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美津子やっぱりブチギレる
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あのパーティーの夜から半月、今日は謁見の間に呼び出された。
広間に入るとリリーとヒョロ男達4人が後ろ手に縛られひざをついた状態で横一列に並んでいた。
護衛騎士に促せ5人の前まで歩を運び、
宰相さんの横に立ち5人に視線を落とす。
4人は項垂れていて、表情は読めないが、やつれていて服装も素朴な生成り色の上下、卒業パーティーの夜のキラキラオーラは消え失せ、見る影もない…。
そしてリリー、怖っ!!射殺す気か!!
憎悪に満ちた目でこちらを睨んでいる。
はぁー?逆ギレか??こいつに恨まれる筋合いはない!!!
こんな小娘に睨まれても屁の河童だけどね~。
鬱陶しいリリーの視線を外し宰相さんの反対隣に視線を移すと数人の書類をもった文官らしき人達の中に一人、仕立ての良い服を着たダリア父がいた。
目があうとバツが悪そうに視線を逸らしすが、チラッと見ては逸らす、またチラッ見ては慌てて逸らすを繰り返す。こちらも鬱陶しいので放置して正面をみる。
書類を渡された宰相さんが事件の時系列と、事実関係をよく通る声で読み上げていく。
時系列はパーティーの夜から始まった。
卒業を祝いにサプライズで会場入りした王と王妃、異様な雰囲気を感じ会場中央まで足速に進み、騎士に抱かれ意識のないダリアを発見する。
ダリアをすぐ医務室に運ばせ、5人に話を聞こうとしたが、4人は呆然と立ち尽くし、リリーはこそこそと4人の後ろに隠れる。
埒があかないので会場にいた王子の侍従と近衛騎士に事情聴取が行われ、パーティーは中止、生徒は帰宅させられた。
リリーは自分は関係ないと図々しく帰ろうとしたらしい、ドン引きだ!!
騒ぐリリーに、やっと正気を取り戻した4人が責め寄る。取っ組み合いになり、騎士に取り押さえられる。う~わっ!カオス…。
5人はそのまま牢へ、今日に至る。
ふむふむ、半月の牢生活、貴族のボンたちにはさすがに堪えたろう。
その後、王が調査を命令、王家の調査と学友の証言から等から全てリリーの妄言だと判明。
ダリアとリリーの接点はなく、(唯一
の接点は5人がダリアに絡みに来る時だけ)もちろん圧力をかけリリーを孤立させた事実なんてない。
5人を取り囲む人々はみんな不愉快そうに顔をしかめる。
次の紙を文官から受け取った宰相さんは
一拍間をおいて処罰を言い渡す。
冷たい目で王子を見下ろし「王命の婚約を衆人の前で勝手に破棄するなど言語道断!!」と強い口調で言い放つ。
びっ、びっくりした~、肩ピクッとしちゃったよ…。
王位継承権剥奪 辺境へ5年、軍に従事すること。
婚約は白紙撤回、もちろん王子の有責で。
慰謝料は王子の個人資産から払われ、
足りない分で王室予算から貸し付け、
もちろん利息付き。
リリーと出会って相当散財したようで、個人資産はほとんどなかったとか。
きちんと返済しなさいよ!
慰謝料は侯爵家ではなくダリア本人に支払われることになった。
もらうの美津子だけどね!!
宰相息子、名前呼ばれてたけど面倒なので覚えてない。息子に沙汰をくだす宰相さん辛そうだ。伯爵家の長女さんとの婚約は破棄され多額な慰謝料の請求があったそうだ。こちらも相当リリーに貢いてたらしく個人資産はなし、慰謝料を払えるわけもない。そうそう、ダリアへの慰謝料も上乗せされましたよ!
兄の治める領地でほぼ無給で働くことになった。王都への立ち入りは禁止された。キリキリ働けよ!!
ショタは伯爵子息だったが学園退学、子供のいない遠縁の子爵家に養子にだされることになった。
もちろんダリアへ慰謝料支払いと王都出禁が命じられた。
紺髪はさほどダリアに絡んでなかったことが判明。
いつも5人で一緒にいたがダリアに暴言を吐くこともなく、ただリリーとイチャコラしてただけ、ってなんだこのチャラ男…。お咎めはなかったが、外聞が悪い…ので宮中魔術士の道は閉ざされた。
リリーは全員と肉体関係あり、この4人以外にも街のチンピラみたいな奴らとも関係があったとか、どんだけビッチなんだ、おいっ!もちろん学園は退学、貧しい家のため慰謝料の支払いは無理らしい。
妊娠してないことが確認できたら、厳しい修道院に送られることになった。
ふーっと息を吐き、色んな感情と折り合いをつける。
直接的な暴力はなかった、しかし心ない言葉の暴力が癒えない傷をダリアの心に刻んだ。
頭のおかしい一人の少女に踊らされた4人の愚者、そんな愚か者たちの犠牲になったダリア・・・。
重苦しい空気が場をつつんだ・・・。
10代にしては重い罪だろう、しかし一人の少女の命の代償には足りん!!
宰相さんがトントンと2回私の肘に肘をあてる。はい、これ合図ですね、いいんですね、ちらっと宰相さんを見上げる。
コクっと顎をひく宰相さん、ちらっと後を振り向くとニヤッと悪い笑顔の王様
…はい、お墨付きいただきましたー!!
ツカツカ前に出て、男四人に肘打ちをくらわし床に転がす。
間髪入れずにその横腹を蹴り上げた。
そしてゆっくり振り返りニッコリ微笑んでリリーに歩み寄る。
何が起こっているのか理解できずパニックになっているリリーの顔が次第に恐怖に染まる。
リリーの右脇に腕を差し入れ立たせ、右フック、その返しで右頬に裏拳をくらわした!
ポイっと床に捨てるとぎゃんぎゃん泣き出した。
腫れた両頬に、涙と鼻水でぐしゃぐしゃのリリーはブスだった。
==========================
リリーの生い立ちは番外編でm(_ _)m
広間に入るとリリーとヒョロ男達4人が後ろ手に縛られひざをついた状態で横一列に並んでいた。
護衛騎士に促せ5人の前まで歩を運び、
宰相さんの横に立ち5人に視線を落とす。
4人は項垂れていて、表情は読めないが、やつれていて服装も素朴な生成り色の上下、卒業パーティーの夜のキラキラオーラは消え失せ、見る影もない…。
そしてリリー、怖っ!!射殺す気か!!
憎悪に満ちた目でこちらを睨んでいる。
はぁー?逆ギレか??こいつに恨まれる筋合いはない!!!
こんな小娘に睨まれても屁の河童だけどね~。
鬱陶しいリリーの視線を外し宰相さんの反対隣に視線を移すと数人の書類をもった文官らしき人達の中に一人、仕立ての良い服を着たダリア父がいた。
目があうとバツが悪そうに視線を逸らしすが、チラッと見ては逸らす、またチラッ見ては慌てて逸らすを繰り返す。こちらも鬱陶しいので放置して正面をみる。
書類を渡された宰相さんが事件の時系列と、事実関係をよく通る声で読み上げていく。
時系列はパーティーの夜から始まった。
卒業を祝いにサプライズで会場入りした王と王妃、異様な雰囲気を感じ会場中央まで足速に進み、騎士に抱かれ意識のないダリアを発見する。
ダリアをすぐ医務室に運ばせ、5人に話を聞こうとしたが、4人は呆然と立ち尽くし、リリーはこそこそと4人の後ろに隠れる。
埒があかないので会場にいた王子の侍従と近衛騎士に事情聴取が行われ、パーティーは中止、生徒は帰宅させられた。
リリーは自分は関係ないと図々しく帰ろうとしたらしい、ドン引きだ!!
騒ぐリリーに、やっと正気を取り戻した4人が責め寄る。取っ組み合いになり、騎士に取り押さえられる。う~わっ!カオス…。
5人はそのまま牢へ、今日に至る。
ふむふむ、半月の牢生活、貴族のボンたちにはさすがに堪えたろう。
その後、王が調査を命令、王家の調査と学友の証言から等から全てリリーの妄言だと判明。
ダリアとリリーの接点はなく、(唯一
の接点は5人がダリアに絡みに来る時だけ)もちろん圧力をかけリリーを孤立させた事実なんてない。
5人を取り囲む人々はみんな不愉快そうに顔をしかめる。
次の紙を文官から受け取った宰相さんは
一拍間をおいて処罰を言い渡す。
冷たい目で王子を見下ろし「王命の婚約を衆人の前で勝手に破棄するなど言語道断!!」と強い口調で言い放つ。
びっ、びっくりした~、肩ピクッとしちゃったよ…。
王位継承権剥奪 辺境へ5年、軍に従事すること。
婚約は白紙撤回、もちろん王子の有責で。
慰謝料は王子の個人資産から払われ、
足りない分で王室予算から貸し付け、
もちろん利息付き。
リリーと出会って相当散財したようで、個人資産はほとんどなかったとか。
きちんと返済しなさいよ!
慰謝料は侯爵家ではなくダリア本人に支払われることになった。
もらうの美津子だけどね!!
宰相息子、名前呼ばれてたけど面倒なので覚えてない。息子に沙汰をくだす宰相さん辛そうだ。伯爵家の長女さんとの婚約は破棄され多額な慰謝料の請求があったそうだ。こちらも相当リリーに貢いてたらしく個人資産はなし、慰謝料を払えるわけもない。そうそう、ダリアへの慰謝料も上乗せされましたよ!
兄の治める領地でほぼ無給で働くことになった。王都への立ち入りは禁止された。キリキリ働けよ!!
ショタは伯爵子息だったが学園退学、子供のいない遠縁の子爵家に養子にだされることになった。
もちろんダリアへ慰謝料支払いと王都出禁が命じられた。
紺髪はさほどダリアに絡んでなかったことが判明。
いつも5人で一緒にいたがダリアに暴言を吐くこともなく、ただリリーとイチャコラしてただけ、ってなんだこのチャラ男…。お咎めはなかったが、外聞が悪い…ので宮中魔術士の道は閉ざされた。
リリーは全員と肉体関係あり、この4人以外にも街のチンピラみたいな奴らとも関係があったとか、どんだけビッチなんだ、おいっ!もちろん学園は退学、貧しい家のため慰謝料の支払いは無理らしい。
妊娠してないことが確認できたら、厳しい修道院に送られることになった。
ふーっと息を吐き、色んな感情と折り合いをつける。
直接的な暴力はなかった、しかし心ない言葉の暴力が癒えない傷をダリアの心に刻んだ。
頭のおかしい一人の少女に踊らされた4人の愚者、そんな愚か者たちの犠牲になったダリア・・・。
重苦しい空気が場をつつんだ・・・。
10代にしては重い罪だろう、しかし一人の少女の命の代償には足りん!!
宰相さんがトントンと2回私の肘に肘をあてる。はい、これ合図ですね、いいんですね、ちらっと宰相さんを見上げる。
コクっと顎をひく宰相さん、ちらっと後を振り向くとニヤッと悪い笑顔の王様
…はい、お墨付きいただきましたー!!
ツカツカ前に出て、男四人に肘打ちをくらわし床に転がす。
間髪入れずにその横腹を蹴り上げた。
そしてゆっくり振り返りニッコリ微笑んでリリーに歩み寄る。
何が起こっているのか理解できずパニックになっているリリーの顔が次第に恐怖に染まる。
リリーの右脇に腕を差し入れ立たせ、右フック、その返しで右頬に裏拳をくらわした!
ポイっと床に捨てるとぎゃんぎゃん泣き出した。
腫れた両頬に、涙と鼻水でぐしゃぐしゃのリリーはブスだった。
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リリーの生い立ちは番外編でm(_ _)m
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