陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第六集

晴明大祭▽

    

   9月26日。毎年この日は、紫苑達の一族，安倍・土御門一族が京都の一条に集まる。そして、直系の人間は全員、京都晴明神社に行き、直系家系の子女が安倍晴明に舞の奉納をするのだ。



      本家の現当主である清秋の祝詞の詠唱も終えた今、紫苑は舞が行われる本殿の前に居た。

スッ、



紫苑が腕を上げる。すると


チリン、と鈴の美しい音が響いた。

その音色を合図に、雅楽の演奏が始まった。



～♪～♪



美しい音の旋律に合わせるように、紫苑が舞う。




その様はとても綺麗で。まるで、紫苑に舞の女神が憑依して居るかのようだった。