陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

＊弐ー②

第四集：野望

*唯幸視点*
　　　


　　　私と安倍の宗家は、何かあったらいつでも協力出来るようにと互いの霊力を篭めた符を交換しあい、度々それを介して連絡を取り合っていた。勿論、他の人には察知されないよう術をかけて。




唯幸[何か変わった事はありましたか。]


　
　清秋[変わった事ね....多過ぎて何から話せば良いのかわからないんですが]



　　　　安倍の宗家は、苦笑交じりの声色でそう告げた。




　清秋[１番最近だと、魂替えの祭りが何者かによって行われた、という事ですかね。まあ、"何者か"といっても犯人の目星はついてますが。]



唯幸[た、魂替えの祭りですか？！あれはかなり難易度の高い禁術のはずでは...]



　唯幸[...犯人の目星はついている。とおっしゃいましたよね。]

　

　清秋[ええ。]

　
唯幸[では、誰がそんな事を...]


　　清秋[おそらくは本家先々代当主、安倍　増輝。]



唯幸[先々代...?!それではその方は...]



　清秋[ええ。俺と紫苑の実の祖父です。]









ーーそして最後に連絡を取り合った日の翌日。それは起こった。