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おまけ 旅立ち
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そうだ、旅に出よう……。
お金はある、多分一生働かなくても良いぐらいある!
この世界に突然引っ張り込まれ4年半、めっちゃ働いた、いや、働かされた…。
それなりに功績もあげた。
結果、叙爵した…。さすがに領地は辞退したけど…。
くっ、あのオヤジ~!!
さすが一国の長、上手く踊らされた…。
「嵌められたな・・・」
そろそろこの国を出ようと思っていた。
平和でいい国だ、別に嫌いではないよ。
しかし、私の故郷は日本であってこの国に郷愁を感じることはない。
せっかくの異世界、心ゆくまで楽しみたい!
旅の終わりにまた戻ってくればいい、と思っていた…そう、ただ思っていただけ!!
おかしいな~、なぜバレた??
まだ一度も声にしたことはない!…はず…。
「お嬢様、顔が怖いです!」
スモーキーな香りのコーヒーが注がれた大きめのカップがテーブルに置かれた。
最近の楽しみはこれ!!
一年前から帝国経由で輸入されるようになったコーヒー!!
イタリアンローストに似た焙煎の強い豆が主流だ、これも色んなアレンジ加えてコーヒー専門店でも…あぁぁぁぁ!やめやめ!!
こうやって思いついたことに色々手を出した結果がこれだ……。
アイビーが、封書の乗ったトレーとペーパーナイフを渡してくれた。
見たくない封蝋だよ…
「このまま暖炉にくめていいかね、アイビーさんや?」
「お嬢様、不敬ですよ」
渋々封を切り二つ折りの便箋を・・・ぐしゃっ!
「おっ、お嬢様?!」
「半年後に王位継承するから息子もよろしくだとーー!?」
囲い込まれたな……。
「アイビー、旅にでるよ!出発は3日後、期間は半年!」
「お嬢様!3日で旅支度は・・・」
「荷物は最低限でいいわ、必要な物は現地調達すればいいから…。」
「しかし、そんなに長期間の護衛を3日で雇えるとは…」
「護衛は西大陸に渡る港までの10日間でいいわ、長い船旅に護衛は邪魔だし、向こうに渡ってから護衛も新たに雇えばいいしね」
4年間剣術も学び、なかなかの腕前になった。
空手、ボクシング、剣…決して武道派ではないけど、騎士団の新兵ぐらいには負けないな、きっと…。
「とりあえず、明日登城して話しつけてくるわ」
「ローズさんにも連絡お願いしますね」
「・・・忘れてた・・・こっちの方が厄介だった・・・」
ローズは王都で人気のドレスサロンのオーナー兼デザイナーだ。
今は大切なビジネスパートナーなのだが、この話はいずれどこがで……。
結果、王様はあっさり半年の休暇を認めた、もちろん半年後に絶対帰ってくるようにと何度も何度も念を押された…。
あまりしつこいと嫌われると思ったのか、隣国の港までの馬車と護衛を用意してくれた。
案の定、ローズに鬼の形相で迫られ3日間の軟禁、出発は1週間後となった…。
出発の朝、馬車寄せに紋章のない箱馬車と、4人の護衛騎士が入ってきた。
御者が扉を開けると中から一人の男性が降りてきた……。
「ほへっ?」予測不能の出来事に変な声がでた……。
「な、なんで?」
赤髪の美丈夫はにっこり微笑むと、私とアイビーから荷物を取り上げてさっさと馬車に積み込む。
「さぁ、出発しましょ!」
えぇぇぇぇぇ?!
「ちょ、ちょっと待って!一緒に行く気?」
「もちろん、陛下の許可は取ってあります」
「しっ、仕事はどうしたの?辞めた訳じゃないわよね??」
「休暇ですよ」
唖然としてその場から動けずにいると流れるようにエスコートされ、気がついたら馬車の扉は閉められていた。
ゆっくり動きだす馬車、見送るメイドのマリーと料理人のトリヤに手を振ると両手で振り返してきた。
(いってきます…)
目の前には嬉しそうにこちらを見つめるリアム、その横でリアムに睨みを利かせるアイビー…。
「ぷっ、ふふふふ」
「どうしました?お嬢様?」
「な、なんでもないわ、ふふ」
まあ、旅は道連れ、護衛として連れて行ってあげるよ。
さぁ、どんな出会いがあるのか楽しみだな~
なんて呑気に考えていたけど、まさか人生を変える旅になるとは、この時は想像もしなかった。
=======================
「転生女王は政務に励みます」第一章完結後(残り4話)、
短編「元社畜二人の異世界老後プラン」(タイトル仮)を投稿予定です。
そちらも合わせて読んでいただけると嬉しいです。
お金はある、多分一生働かなくても良いぐらいある!
この世界に突然引っ張り込まれ4年半、めっちゃ働いた、いや、働かされた…。
それなりに功績もあげた。
結果、叙爵した…。さすがに領地は辞退したけど…。
くっ、あのオヤジ~!!
さすが一国の長、上手く踊らされた…。
「嵌められたな・・・」
そろそろこの国を出ようと思っていた。
平和でいい国だ、別に嫌いではないよ。
しかし、私の故郷は日本であってこの国に郷愁を感じることはない。
せっかくの異世界、心ゆくまで楽しみたい!
旅の終わりにまた戻ってくればいい、と思っていた…そう、ただ思っていただけ!!
おかしいな~、なぜバレた??
まだ一度も声にしたことはない!…はず…。
「お嬢様、顔が怖いです!」
スモーキーな香りのコーヒーが注がれた大きめのカップがテーブルに置かれた。
最近の楽しみはこれ!!
一年前から帝国経由で輸入されるようになったコーヒー!!
イタリアンローストに似た焙煎の強い豆が主流だ、これも色んなアレンジ加えてコーヒー専門店でも…あぁぁぁぁ!やめやめ!!
こうやって思いついたことに色々手を出した結果がこれだ……。
アイビーが、封書の乗ったトレーとペーパーナイフを渡してくれた。
見たくない封蝋だよ…
「このまま暖炉にくめていいかね、アイビーさんや?」
「お嬢様、不敬ですよ」
渋々封を切り二つ折りの便箋を・・・ぐしゃっ!
「おっ、お嬢様?!」
「半年後に王位継承するから息子もよろしくだとーー!?」
囲い込まれたな……。
「アイビー、旅にでるよ!出発は3日後、期間は半年!」
「お嬢様!3日で旅支度は・・・」
「荷物は最低限でいいわ、必要な物は現地調達すればいいから…。」
「しかし、そんなに長期間の護衛を3日で雇えるとは…」
「護衛は西大陸に渡る港までの10日間でいいわ、長い船旅に護衛は邪魔だし、向こうに渡ってから護衛も新たに雇えばいいしね」
4年間剣術も学び、なかなかの腕前になった。
空手、ボクシング、剣…決して武道派ではないけど、騎士団の新兵ぐらいには負けないな、きっと…。
「とりあえず、明日登城して話しつけてくるわ」
「ローズさんにも連絡お願いしますね」
「・・・忘れてた・・・こっちの方が厄介だった・・・」
ローズは王都で人気のドレスサロンのオーナー兼デザイナーだ。
今は大切なビジネスパートナーなのだが、この話はいずれどこがで……。
結果、王様はあっさり半年の休暇を認めた、もちろん半年後に絶対帰ってくるようにと何度も何度も念を押された…。
あまりしつこいと嫌われると思ったのか、隣国の港までの馬車と護衛を用意してくれた。
案の定、ローズに鬼の形相で迫られ3日間の軟禁、出発は1週間後となった…。
出発の朝、馬車寄せに紋章のない箱馬車と、4人の護衛騎士が入ってきた。
御者が扉を開けると中から一人の男性が降りてきた……。
「ほへっ?」予測不能の出来事に変な声がでた……。
「な、なんで?」
赤髪の美丈夫はにっこり微笑むと、私とアイビーから荷物を取り上げてさっさと馬車に積み込む。
「さぁ、出発しましょ!」
えぇぇぇぇぇ?!
「ちょ、ちょっと待って!一緒に行く気?」
「もちろん、陛下の許可は取ってあります」
「しっ、仕事はどうしたの?辞めた訳じゃないわよね??」
「休暇ですよ」
唖然としてその場から動けずにいると流れるようにエスコートされ、気がついたら馬車の扉は閉められていた。
ゆっくり動きだす馬車、見送るメイドのマリーと料理人のトリヤに手を振ると両手で振り返してきた。
(いってきます…)
目の前には嬉しそうにこちらを見つめるリアム、その横でリアムに睨みを利かせるアイビー…。
「ぷっ、ふふふふ」
「どうしました?お嬢様?」
「な、なんでもないわ、ふふ」
まあ、旅は道連れ、護衛として連れて行ってあげるよ。
さぁ、どんな出会いがあるのか楽しみだな~
なんて呑気に考えていたけど、まさか人生を変える旅になるとは、この時は想像もしなかった。
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「転生女王は政務に励みます」第一章完結後(残り4話)、
短編「元社畜二人の異世界老後プラン」(タイトル仮)を投稿予定です。
そちらも合わせて読んでいただけると嬉しいです。
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