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第32話 Dランク昇格!

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  討伐を終え、僕たちは2日かけてアプールの街に帰ってきた。一通り倒した後はできる範囲で空けた穴を埋め、クレーターを直したが、傷跡はどうしても残ってしまう。オークもかなりの数を回収してあり、数百匹分もある。その中には上位種やオークキングも含まれていた。オークキングがデカすぎて僕ら以外の収納魔法に入らなかったのだ。運んだ費用はしっかり請求するよ?


 で、さすがにその数を一度に卸すわけにもいかず、受け入れ切れない分は僕たちが2割の値で買い取った。僕たちがいないと運びきれないし破損の酷い個体を回復ヒールして状態を戻したのも僕たちだ。2割でも文句は言えないはずだよね。それでも一時的とはいえ、金貨にして50枚相当の支払いはキツイんだけどさ。このお金は活躍度に応じて他のチームに分配されるそうだ。


 それとは別に討伐報酬金貨2枚とDランクへの昇格を果たしたので、これでダンジョンに行くこともできる。それとあれだけのオークを殲滅したことで経験値が爆上がりしているはずだ。鑑定してもらおう。


 早速受け付けでお願いし、相談室で鑑定をしてもらった。


「討伐戦は経験値が凄いけど、前より格段に上がってるわね。サルヴァン君経験値11457でレベル23、魔力85スロット3、アレサちゃん経験値11543でレベル24、魔力104スロット4、リーネちゃん経験値11418でレベル23、魔力506、スロット16、ルウ君経験値11421でレベル23、魔力473、スロット14ね。リーネちゃんもう大魔導士クラスの魔力よこれ。レベル50以上の魔道士並かしら」

「討伐戦は経験値美味しいんですね。オークも数百匹だとこれだけ上がるのか…」


 道理で気を失うわけだ。一気に7つも上がったらとんでもない数値になってた。しかしなるほど、討伐戦によく参加しているパーティはそれだけレベルアップも早いのはこういうことだったのか。レベル43とかだと10万以上の経験値が必要らしいけど、これなら手が届きそうだ。


「でも鑑定でわかる数値が魔力とスロット数だけって不便だよな。俺みたいなタンクは身体能力も上がるけど、数値化されないもんな」

「ああ、それは測っても意味が無いからだって言われてるわ。人の身体は部位によって頑丈さが違うし、防御力なんてほぼ防具に依存しているわよね。攻撃力だって力があれば威力の高い攻撃ができるか、って言うとそうじゃないし。そういうものは自分の感覚で覚えるものよ。絶対でもないのに数値を出す意味なんてないんじゃないかしら?」

「うわー正論だ!    夢がないです」


 リーネは夢がない、というがそんなものだろう。参考にはなるんだろうけどね。人の体内の筋肉やら色々をわざわざ数値化しようと思えば複雑な計算が必要だろうけど、これを誰がやるのかって話になる。最大魔力値やスロット数だけなら複雑な計算は必要なさそうだよね。


「それよりあんたたち、早いとこCランクに上がって欲しいわね。実力的には十分なんだから後は対人戦闘評価、護衛評価と依頼達成評価ね。対人と護衛さえ経験してもらえればCランクに上がれると思うわ」

「DとCランクってそんなに違うんですか?」

「違うわね。Cランクなら1人前って評価でDはまだまだ2流よ。Dだと護衛依頼は単独で受けられないし、討伐隊の隊長にもなれないわ。貴族様からの人材要請にもどんなに優秀でもDランクパーティを推すことができないの」


 意外と違いがあるんだね。僕らとしては先ずはダンジョンに潜ってみたいというのがあるんだけど、それはDランクからじゃないと許可が降りない。何かあったとき、Eランクパーティが潜っていると助ける方も決していい顔をされないものだからね。

 でももうDランクなのでその心配もない。自己責任だけど楽しみだ。


「まぁ、それは追々ですね。Dランク昇格だってスピード出世だったんですから」

「わかってるわ。せめて今年中にお願いしたいけど」

「わかりました」


 サルヴァンの言うようにスピード出世だったからね、少しゆっくりでもいいんじゃないかな、って思うけど。とにかくダンジョンだ。クランハウスに行ったらライミスさん達に昇格の報告をしないと。
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