陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第三集

3．湯上り美人ー癒良視点

   ある金曜日。佳陽と佳王の件以来は特に変わった事もなく、紫苑はいつも通り本家に泊まりに来ていた。(何かあった時の為、各家の当主が交代で泊まりには来ていた。*この日は、大阪分家当主である癒良の当番の日。)　




紫苑｢はー、いい湯だった。｣


　　紫苑が廊下を歩いていると、角で癒良に会った。



紫苑｢あ、癒良!お疲れ。｣


　癒良｢紫苑。...っ、｣
(う、うわ!なんや色っぽいな。風呂上がりの女の子って)


　　紫苑は、浴衣を着ていた。そして、まだ濡れている髪からは、雫が滴り落ちていた。


　癒良(我慢できへん....)


　癒良｢なあ、紫苑。髪の毛触ってもええか？｣



紫苑｢え？別にいいけど。｣


　　そう言うと、紫苑は癒良に近づく。紫苑の髪はセミロングなので、近づかないと触ることが出来ないからだ。



サラ....



　癒良(あいかわらず、さらさらやな。紫苑の髪は。て!近すぎやろ////!うわ、紫苑の髪のにおい...もろに伝わるやん。これ以上触ったらやばい。顔も近いし、キスしたくなってまう...) 


　　癒良(でも、今キスしたら、自分の欲望をとめられんようになってまう。)



紫苑｢ね、私も癒良の髪、触ってもいい？｣


　　癒良｢ええで。｣


サラ...



紫苑｢　癒良の髪ってさ、天パなのにすごいさらさらだよね。どんなシャンプー使ってるの？｣



　癒良｢別にふつうのシャンプーとリンスやけど？｣


紫苑｢そうなんだ。今度どこのメーカーのか教えてよ。｣


　癒良｢別にええよ。｣
(って!それじゃ俺と紫苑が同じにおいがするようになるやん////!)