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無職45日目− 3

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 おばさんとふたり暮らしも2年を迎えた頃、おばさんが突然毎日家にいるようになった。 
 おばさんは以前も在宅ワークはしているが、ほぼ自室でリモート会議をしてるようでたまに怒声が廊下まで響いた。
 出社する日の帰りは遅く、その日の俺の夕飯は自動給餌器のカリカリだ。
 帰宅するとごめんね~と、夜食のニャールで俺の機嫌をとる。

 俺はお母さんとお別れした後は、広い一軒家でのびのび生活していたので、久しぶりに日中、人のいる生活に戸惑った。

 その上、俺のお気に入りのソファーが占領されてしまった。
 しばらくしたらまた外に働きに出るだろうから、ソファーは貸しておいてやるかと思っていたら、1週間が過ぎ、半月が過ぎ、1ヶ月が過ぎてもおばさんは仕事どころか家からも出ない。
 週3回ゴミ出しに行くが、ゴミ収集所と玄関との距離は5メートルだ。

 毎日高級ブランド服という戦闘服をまとい、理不尽な上司と戦い、部下を導くバリキャリ企業戦士の面影はどこにも見当たらない。

 おばさんは会社を辞めた翌日から、ユニク⚫︎のダボダボTシャツとリラ子ちゃんセット、薄手のジャージ上下のヘビロテだ。
 着なくなったお高い衣類、バックはウォークインクローゼットの肥やしになっている。 


 今日はジャージ上下の日だ。俺は今、よれよれジャージ包まれている。
 おばさんは俺をぎゅっと抱きしめ、あちこちスンスン嗅いでいる。 やめれ!!

 思う存分俺を嗅いで満足したのか、視線をテレビに移したので、俺も視線の先を見る。

 テレビには、女性アナウンサーが10代と思われる数人の男女にインタビューをする様子が映し出されていた。

 彼らはお揃いのつなぎのようなものに、革の胸当て、青のネックストラップという身なりで元気にインタビューに答えていた。

「僕達、最近Eに上がれて…」

「はい、高校の同級生です!今年、卒業して…」

「スキルが…はい、内容は秘密です」

 インタビューは2分ほどで終わり、彼らは
 グレーの堅牢な建物に入っていった。他にも何組ものグループが建物に入って行く様子が流れた後コマーシャルに切り替わった。

「探検者か…若いね~」

 おばさんは、ぽつりとつぶやき俺の背を撫でた。

 しばらくぼーっとテレビ画面を眺めていたおばさんは唐突に俺を抱きかかえると、くるりと向きを変えた。
 びろーんと伸びた俺と目線を合わすと出し抜けに声を張った。
「ダンジョン行ってみるか~」と。

 大丈夫か、こいつ.....。

 →→→→→→

 次回やっとダンジョンに行く…かな💦









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