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*弐ー②

第四集:野望

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*癒良視点*



  闘いながらも俺は紫苑の方を見とった。紫苑は小さい時から霊力は強かったんやけど、ちょっと前までは攻撃とかに隙があったんや。でも、久々に紫苑の闘いかたを見とったら...その隙がなくなっとった。


  闘っとる最中、正明から今まで以上の強い霊力を感じた俺は、必死に攻撃を防ぎながら正明の方を見た。そしたら...



 正明「天壇招置。」



癒良(て、天壇?!招置ちゅうことは、天壇をここにもってくる気かいな?!)




  増輝「ついに土御門の秘術を出してきたか。」




 正明は天壇に宿る四神すべてを喚ぶと、朱雀を自分の体に憑依させおった! ほんで正明は、自分の体に憑依させた朱雀の技を使うと、朱雀の炎で本家の先々代を攻撃したわ。 その攻撃は本家の先々代にも効いたみたいで、本家の先々代は手に火傷しとった。 

そんでそれに追い撃ちかけるみたいに清秋が十二将神を召喚して本家の先々代を攻撃したんや。さすがに神からの連続攻撃には参ったのかと思ったんやけど、本家の先々代はまた、霊力回復の札を飲み込んで霊力を回復させよった!





  紫苑「癒良。」

それからしばらくすると、紫苑が俺に話しかけてきた。


癒良「なんや?」 

  紫苑は俺に近づくと、俺の耳に自分の口を近づけた。


癒良(って!////紫苑との距離...めっちゃ近いやん////!このまま俺が横向いたら、キスできそうや....)

  (って!////なに考えてんねん!俺!今は闘いの最中やぞ?!)




 そんなことを考えとったら、紫苑が話しかけてきた。
  

 紫苑『太極創成の術をやろう。』


癒良『なんで太極創成の術を今やるんや?』


 紫苑『あの人の心は、完全に陰に染まってる。でも、人間の心は本来は陰の気と陽の気が混ざり合ってるもの。だから、太極の気をあの人に向ければ、あの人の心を本来の状態に戻せるから殺さずに決着を付ける事ができると思って。』


 
 癒良『なるほどな。』



俺は、前に太極創成をした時みたいに、紫苑の手を握って紫苑と背中合わせになった。




 癒良,紫苑「「男の気,陽、女の気,陰。この気合わさりて太極となさん...太極創成。」」



 紫苑と俺が霊力を合わせると、頭上に巨大な光の太極図ができた。その太極図を本家の先々代当主にぶつけた。やけど、先々代当主はそれを防いだからなんともなかった。それを見とった紫苑が、手にもっとた金行符からナイフを取り出して自分の腕を傷つけた。




 紫苑「っ、!」



癒良「紫苑...?!なにしてんねん?!」




紫苑は自分の腕からでた血を胸元にもっててその血で胸に桔梗紋を描いとった。



  紫苑「安倍晴明の末裔,陰陽師・安倍 紫苑の名において、我が身に封ぜられし天狐の玉を解放す。」




 紫苑が呟くと、紫苑の胸元が光りはじめた。


しばらくして光りがなくなると、紫苑の手には透明な水晶が握られとった。


 ふいに、なにかが切られた音が響いた。俺含め全員が音のした方を見た。ほしたら...



 癒良,紫苑,光留,康名,唯幸,芦屋「「「「「「「!?」」」」」」」



 本家の先々代当主が清秋の両腕をを斬りつけとった!が斬りつけられたのを見た紫苑は、怒りの形相と涙を浮かべながらこう言った。



 紫苑「玉の保有者たる、安倍・土御門一族の姫,安倍 紫苑が命ずる。本家先々代当主,安倍 増輝を攻撃せよ!」


 
  紫苑がそう言うと、本家の先々代に向かって光の矢が飛んで行くのが見えた。嘘や!そんな。あの表情は、本気で殺そうとしとる!紫苑がそんなことするやなんて、信じられへん...!




 紫苑が水晶の力を使って放った光の矢は、たしかに先々代の心臓めがけて刺さったように見えた。やけど、よく見たら倒れた先々代の指が、わずかやけど動いとるのが見えた。


癒良(よかった。本家の先々代は死んでへんのやな。)





  好きな子に人殺しなんかさせたないしな。






  紫苑「あ...」


紫苑の方を見ると、ハッとして青ざめた顔をしていた。体もめっちゃ震えとる。あたりまえか。危うく身内を殺すところやったんやから.....




清秋が痛々しい怪我を負った腕を引きずりながら先々代にかけ寄って、その体を起こし心臓の音やら息遣いの音やら確認しとる。




 清秋「生きてはいる。一応、な。」


生きているのを確認した清秋は、その場に倒れてもうた。


 正明「宗家!」


癒良,康名「清秋!」


 紫苑「清秋兄ちゃん!」



 光留,癒良「紫苑!」


康名「紫苑ちゃん!」



  そんで、清秋が倒れたのを目の前で見た紫苑は、その場に倒れ込でしまった。
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