【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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第25話 クラン加入!

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「うげ、ギルドマスター!  それに勇者!   なんでお前らまでいるんだ!」

「その子達はうちで預かる。手を出すなら容赦はしないが?」


 勇者様?

 これはありがたい援軍だ。しかも保護してくれるらしい。でもとりあえずは回復ヒールで鼻を治そう。折れてるぽい。


回復ヒール


 血が止まり、痛みも和らいでいく。ふぅ。もう防壁プロテクションを解除しても大丈夫だろう。そう思い解除すると、近くにいた男は走って逃げて行った。
    うーん、僕じゃ取り押さえられないから仕方ないか。


「大丈夫かい?」

「あ、ありがとうございます勇者様」


 僕は立ち上がると深々と頭を下げる。よくよく考えたら僕もリーネも対人には向いてないな。少なくとも生け捕り向きの魔法は全く持っていない。


「ギルドマスターから話は聞いている。我ら勇士の紋章は君たち龍炎光牙を歓迎する。戦い方や剣技もしっかり教えよう。僕らなら宿舎も用意できるから安心するといい」

「いいんですか?」

「ああ。そのレベルでコカトリスを倒した手腕は素晴らしい。有望な新人は歓迎だ」


 勇者様に評価され、僕たちは手を取り合って喜んだ。これでアレサは剣技を教えて貰えるし、サルヴァンも僕たちのリーダーとして多くを学べるだろう。それに勇士の紋章に入ったことでもう強引な勧誘もなくなるはずだ。


「よし、じゃあ早速僕たちのクランハウスへ案内しよう。良かったら宿泊できる部屋もあるから泊まっていくといい」


 そして僕たちは勇士の紋章のクランハウスへ案内された。その建物は大きく、豪邸のようだった。中も凄い豪華で廊下に赤い絨毯が敷き詰められ、メイドさんまでいる。お、お金持ち過ぎる…。僕ら場違いじゃない?


 そして勇者様自らの案内を受け、大部屋へと通された。何でも会議室というらしい。その会議室には10人ほどの人が座って待っていたようで、彼らは僕たちを値踏みするように眺めている。


「今いるメンツはこれだけか。みんなに紹介しよう。新しく我らの仲間となる龍炎光牙のみんなだ。まだEランクパーティだが才能は確かだ。まだランクが低いから当分は彼らから資金の徴収はしないがそれは認めてやってくれ」

「龍炎光牙か、聞いたことは無いが魔導士協会の手紙は俺達も読んでいるからな。ギルドマスターから推薦状までもらえるなんて相当だろ。今後に期待してるぜ」


 勇者様が僕たちのことを紹介すると、多少ざわつきはしたものの、否定的な意見はなかった。


「じゃあ、自己紹介してくれるかな?   恩恵ギフトがあるならそれも教えて欲しい」

「はい、俺はサルヴァン。龍炎光牙のリーダーで大盾使いでタンクやってます。恩恵ギフトは硬質化です」

「硬質化か。タンクにはいい恩恵ギフトだよな。俺もタンクだからちょっと羨ましいぜ」


 サルヴァンが自己紹介すると温かな拍手が起こる。みんないい人そうで良かった。


「私はアレサ。剣士志望で恩恵ギフトはこれからです。剣を教えて貰える師匠を探しています」

「剣なら私が教えてあげるわ。剣聖の恩恵ギフトを持つこのアレーテがね。その代わり私は厳しいわよ?」

「ありがとうございますアレーテ師匠!」


 剣聖アレーテといえば僕でも知ってるくらい有名だ。そんな人に教えて貰えるのだからアレサも嬉しそうで良かった。


「私はリーネです。えと、氷系と炎系が得意です。よろしくお願いします」

「彼女は5属性の親和性がS評価の稀代の天才だ。収納魔法もA判定で即戦力になりうるほどだ。だがレベルが低いから同行を頼むなら魔力のオーバーフロウに気をつけてな」


 オーバーフロウとは魔力制御の限界を超えて魔力が上がる現象だそうだ。僕とリーネが気絶したのもそれらしく、目が覚めてもしばらく魔法が使えない、なんてこともあるらしい。


「ルウです。パーティのサポートと作戦の立案、指揮を担当しています。恩恵ギフトは魔法やスキルの効果を1部変質させるものです。例えば回復ヒールで怪我じゃなく魔力を回復させたりとかできます」

「それ、本当なのか!?     もしそうなら魔法を使いたい放題ということか!」

「はい、使いたい放題使ってますね」

「彼も3属性の親和性がS評価3つと稀代の天才だ。収納魔法もS評価という前代未聞の使い手だし、彼の作戦で初級魔法だけでコカトリスを倒しているそうだ」


 僕の紹介に皆が拍手を贈る。こうして僕たちは王国最高のクラン、勇士の紋章の一員となったのだった。
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