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*弐ー②

第五集 告白

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紫苑「今から話す事は、まだ誰にも話していない事よ。」



  そう言うと、紫苑は何かを思い返すかのような表情で話しはじめた。 



紫苑「私が自分は玉の持ち主だって気づいたのは、中学生の時だったの....」



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紫苑「自分が葛の葉姫の玉の持ち主だと知る事となった日の夜、私は夢を見てた。」





紫苑(ここはどこだろ...)





 紫苑「 その夢は、夢だと思えないくらいリアルだった。だけど、見える景色は私が見慣れた現代のものじゃなくて、時代劇や大河ドラマで見るような光景だったわ。」



  紫苑「夢の中で、私は森の中に立ってた。その森には、一軒家くらいの広さの社と鳥居があってね。そこに二人の人影が見えたの。」




 





 葛の葉「晴明、お前ももう十五。人間の男ならば、成人の歳であろう。」



    晴明「はい。」



  紫苑(晴明?じゃあ、あの男の子は子どものころの晴明公なんだ。それにあの女の人...髪が白いだけじゃなくて耳と尻尾が生えてる...尻尾は9本だし、もしかして葛の葉姫...?)





 葛の葉「私は白狐でそなたは人間。種族は違うけれど、私はそなたのことを本当の子どもや孫のように可愛く思っています。」




  葛の葉「だから離れるのは本当に淋しいわ。でも、人間は人間の世界で生きるのが一番良いの。だからせ、今日でお別れよ。」




 晴明「葛の葉姫....」



 葛の葉「だけど私は、貴方に私達と過ごした日々の事、忘れて欲しくない。だからこれを持っていきなさい。」




  晴明「! 葛の葉姫!これは霊狐族の玉では?!こんなすごいもの、人間の僕がもらうわけには...」



  葛の葉姫「これはね、人間界で伝えられるような宝玉とは違うの。この玉はね、私の気を固めたものよ。」




  晴明「葛の葉姫の...天狐の気を?!それならなおさらもらうわけには....」




  葛の葉姫「晴明。天狐,葛の葉が予言するわ。貴方はその強い霊力と天文と呪術の知識を活かして陰陽師となる。そしていずれは、皇族の病の原因を言い当てるなどの功績を立てることとなるのよ。」




    晴明「僕が....?」










紫苑「こうして晴明公は葛の葉姫の玉を受け取ったの。話はまだ長いから、少し休憩しましょう。」




そう言うと、紫苑は使用人が運んできた茶を一口口に運んだ。


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