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第ニ集
2.双子の企みー③
しおりを挟む紫苑の狩衣に張り付いていた札が、光を放った。
水蘭「主!」
そして、その符からは
紫苑「すい...らん。何でここに?」
紫苑の式神の内のひとり・水蘭が現れた。
水蘭「竜巻が起きた直後、主が倒れる前、式符に入って主の服に張り付いていたんです。」
紫苑「そう...ありがとう。水蘭。」
水蘭「いいえ。式神として、当然の事をしただけです。他の式神は、家を守るために残っています。」
佳王「ちょっと、式神くん。良いところなんだから、邪魔しないでよ。」
佳陽「そうだよ。空気の読めない式だね、全く。」
水蘭「良いところ?私には、主が嫌がっているようにしか見えなかったが?」
佳王「嫌よ嫌よも好きの内って言うだろ。」
佳陽「そうだよ、僕等のこと好きになるかもしれないじゃん。」
紫苑「私はあんた達を好きになんかなんないわよっ!絶っ対!」
水蘭「ひとまず、ここから逃げましょう。」
紫苑「そうね。」
佳陽「逃がさないよ!」
佳王「姫も手に入れて、姫の式神も手に入れてやる!」
水蘭「馬鹿め。そんな術で一時的に強くしただけの力で、龍に勝てるとでも?水針!」
佳王・佳陽「「うああぁ!」」
水蘭は、紫苑が佳王達の方をじっと見ているのに気がついた。
水蘭「 主、あのふたりが心配なのですか?大丈夫。そんなにひどい怪我ではない。一日もすれば治ります。」
紫苑「そう。よかった。」
水蘭(本当に、お優しい方だ。身内とはいえ、いや。身内だからこそあんな事されたら嫌なはずなのに...その相手をあんなに心配するとは。)
こうして、水蘭に助けられた紫苑は、水蘭と共に家に戻った。
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