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薄青の散る 8
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―ヘキサ―
トレーに食事を盛った六花は食べる場所を探すため、テーブルに視線を送る。さっと見渡した中にオクタとラーレの姿を見つけた。
リコリスに声をかけ二人のいるテーブルに向かう。
「師匠、こんなとこにいたんですね」
六花は気配を消し、オクタの背後から近づいて声をかけてみたが、背後から声をかけられることが分っていたかのように、あっさりとした返事が返ってきた。
「六花か。お前たちも夕飯か?トンカツと卵を乗せて作るカツ丼は結構いけるぞ」
オクタ曰く、ご飯のさらに奥にトンカツと卵とじが用意されていたらしく、ソースもかければ簡単なソースカツ丼を作ることができるようだ。
味が良かったのか珍しくオクタが六花に料理をすすめてきた。六花はそんなオクタを見て意外に思ったが、六花のトレーの上にはすでに海鮮丼がある。
「私は海鮮丼作ったので、また後で余裕があったらにします」
そう軽く断ってから六花はオクタたちのテーブルについた。
リコリスも六花に続いて席につく。
「なんだそれ?夕飯……だよな?」
ラーレはリコリスのトレーを見て目を丸くして驚いた。オクタも声にこそ出さなかったが驚いていたようだ。
「甘いものが食べたいんだそうですよ」
六花は呆れた声を出しながら海鮮丼に箸をつけた。
バイキングでの食事を終えるとリコリスの提案で時間が来るまでの間、四人でホテルの中を見て回ることになった。
六花はホテルの中に備え付けられている自動販売機の前を通った時、ココアの文字が目に留まった。三人を止めるのも悪いと思い、自動販売機の前で六花は一人立ち止まった。
ココアを購入すると自動販売機が小さな音を立てて動き始めた。自動販売機についている画面を見ると紙のカップに注いでいることが分かった。
画面が切り替わり、出来上がりの表示が出るのと同時。ドアを開けアイスココアのカップを抜き取り、六花は三人の後を追いかけた。
三人は売店やお土産コーナーを中心に回っていたが、六花が追いついた頃にはリコリスが飽きた飽きたと騒ぐ寸前だった。
リコリスに振り回されるまま21時ごろから四人でゲームコーナーを見ていた。オクタもラーレもこういった場所でゲームをするタイプではない。六花はリコリスに言われるがまま付き合っていたが、オクタとラーレはまるで保護者だ。
リコリスが太鼓のゲームにコインを入れて太鼓をバチで叩き始めた時、オクタが時間だと呟いた。
「時間だ。ライースたちも来てるだろう。部屋に向かうぞ」
オクタの言葉で、六花もスマホで時間を確認した。画面には21:53と表示されていた。
「秋花さん、行きますよ」
「ちょっと待って!まだこの曲の記録塗り替えられてないんだって」
六花たちの言葉に動揺したリコリスはオールパーフェクトに失敗したようだ。六花にちょっと待ってと言いながら新たに百円を入れようとしていた。
「待ちませんよ。仕事が終わってからにしてください」
六花は素早くリコリスからバチを取り上げ筐体に戻す。リコリスの腕を掴んでオクタたちについて指定された部屋に向かった。
「私のゲームが~」
「秋花さんのじゃないでしょ」
「ここだな」
オクタはホテルの6階“白頭”と書かれた部屋の前で止まった。6階に上がってからは事前に連絡をもらっていた経路を通り部屋に向かう。
指定された通路はカメラに映らないようになっているらしい。六花たちの泊まる部屋も同じ階のそれも結構な近さにあるため、帰る時も同じ経路を通り、わざわざ遠回りをする必要があると思うと六花は面倒だと思わずにはいられなかった。
が、指定されてしまったのなら仕方がない。
オクタが扉を4回ノックをする。2秒後にガチャリと言う音と共に扉が開く。
「お待ちしておりました。オクタ」
扉を開けたのはライースの秘書、リエールだった。
リエールに招かれるまま4人は部屋に入る。
六花は中に入るとすぐにその広さに驚かされた。ここは大部屋につながるいわば廊下のようなものだが、六花の泊まる部屋のものよりも明らかに広く長い。そして装飾も華美だ。目の前の閉じられた扉、その先はさらに豪華なものなのだろうと想像し息を呑んだ。
部屋に入ると壁側が暗く、電気が消えていることに気づいた。反対の窓側も明かりは付けていないのだろうが、窓から差し込む月明かりで十分人の顔が判別できる程度には明るい。
六花には壁の近くにプロジェクターがうっすらと見えたため、部屋の明かりが消えていることには然程疑問は抱かなかった。
六花が部屋を見回すとすでに10人前後の人物が部屋の椅子やベッドに腰かけていることが分かった。
その中の数人が六花たちに視線を向けている。
大浴場で遭遇したエランティスや彼女の先生であるリラ、ライースなど六花の見知った顔もいるが殆どのメンバーは会ったこともないものばかりだ。
オクタやラーレは六花よりも歴が長いため、彼らからすれば会ったことのある者ばかりなのだろうと六花は考えた。
オクタもラーレも特別何かを警戒したりすることなく部屋に入っていく。
各々ベッドや椅子、ソファーに腰掛けており、立っているのはプロジェクターの準備をしているライースとリエール。あとは窓の横に立つ長身の男女の4名のみだ。
長身の男性は三十後半から四十前半くらいだろうか、六花にはオクタと同い年くらいに見えた。体つきがしっかりしていて隙がない。寡黙な仕事人と言った印象を受けた。
六花は一眼見てあれがターゲットだったらと考える。
「不意を打つことが出来れば好機を作れるかもしれない」それが六花の感想だった。
想像の中でも五分に持ち込めるかどうかというほどの強者だと六花は感じた。隣に立つ赤い長髪の女性も只者ではなさそうだ。
(長身ですらっとしてるのに欲しいところには欲しいだけ肉がついてるって感じ……)
男性ならば彼女を一目見たらそうそう忘れられないのではないかと思った。そのくせ彼女には武術の心得があるどころか相当の使い手なのではないかと感じ取った。
何故そう思ったのか、六花には説明できなかった。彼女は女性として魅力的だが、見れば見るほど荒事が得意そうではない。
リコリスは部屋に入るなり早々に近くのベッドに腰掛けていた。ラーレとオクタはその隣に立つように移動しており、六花も遅れないようそれについていく。リコリスの隣についた時、先ほどの長身の男女が何やら話しているのが目についた。
(こっちを見てる……?)
六花には自分が見られているように感じられたが、正確には彼女は六花ではなくオクタを見ていたようだ。隣の男に何かを言い終えるとゆっくりと歩み寄ってきた。
近くで見る彼女は遠目でうっすらと見た時よりもさらに華やかで、見た目通りの艶っぽい声がした。
「やっと来たんだね?オクタ。相変わらずしぶとく生きてるみたいじゃない」
「死んだらメッセージが届くだろう」
艶のある声だが、口調は荒く辛辣だった。六花がそのギャップに驚いているとリコリスも彼女に気づいたらしく嫌そうに声を漏らした。
「げっプロテアじゃん」
「げって何かしら?」
赤髪の女性、プロテアは不満そうにリコリスに視線を向ける。
やはり近くで見ると大きい。身長は170半ばくらいだろうか、六花がベッドに座っているということもあるが、見上げるくらいの長身で抜群のスタイルを持っていた。
六花は息を飲む。羨ましくすら思うほどに綺麗だった。
憧れていたエランティスはスレンダーで控えめな女性だったが、こういったグラマラスな体型にも憧れはあった。
「ねぇねぇ、私この子初めて見るんだけど」
プロテアは六花の隣に回り込み肩に手をおいた。
仄かな花の香りが六花の鼻をつく。
「もうコードネームを使ってるの?これだけ小っさくて可愛いんだから、さぞかし可愛らしい花の名前なんだろう?あっもしかしてまだないかな?それなら、何がいいかな」
頬に手を当てコードネームを考えているらしい彼女は六花のことを質問しているが、どうもリコリスやオクタに聞いているようだ。
六花はまだ子どもだと侮られているのか、プロテアは自分には聞いていないのだろうなと感じた。
六花は肩に置かれたプロテアの手を鬱陶しそうに退ける。
「もうありますよ。初めまして、プロテアさん!」
「おっ、しっかり挨拶できるんだねぇ」
六花は反射的に反発する。
「……馬鹿にしてます?」
「そんなまさか。可愛いと思っているだけよ。それでなんてコードなんだい?」
「私のコードネームはヘ――」
「そ、それよりさ!ライースの奴22時に来いだなんて呼び出したくせに準備遅いねー!」
六花がコードネームは「ヘキサ」だと言おうとした瞬間リコリスが割って入った。
「……言われてみれば?それもそうね。何油を売ってるのかしら。自分が待ち惚けを喰らうと怒る癖にね」
リコリスもプロテアも本人がそこにいるのを知ってか知らずか大声で文句を言う。
プロテアがライースの方へ視線を向けた時、ライースたちの準備がちょうど終わった。
会議が始まる様子を見てプロテアは同じチームらしきガタイの良い男性の元へ帰っていった。
(……なんかあの人どこかであったかな?)
六花はガタイの良い男性工作員に引っかかるものを覚えたが寡黙な仕事人のイメージでは結局は何も思い出すことはなかった。
トレーに食事を盛った六花は食べる場所を探すため、テーブルに視線を送る。さっと見渡した中にオクタとラーレの姿を見つけた。
リコリスに声をかけ二人のいるテーブルに向かう。
「師匠、こんなとこにいたんですね」
六花は気配を消し、オクタの背後から近づいて声をかけてみたが、背後から声をかけられることが分っていたかのように、あっさりとした返事が返ってきた。
「六花か。お前たちも夕飯か?トンカツと卵を乗せて作るカツ丼は結構いけるぞ」
オクタ曰く、ご飯のさらに奥にトンカツと卵とじが用意されていたらしく、ソースもかければ簡単なソースカツ丼を作ることができるようだ。
味が良かったのか珍しくオクタが六花に料理をすすめてきた。六花はそんなオクタを見て意外に思ったが、六花のトレーの上にはすでに海鮮丼がある。
「私は海鮮丼作ったので、また後で余裕があったらにします」
そう軽く断ってから六花はオクタたちのテーブルについた。
リコリスも六花に続いて席につく。
「なんだそれ?夕飯……だよな?」
ラーレはリコリスのトレーを見て目を丸くして驚いた。オクタも声にこそ出さなかったが驚いていたようだ。
「甘いものが食べたいんだそうですよ」
六花は呆れた声を出しながら海鮮丼に箸をつけた。
バイキングでの食事を終えるとリコリスの提案で時間が来るまでの間、四人でホテルの中を見て回ることになった。
六花はホテルの中に備え付けられている自動販売機の前を通った時、ココアの文字が目に留まった。三人を止めるのも悪いと思い、自動販売機の前で六花は一人立ち止まった。
ココアを購入すると自動販売機が小さな音を立てて動き始めた。自動販売機についている画面を見ると紙のカップに注いでいることが分かった。
画面が切り替わり、出来上がりの表示が出るのと同時。ドアを開けアイスココアのカップを抜き取り、六花は三人の後を追いかけた。
三人は売店やお土産コーナーを中心に回っていたが、六花が追いついた頃にはリコリスが飽きた飽きたと騒ぐ寸前だった。
リコリスに振り回されるまま21時ごろから四人でゲームコーナーを見ていた。オクタもラーレもこういった場所でゲームをするタイプではない。六花はリコリスに言われるがまま付き合っていたが、オクタとラーレはまるで保護者だ。
リコリスが太鼓のゲームにコインを入れて太鼓をバチで叩き始めた時、オクタが時間だと呟いた。
「時間だ。ライースたちも来てるだろう。部屋に向かうぞ」
オクタの言葉で、六花もスマホで時間を確認した。画面には21:53と表示されていた。
「秋花さん、行きますよ」
「ちょっと待って!まだこの曲の記録塗り替えられてないんだって」
六花たちの言葉に動揺したリコリスはオールパーフェクトに失敗したようだ。六花にちょっと待ってと言いながら新たに百円を入れようとしていた。
「待ちませんよ。仕事が終わってからにしてください」
六花は素早くリコリスからバチを取り上げ筐体に戻す。リコリスの腕を掴んでオクタたちについて指定された部屋に向かった。
「私のゲームが~」
「秋花さんのじゃないでしょ」
「ここだな」
オクタはホテルの6階“白頭”と書かれた部屋の前で止まった。6階に上がってからは事前に連絡をもらっていた経路を通り部屋に向かう。
指定された通路はカメラに映らないようになっているらしい。六花たちの泊まる部屋も同じ階のそれも結構な近さにあるため、帰る時も同じ経路を通り、わざわざ遠回りをする必要があると思うと六花は面倒だと思わずにはいられなかった。
が、指定されてしまったのなら仕方がない。
オクタが扉を4回ノックをする。2秒後にガチャリと言う音と共に扉が開く。
「お待ちしておりました。オクタ」
扉を開けたのはライースの秘書、リエールだった。
リエールに招かれるまま4人は部屋に入る。
六花は中に入るとすぐにその広さに驚かされた。ここは大部屋につながるいわば廊下のようなものだが、六花の泊まる部屋のものよりも明らかに広く長い。そして装飾も華美だ。目の前の閉じられた扉、その先はさらに豪華なものなのだろうと想像し息を呑んだ。
部屋に入ると壁側が暗く、電気が消えていることに気づいた。反対の窓側も明かりは付けていないのだろうが、窓から差し込む月明かりで十分人の顔が判別できる程度には明るい。
六花には壁の近くにプロジェクターがうっすらと見えたため、部屋の明かりが消えていることには然程疑問は抱かなかった。
六花が部屋を見回すとすでに10人前後の人物が部屋の椅子やベッドに腰かけていることが分かった。
その中の数人が六花たちに視線を向けている。
大浴場で遭遇したエランティスや彼女の先生であるリラ、ライースなど六花の見知った顔もいるが殆どのメンバーは会ったこともないものばかりだ。
オクタやラーレは六花よりも歴が長いため、彼らからすれば会ったことのある者ばかりなのだろうと六花は考えた。
オクタもラーレも特別何かを警戒したりすることなく部屋に入っていく。
各々ベッドや椅子、ソファーに腰掛けており、立っているのはプロジェクターの準備をしているライースとリエール。あとは窓の横に立つ長身の男女の4名のみだ。
長身の男性は三十後半から四十前半くらいだろうか、六花にはオクタと同い年くらいに見えた。体つきがしっかりしていて隙がない。寡黙な仕事人と言った印象を受けた。
六花は一眼見てあれがターゲットだったらと考える。
「不意を打つことが出来れば好機を作れるかもしれない」それが六花の感想だった。
想像の中でも五分に持ち込めるかどうかというほどの強者だと六花は感じた。隣に立つ赤い長髪の女性も只者ではなさそうだ。
(長身ですらっとしてるのに欲しいところには欲しいだけ肉がついてるって感じ……)
男性ならば彼女を一目見たらそうそう忘れられないのではないかと思った。そのくせ彼女には武術の心得があるどころか相当の使い手なのではないかと感じ取った。
何故そう思ったのか、六花には説明できなかった。彼女は女性として魅力的だが、見れば見るほど荒事が得意そうではない。
リコリスは部屋に入るなり早々に近くのベッドに腰掛けていた。ラーレとオクタはその隣に立つように移動しており、六花も遅れないようそれについていく。リコリスの隣についた時、先ほどの長身の男女が何やら話しているのが目についた。
(こっちを見てる……?)
六花には自分が見られているように感じられたが、正確には彼女は六花ではなくオクタを見ていたようだ。隣の男に何かを言い終えるとゆっくりと歩み寄ってきた。
近くで見る彼女は遠目でうっすらと見た時よりもさらに華やかで、見た目通りの艶っぽい声がした。
「やっと来たんだね?オクタ。相変わらずしぶとく生きてるみたいじゃない」
「死んだらメッセージが届くだろう」
艶のある声だが、口調は荒く辛辣だった。六花がそのギャップに驚いているとリコリスも彼女に気づいたらしく嫌そうに声を漏らした。
「げっプロテアじゃん」
「げって何かしら?」
赤髪の女性、プロテアは不満そうにリコリスに視線を向ける。
やはり近くで見ると大きい。身長は170半ばくらいだろうか、六花がベッドに座っているということもあるが、見上げるくらいの長身で抜群のスタイルを持っていた。
六花は息を飲む。羨ましくすら思うほどに綺麗だった。
憧れていたエランティスはスレンダーで控えめな女性だったが、こういったグラマラスな体型にも憧れはあった。
「ねぇねぇ、私この子初めて見るんだけど」
プロテアは六花の隣に回り込み肩に手をおいた。
仄かな花の香りが六花の鼻をつく。
「もうコードネームを使ってるの?これだけ小っさくて可愛いんだから、さぞかし可愛らしい花の名前なんだろう?あっもしかしてまだないかな?それなら、何がいいかな」
頬に手を当てコードネームを考えているらしい彼女は六花のことを質問しているが、どうもリコリスやオクタに聞いているようだ。
六花はまだ子どもだと侮られているのか、プロテアは自分には聞いていないのだろうなと感じた。
六花は肩に置かれたプロテアの手を鬱陶しそうに退ける。
「もうありますよ。初めまして、プロテアさん!」
「おっ、しっかり挨拶できるんだねぇ」
六花は反射的に反発する。
「……馬鹿にしてます?」
「そんなまさか。可愛いと思っているだけよ。それでなんてコードなんだい?」
「私のコードネームはヘ――」
「そ、それよりさ!ライースの奴22時に来いだなんて呼び出したくせに準備遅いねー!」
六花がコードネームは「ヘキサ」だと言おうとした瞬間リコリスが割って入った。
「……言われてみれば?それもそうね。何油を売ってるのかしら。自分が待ち惚けを喰らうと怒る癖にね」
リコリスもプロテアも本人がそこにいるのを知ってか知らずか大声で文句を言う。
プロテアがライースの方へ視線を向けた時、ライースたちの準備がちょうど終わった。
会議が始まる様子を見てプロテアは同じチームらしきガタイの良い男性の元へ帰っていった。
(……なんかあの人どこかであったかな?)
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