい、だもん。闇属性ってえげつない魔法多い気がする。
「確認しましたけど恩恵持ちはいませんでした。お金持ってそうなのにね」
「大罪人が洗礼を受けると、その大罪人には神罰が下りますから。恩恵持ちの盗賊はだいたいが落ちぶれた騎士や冒険者ですね」
へー、そうなんだ。でも恩恵は無くても魔法は使える。魔法の発動に必要なのは力ある言葉だ。だから鑑定で魔法を持っていた奴は猿ぐつわをかましてある。
「ルウ、そろそろ尋問を始めよう」
「わかった。水創」
まとめた盗賊どもに冷や水を浴びせ、目を覚まさせる。凍る手前くらいに冷たくしたった。
「つめてぇぇぇっ!」
盗賊共が冷や水に驚き声をあげる。目を覚ましたようだ。
そしてサルヴァンが尋問を開始する。
「さて、質問に答えて貰おうか。リーダーは誰だ?」
「ガキが! さっさと縄を解きやがれ!」
サルヴァンの質問にハゲ頭が毒づく。
うーん、完全に舐められてるな。さっきやられたのもう忘れたんかね?
「立場がわかってないようだな。リーネ、このハゲ以外やっていいぞ」
「わかった!」
「ゆっくりでいいからな?」
サルヴァンがニヤリと笑って追加注文すると、リーネがにこーっと笑って答えた。
いい笑顔ですね!
「石化!」
パキパキパキ……。
「いいっ!?」
盗賊どもの足から腕からが石と化していく。まるで身体を侵食するように石はその勢力を広げ、肉体を飲み込んでいった。
「か、身体の感覚がぁぁぁっっ!!」
「ひぃぃぃぃっ! こ、こえーーよーーー!」
「い、石になっていくぅぅっっ!!」
そこからは阿鼻叫喚の地獄だった。身体が石になっていく恐怖を盗賊達が襲う。それもゆっくりとした速度で石になっていくからねぇ。泣きが入らない盗賊はいないようだ。
そしてほどなくして恐怖に引きつった表情の見事な石像が並んでいた。ハゲ頭も顔が真っ青だ。これなら素直に答えてくれそうだね。
「あ、悪魔かお前ら……!」
「殺してないだけありがたいと思え。もう一度聞くぞ。リーダーはおまえか?」
「お、俺は頭じゃねぇ。というよりこの中に頭はいねぇよ!」
ハゲ頭は怯えながらも質問に答える。しかし頭じゃないなら聞くことが増えそうだ。
「動いたのは頭の命令か?」
「そ、そうだ! 女とガキが護衛だから夜に襲って来いって命令されたんだ!」
「頭のところはあと何人いる?」
「さ、30人ほどだ……」
うーん、結構いるなー。今回は護衛だから盗賊討伐は違うんだろうけど、目をつけられているのがなー。
「ルウ、どう思う?」
「うーん、後顧の憂いは断っておきたいけど、依頼は護衛だからね。マルタンさんの決定に従う方向でいいんじゃないかな?」
討伐の方向に誘導するけどね。お宝は別に報告の義務はないので全て自分たちのものにできる。そして賞金首がいれば懸賞金も貰えるし、役人につき出せば報奨金も出る。さらにギルドに報告すれば貢献値も獲得!
つまり盗賊退治は美味しい!
「なら保留か。リーネ、こいつも石にしてくれ」
「ちょ、ちょっと待て! 質問に答えただろうがぁぁっ!」
「いや、約束してねぇし」
「石化」
パキパキパキ……。
「いやだぁぁぁぁぁっっ!!」
絶叫虚しくハゲ頭も石になる。戻す時は回復でなんとかなるんだよね。その頃にはきっと心も折れているに違いない。
「よし、ルウ。収納してくれ」
「うん。収納」
石になった盗賊どもを収納する。石になったので生き物じゃなくなったからしまえるんだよね。いやー、これなら安心して運べるね!
「この発想はなかったわね……」
「なかなか素敵に成長してますねぇ~」
アレーテさんはちょっと引いてる感じがあるけどリオネッセさんには好評で良かった。
縛られ、気絶して倒れている盗賊どもを眺めながらアレーテさんが感嘆の声をあげた。
「この様子なら私は要らなかったかもしれませんねぇ~」
「盗賊ごときに遅れはとりませんよ」
サルヴァンがへへっ、と笑う。僕も奇襲で接近さえされなければ、盗賊なんて僕たち龍炎光牙の敵じゃないと思う。リーネの恐怖ではいおしまい、だもん。闇属性ってえげつない魔法多い気がする。
「確認しましたけど恩恵持ちはいませんでした。お金持ってそうなのにね」
「大罪人が洗礼を受けると、その大罪人には神罰が下りますから。恩恵持ちの盗賊はだいたいが落ちぶれた騎士や冒険者ですね」
へー、そうなんだ。でも恩恵は無くても魔法は使える。魔法の発動に必要なのは力ある言葉だ。だから鑑定で魔法を持っていた奴は猿ぐつわをかましてある。
「ルウ、そろそろ尋問を始めよう」
「わかった。水創」
まとめた盗賊どもに冷や水を浴びせ、目を覚まさせる。凍る手前くらいに冷たくしたった。
「つめてぇぇぇっ!」
盗賊共が冷や水に驚き声をあげる。目を覚ましたようだ。
そしてサルヴァンが尋問を開始する。
「さて、質問に答えて貰おうか。リーダーは誰だ?」
「ガキが! さっさと縄を解きやがれ!」
サルヴァンの質問にハゲ頭が毒づく。
うーん、完全に舐められてるな。さっきやられたのもう忘れたんかね?
「立場がわかってないようだな。リーネ、このハゲ以外やっていいぞ」
「わかった!」
「ゆっくりでいいからな?」
サルヴァンがニヤリと笑って追加注文すると、リーネがにこーっと笑って答えた。
いい笑顔ですね!
「石化!」
パキパキパキ……。
「いいっ!?」
盗賊どもの足から腕からが石と化していく。まるで身体を侵食するように石はその勢力を広げ、肉体を飲み込んでいった。
「か、身体の感覚がぁぁぁっっ!!」
「ひぃぃぃぃっ! こ、こえーーよーーー!」
「い、石になっていくぅぅっっ!!」
そこからは阿鼻叫喚の地獄だった。身体が石になっていく恐怖を盗賊達が襲う。それもゆっくりとした速度で石になっていくからねぇ。泣きが入らない盗賊はいないようだ。
そしてほどなくして恐怖に引きつった表情の見事な石像が並んでいた。ハゲ頭も顔が真っ青だ。これなら素直に答えてくれそうだね。
「あ、悪魔かお前ら……!」
「殺してないだけありがたいと思え。もう一度聞くぞ。リーダーはおまえか?」
「お、俺は頭じゃねぇ。というよりこの中に頭はいねぇよ!」
ハゲ頭は怯えながらも質問に答える。しかし頭じゃないなら聞くことが増えそうだ。
「動いたのは頭の命令か?」
「そ、そうだ! 女とガキが護衛だから夜に襲って来いって命令されたんだ!」
「頭のところはあと何人いる?」
「さ、30人ほどだ……」
うーん、結構いるなー。今回は護衛だから盗賊討伐は違うんだろうけど、目をつけられているのがなー。
「ルウ、どう思う?」
「うーん、後顧の憂いは断っておきたいけど、依頼は護衛だからね。マルタンさんの決定に従う方向でいいんじゃないかな?」
討伐の方向に誘導するけどね。お宝は別に報告の義務はないので全て自分たちのものにできる。そして賞金首がいれば懸賞金も貰えるし、役人につき出せば報奨金も出る。さらにギルドに報告すれば貢献値も獲得!
つまり盗賊退治は美味しい!
「なら保留か。リーネ、こいつも石にしてくれ」
「ちょ、ちょっと待て! 質問に答えただろうがぁぁっ!」
「いや、約束してねぇし」
「石化」
パキパキパキ……。
「いやだぁぁぁぁぁっっ!!」
絶叫虚しくハゲ頭も石になる。戻す時は回復でなんとかなるんだよね。その頃にはきっと心も折れているに違いない。
「よし、ルウ。収納してくれ」
「うん。収納」
石になった盗賊どもを収納する。石になったので生き物じゃなくなったからしまえるんだよね。いやー、これなら安心して運べるね!
「この発想はなかったわね……」
「なかなか素敵に成長してますねぇ~」
アレーテさんはちょっと引いてる感じがあるけどリオネッセさんには好評で良かった。
20
お気に入りに追加
711
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
異世界転移は分解で作成チート
キセル
ファンタジー
黒金 陽太は高校の帰り道の途中で通り魔に刺され死んでしまう。だが、神様に手違いで死んだことを伝えられ、元の世界に帰れない代わりに異世界に転生することになった。
そこで、スキルを使って分解して作成(創造?)チートになってなんやかんやする物語。
※処女作です。作者は初心者です。ガラスよりも、豆腐よりも、濡れたティッシュよりも、凄い弱いメンタルです。下手でも微笑ましく見ていてください。あと、いいねとかコメントとかください(′・ω・`)。
1~2週間に2~3回くらいの投稿ペースで上げていますが、一応、不定期更新としておきます。
よろしければお気に入り登録お願いします。
あ、小説用のTwitter垢作りました。
@W_Cherry_RAITOというやつです。よろしければフォローお願いします。
………それと、表紙を書いてくれる人を募集しています。
ノベルバ、小説家になろうに続き、こちらにも投稿し始めました!
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
不遇幼女とハートフルなもふもふスローライフを目指します! ~転生前の【努力値】で異世界無双~
epina
ファンタジー
彼方高志(カナタ タカシ)は異世界に転生した直後に女の子の悲鳴を聞く。
助け出した幼女から事情を聴くと、家族に奴隷として売られてしまって、帰る場所がないという。
タカシは転生して得た力で、幼女の保護者になると決意する。
おいしいものをいっしょに食べたり、きれいな服を買ってあげたり。
やがてふたりはいろんな試練を乗り越えて、さまざまなもふもふたちに囲まれながら、のんびり旅をするようになる。
これはAIサポートによって異世界転生した男が、世界で一番不幸な幼女を、世界で一番幸せにするまでの物語。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる