陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

＊弐ー②

第四集：野望

　茨木童子｢あ～！何勝手に傷治しちゃってるの？!まだ血、なめてさえいないのに～！｣

ようやく拘束札の拘束から逃れることの出来た茨木童子は、完全に血の止まっている紫苑の肩を見て頬を膨らませた。そのさまは、まるで拗ねているこどものようだ。


   癒良｢うっさい。お前みたいな変態の鬼に紫苑の血ぃ舐めさせてたまるかいな。｣




　　　茨木童子｢もう怒ったぞ！｣


　　そう言うと、茨木童子は背中に背負っていた風呂敷の結び目を解き、そこから自分の身長程もある大きな金棒を取り出した。金棒には、無数の茨が巻き付いている。

　茨木童子｢おりゃっ!｣


　茨木童子はさきほどの茨鞭と同様、何度も金棒を振りかざす。紫苑達は力を合わせて強度の高い結界を張り、それを防いだ。清秋は炎虎を式符から出すと、茨木童子に向かって炎虎を飛ばした。



　　　茨木童子｢うわあぁあ！｣


炎虎の炎で身を焼かれた茨木童子は、その炎によって滅せられた。



清秋｢っ...！｣


　　清秋は危うく膝をつきそうになるが、何とか持ちこたえた