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ホテル改革ー設備編-1
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翌日は執務室にこもってホテルのリニューアルプランを練った。
「えっと、、、ここはガラス扉にして、、、湖と言えば海賊船とスワンボートよね~ふんふん♪」
ホテルの図面と睨めっこしながから改装後のイメージイラストを色鉛筆でサラサラと描く。前世でも習ったことはないけど、描画は得意だった。
ふふ、いい感じ…楽しくなってきた!
「陛下楽しそうですね」
「えっ?そっ、そう?」
突然、声をかけられ、慌てて顔をあげるとまたアンバーが優雅にお茶を飲んでいる。
「いつからいるの?」
「湖と言えば海賊船・・・ふんふん♪
あたりからですかね」
かなり前からいらっしゃいますね・・・気配消しやめて下さい…。
「なぜ湖に海賊船なんですか?」
「・・・なぜと聞かれても・・・そういうもんなの!!」
前世、どこの観光地に行っても遊覧船=海賊船だった…そっ、それを疑問に思ったことがない…気になる、今になって気になる!アンバーが余計な質問したから…モヤモヤする…
おしえて、ウ●キペデ●アさーん!!
「スワンボートとは「もう質問は受け付けません!!」…」
ーー午後、副支配人のハンスさんと、ウェイターの青年が約束の時間に訪ねてきた。
青年の名はクリス、貴族ではないが王都でも名の通った輸入茶葉を取り扱っている商会の三男だ。
最近はコーヒーの取り扱いも始めたと耳にしている。前世、紅茶よりコーヒー派だった私には嬉しい出会いだ。
彼に同席してもらったのは、今回のプランに必要不可欠なキーマンだからだ。
ハンスさんは総支配人にとしてホテルの立て直しを担ってもらおうと思ってる。
会議室の大きなテーブルに描きあげた6枚のイラストを並べた。
1枚はロビー、5枚は客室のイメージイラストだ。
ハンスさんとクリスは「ほぅ」と感嘆のため息をついた。
「とてもお上手ですね…」
えへへ、褒められた…。
8月はバカンスシーズン、全国民が多かれ少なかれ休暇をとる。
総じて貴族は、1カ月の長期休暇をとりサマーハウスやホテルで過ごす。
この時期、ホテルの利用者は国内貴族だけではなく、近隣国からの観光客も少なくない。
8月には、なにがなんでもリニューアルオープンにこぎつきたい!
ホテルは、四階建、長方形で、ざっくり説明するとこんな感じだ。
一階 ロビー フロント レストラン
二階 レイクビュー12室
王城and市街地ビュー12室
三階 二階と同じ
四階 客室ちょっと広め
レイクビュー 8室
王城and市街地ビュー8室
今から一ヶ月半、全館改装は到底できない。
とにかく稼げるところから改装開始だ。
第一弾は、最上階全室スイート計画!
4階は貴族専用として、無用なトラブルを避けセキュリティー面も売りにする!
レイクビュー8室を4室に、この4室は景観で勝負できるので、勝手に人気になるだろう。
5枚の部屋のイラストの中から一枚を二人に差し出す。
「4部屋の内装は同じでいいと思うの、空と湖を連想させる濃淡の青、ファブリックの基本は白、差し色はゴールド、どうかしら?」
イラストを熟視する二人、しばらく無言で考え込む。
「今の重厚な内装とは大きく異なりますが、わたくしは、こちらの方が好ましく思います」
ハンスさんの言葉に、隣に座るクリスは大きく頷いた。
もちろんまだラフ画程度の仕上がりだがイメージは伝わったようだ。
次は湖に面してない8室も4室に変更する。
レイクビュー4室の予約が取れなかった貴族から不満が出ないよう、こちらの4室は別々のコンセプトで差別化を図る。
イメージは「海」、「砂漠」、「山」
外せない「和」!!
4枚のイラストを順に説明する。
「海」:この国は海に面していない。
一番近くて、東の隣国のそのまた東の端、馬車移動で15日以上かかる。
海に強い憧れを抱いてるはず!
壁面にも海のイラストや浴室は海中をイメージするなど、遊び心満載の部屋にする
「砂漠」:はるか南西にある砂漠の国をイメージ
調度品や絨毯などの交易はあるので、なんとかなるでしょう
エキゾチックで大人の部屋
「山」:無垢材を使ってログハウス風内装
ここまで一気にまくしたてた・・・
二人は高速で頷いているが、目が死んでる・・・。ごめん飛ばし過ぎました…。
「いやはや、我々には想像もできませんね・・・しかし既存の価値観では現状を打破できません!我々は陛下の決定に従います!」
ハンスさん、数日前までくたびれた中年男だったのに、イケオジになっていた。
クリスも少年のように目がキラキラだ!
「それで、和というのは?」
「これは、私の空想の産物なので……もう少し時間がかかりそうなので…」モゴモゴ……。
この大陸に日本ぽい国はない、竹や井草があるかもわからない、でも、絶対作りたい和モダンのお部屋!!
「では、こちらは最後に着手致しましょう」
ありがとう、ハンスさん!!
この後、すったもんだの末、和の部屋は完成するのだか、まさかこの部屋がとんでもない出会いを引き寄せることになるとは…それはまた別のお話し。
==========================
「別のお話し」作成中です。
別タイトルで投稿予定です。
「えっと、、、ここはガラス扉にして、、、湖と言えば海賊船とスワンボートよね~ふんふん♪」
ホテルの図面と睨めっこしながから改装後のイメージイラストを色鉛筆でサラサラと描く。前世でも習ったことはないけど、描画は得意だった。
ふふ、いい感じ…楽しくなってきた!
「陛下楽しそうですね」
「えっ?そっ、そう?」
突然、声をかけられ、慌てて顔をあげるとまたアンバーが優雅にお茶を飲んでいる。
「いつからいるの?」
「湖と言えば海賊船・・・ふんふん♪
あたりからですかね」
かなり前からいらっしゃいますね・・・気配消しやめて下さい…。
「なぜ湖に海賊船なんですか?」
「・・・なぜと聞かれても・・・そういうもんなの!!」
前世、どこの観光地に行っても遊覧船=海賊船だった…そっ、それを疑問に思ったことがない…気になる、今になって気になる!アンバーが余計な質問したから…モヤモヤする…
おしえて、ウ●キペデ●アさーん!!
「スワンボートとは「もう質問は受け付けません!!」…」
ーー午後、副支配人のハンスさんと、ウェイターの青年が約束の時間に訪ねてきた。
青年の名はクリス、貴族ではないが王都でも名の通った輸入茶葉を取り扱っている商会の三男だ。
最近はコーヒーの取り扱いも始めたと耳にしている。前世、紅茶よりコーヒー派だった私には嬉しい出会いだ。
彼に同席してもらったのは、今回のプランに必要不可欠なキーマンだからだ。
ハンスさんは総支配人にとしてホテルの立て直しを担ってもらおうと思ってる。
会議室の大きなテーブルに描きあげた6枚のイラストを並べた。
1枚はロビー、5枚は客室のイメージイラストだ。
ハンスさんとクリスは「ほぅ」と感嘆のため息をついた。
「とてもお上手ですね…」
えへへ、褒められた…。
8月はバカンスシーズン、全国民が多かれ少なかれ休暇をとる。
総じて貴族は、1カ月の長期休暇をとりサマーハウスやホテルで過ごす。
この時期、ホテルの利用者は国内貴族だけではなく、近隣国からの観光客も少なくない。
8月には、なにがなんでもリニューアルオープンにこぎつきたい!
ホテルは、四階建、長方形で、ざっくり説明するとこんな感じだ。
一階 ロビー フロント レストラン
二階 レイクビュー12室
王城and市街地ビュー12室
三階 二階と同じ
四階 客室ちょっと広め
レイクビュー 8室
王城and市街地ビュー8室
今から一ヶ月半、全館改装は到底できない。
とにかく稼げるところから改装開始だ。
第一弾は、最上階全室スイート計画!
4階は貴族専用として、無用なトラブルを避けセキュリティー面も売りにする!
レイクビュー8室を4室に、この4室は景観で勝負できるので、勝手に人気になるだろう。
5枚の部屋のイラストの中から一枚を二人に差し出す。
「4部屋の内装は同じでいいと思うの、空と湖を連想させる濃淡の青、ファブリックの基本は白、差し色はゴールド、どうかしら?」
イラストを熟視する二人、しばらく無言で考え込む。
「今の重厚な内装とは大きく異なりますが、わたくしは、こちらの方が好ましく思います」
ハンスさんの言葉に、隣に座るクリスは大きく頷いた。
もちろんまだラフ画程度の仕上がりだがイメージは伝わったようだ。
次は湖に面してない8室も4室に変更する。
レイクビュー4室の予約が取れなかった貴族から不満が出ないよう、こちらの4室は別々のコンセプトで差別化を図る。
イメージは「海」、「砂漠」、「山」
外せない「和」!!
4枚のイラストを順に説明する。
「海」:この国は海に面していない。
一番近くて、東の隣国のそのまた東の端、馬車移動で15日以上かかる。
海に強い憧れを抱いてるはず!
壁面にも海のイラストや浴室は海中をイメージするなど、遊び心満載の部屋にする
「砂漠」:はるか南西にある砂漠の国をイメージ
調度品や絨毯などの交易はあるので、なんとかなるでしょう
エキゾチックで大人の部屋
「山」:無垢材を使ってログハウス風内装
ここまで一気にまくしたてた・・・
二人は高速で頷いているが、目が死んでる・・・。ごめん飛ばし過ぎました…。
「いやはや、我々には想像もできませんね・・・しかし既存の価値観では現状を打破できません!我々は陛下の決定に従います!」
ハンスさん、数日前までくたびれた中年男だったのに、イケオジになっていた。
クリスも少年のように目がキラキラだ!
「それで、和というのは?」
「これは、私の空想の産物なので……もう少し時間がかかりそうなので…」モゴモゴ……。
この大陸に日本ぽい国はない、竹や井草があるかもわからない、でも、絶対作りたい和モダンのお部屋!!
「では、こちらは最後に着手致しましょう」
ありがとう、ハンスさん!!
この後、すったもんだの末、和の部屋は完成するのだか、まさかこの部屋がとんでもない出会いを引き寄せることになるとは…それはまた別のお話し。
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「別のお話し」作成中です。
別タイトルで投稿予定です。
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