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美津子再会する
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またしてもじいちゃん医師のお世話になった…。
ダリアの身体は繊細だった、包帯でぐるぐる巻かれた右手と右足を眺めながら
ため息、反省してます・・・。
包帯が取れ、部屋から出る許可も降りたので庭園を散歩したり、図書室へ行ったりとのんびり過ごしている。
王様はゆっくり考えればいいというけど
そろそろ先のこと考えないとな~と思っていたら、面会の申し込みがあった。
この世界に友達もいないし、誰かな?と申請書をみると、名前の欄にリアムとあった。誰???とりあえず暇なんで了承したらその日の午後にやってきた。
高身長で赤髪短髪、グレーの目、ヒョロヒョロではない。
気恥ずかしそうに目を伏せて時々チラッとこちらを見る、ますます誰??
とりあえず座ってもらって、アイビーがお茶をいれる。
リアムと名乗ったその青年は第二王子の近衛騎士だったと自己紹介した。
じーっとリアムの顔を観察する、むむっ!?グレーの目に見覚えが!!
「あぁぁぁ~!!私の肘を捻り上げたクソ野郎!!」
そうだあの時は兜みたいのを被ってたから髪色わからなかったし、裏拳くらって鼻押さえてたから顔なんて覚えていない!!
彼はわたわたと立ち上がり「すみませんでした!」と何度も何度も頭を下げた。
もう断罪は終わった、これが乙女ゲームなら彼はモブ、これ以上責めても仕方ないので座るよう勧めた。
少し落ち着いたリアムはゆっくり、自分のこと、王子のこと、ダリアとの関わりについて話し始めた。
リアムは21歳、伯爵家の次男で第二王子の高等部入学のタイミングで近衛騎士に抜擢された。
さっきはモブっていったけど、うそです!すみません!!赤髪、騎士、精悍な顔立ち、乙女ゲームなら隠しキャラ?
テンプレコンプリートしたよ…。おっと、また思考が脱線してしまった…。
王子が高等部2年、リリーが入学して間もなく王子の様子に変化があった。
王子は勤勉ではなかったが、剣の修練は真面目に取り組んでいた。それが、放課後や、休みの度にリリー達と連れ立ってお忍びで街に繰り出したり城の私室にリリーを連れ込んだりと、どんどん怠惰になり剣を握ることも少なくなった。
自分は護衛なのにやたら慣れなれしく身体に触ったり距離が近いリリーが苦手だったそうだ。
婚約者のダリアに贈り物ひとつしないのに、街に行くたびドレスやアクセサリーを贈りリリーの機嫌をとっていた・・・と、小僧!!辺境に左遷ぐらいじゃ甘かったんじゃないか?!
ダリアの不遇な境遇を知っていたが何もできず申し訳なかったと、また詫びられた。職務を全うしただけの彼に特に怒りも湧かないので謝罪を受け入れました、、が、、、
まさかこの人一言謝るだけの為にわざわざ申請してまで会いにきたの??
「では、これで」と話を切り上げようとすると「あっ、え~と、その~」
「まだなにか?」
彼は突然部屋を出て行った、へっ??
と、思ったらすぐ戻ってきた。
彼の手には小さな紫の花束があった。
「これをあなたに、みつこ嬢」よくわからないが、差し出されたので条件反射で受け取った。
なんでもじもじしてるの?!目元もほんのり赤いんですけど!!
いやいやいや、まてまてまて、どこにも恋愛フラグはたってないはずだ!!!
「俺、強い女性が好きだったみたいです!」
爆弾発言のあと照れ笑いして足早に退室した。
裏拳くらって変な性癖にめざめたか??
ぐったりとソファーに身体を預けた。
「疲れた~」
カップを片付けてながらアイビーがボソッと呟く「紫のパンジーって・・・」
「アイビー、な~に~?」
「確か、花言葉は[あなたのことで頭がいっぱい]だと・・・」
うん、そろそろお城でるのにいい頃合いだ・・・。
========================
次回本編完結です。
ダリアの身体は繊細だった、包帯でぐるぐる巻かれた右手と右足を眺めながら
ため息、反省してます・・・。
包帯が取れ、部屋から出る許可も降りたので庭園を散歩したり、図書室へ行ったりとのんびり過ごしている。
王様はゆっくり考えればいいというけど
そろそろ先のこと考えないとな~と思っていたら、面会の申し込みがあった。
この世界に友達もいないし、誰かな?と申請書をみると、名前の欄にリアムとあった。誰???とりあえず暇なんで了承したらその日の午後にやってきた。
高身長で赤髪短髪、グレーの目、ヒョロヒョロではない。
気恥ずかしそうに目を伏せて時々チラッとこちらを見る、ますます誰??
とりあえず座ってもらって、アイビーがお茶をいれる。
リアムと名乗ったその青年は第二王子の近衛騎士だったと自己紹介した。
じーっとリアムの顔を観察する、むむっ!?グレーの目に見覚えが!!
「あぁぁぁ~!!私の肘を捻り上げたクソ野郎!!」
そうだあの時は兜みたいのを被ってたから髪色わからなかったし、裏拳くらって鼻押さえてたから顔なんて覚えていない!!
彼はわたわたと立ち上がり「すみませんでした!」と何度も何度も頭を下げた。
もう断罪は終わった、これが乙女ゲームなら彼はモブ、これ以上責めても仕方ないので座るよう勧めた。
少し落ち着いたリアムはゆっくり、自分のこと、王子のこと、ダリアとの関わりについて話し始めた。
リアムは21歳、伯爵家の次男で第二王子の高等部入学のタイミングで近衛騎士に抜擢された。
さっきはモブっていったけど、うそです!すみません!!赤髪、騎士、精悍な顔立ち、乙女ゲームなら隠しキャラ?
テンプレコンプリートしたよ…。おっと、また思考が脱線してしまった…。
王子が高等部2年、リリーが入学して間もなく王子の様子に変化があった。
王子は勤勉ではなかったが、剣の修練は真面目に取り組んでいた。それが、放課後や、休みの度にリリー達と連れ立ってお忍びで街に繰り出したり城の私室にリリーを連れ込んだりと、どんどん怠惰になり剣を握ることも少なくなった。
自分は護衛なのにやたら慣れなれしく身体に触ったり距離が近いリリーが苦手だったそうだ。
婚約者のダリアに贈り物ひとつしないのに、街に行くたびドレスやアクセサリーを贈りリリーの機嫌をとっていた・・・と、小僧!!辺境に左遷ぐらいじゃ甘かったんじゃないか?!
ダリアの不遇な境遇を知っていたが何もできず申し訳なかったと、また詫びられた。職務を全うしただけの彼に特に怒りも湧かないので謝罪を受け入れました、、が、、、
まさかこの人一言謝るだけの為にわざわざ申請してまで会いにきたの??
「では、これで」と話を切り上げようとすると「あっ、え~と、その~」
「まだなにか?」
彼は突然部屋を出て行った、へっ??
と、思ったらすぐ戻ってきた。
彼の手には小さな紫の花束があった。
「これをあなたに、みつこ嬢」よくわからないが、差し出されたので条件反射で受け取った。
なんでもじもじしてるの?!目元もほんのり赤いんですけど!!
いやいやいや、まてまてまて、どこにも恋愛フラグはたってないはずだ!!!
「俺、強い女性が好きだったみたいです!」
爆弾発言のあと照れ笑いして足早に退室した。
裏拳くらって変な性癖にめざめたか??
ぐったりとソファーに身体を預けた。
「疲れた~」
カップを片付けてながらアイビーがボソッと呟く「紫のパンジーって・・・」
「アイビー、な~に~?」
「確か、花言葉は[あなたのことで頭がいっぱい]だと・・・」
うん、そろそろお城でるのにいい頃合いだ・・・。
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次回本編完結です。
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