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*弐ー②

第五集 告白

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各々が話を終えた時だった。紫苑が口を開いたのは。





 紫苑「皆さんにお話ししなければならない事があります。」



紫苑「私には、ある秘密があります。それは...」 




   

    紫苑「私が葛の葉姫の玉の保有者だという事です。」



「姫が玉の...?!」


 「まさか...!?」


「玉の気など感じなかったぞ...?」



   当主達が驚くのも無理はなかった。龍や霊狐の玉というのは、常の人間ならば話は別だが、霊力を持った人間であれば霊力の弱い強いに関係なく玉の気を感じることができる。それ程強い気を持つ宝珠なのだ。   



 紫苑「葛の葉玉の気を感じなかったのは、私の体内に玉が封印されていたからです。先日の闘いの際、その封印を解き玉の力を使って闘いました。」





  そして、清秋,正明,光留,癒良以外の当主達は闘いの時に九尾に霊力と精気を吸われて倒れていた為、紫苑が玉を解放した際のことは知らないのだ。





 紫苑「しかし、それももう過去の話です。私は葛の葉姫に玉をお返ししましたから。」



  「姫!なぜそのような。玉をお返ししなくとも、姫の体内から取り出した後に蔵に保管しておけばよろしかったのでは!?」




  東京分家当主「そうです!一族の事を考えても、玉は保管しておいた方がいい。そうすれば、危機が訪れた時、再び玉が我々を救ってくれるでしょう!」

  


  そう発言した二人の当主と、清秋,正明,光留,癒良以外の当主達はそうだと言わんばかりに深く頷く。それを見ていた清秋達と康名は訝しげに眉をひそめた。




 清秋,光留,康名(本当にあの玉をいつまでも人間の霊力で保持していけると思っているのか?)



  正明(馬鹿な人達ですね。実際にあれの力を目の当たりしていないからそうゆう事が言えるんですよ。)

  
 
癒良(あいつらアホやわ。あの玉は蔵どころか下手したら家ごとふっ飛ぶ程の威力あるんやから、いつまでも置いておけるわけないやろ。)





 紫苑「私が一族の事を何も考えていないとでも?」


「いっ、いえ!そんな事は!」




  直系の姫で霊力の強い紫苑を怒らせてしまったと思った当主達は、しどろもどろになりながらもそんなつもりはない。と否定した。





  紫苑「あの玉は、人間の手元にある事自体が間違いなんですよ。それだけ使い方を誤ると危険なものなんです。あなた方はそれをお解りですか?」





 紫苑に事の重さを指摘された当主達は、何も言えなくなり、そのまま押し黙ってしまった。





清秋「では、これにて話会を終了する。」

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