雪白姫

弐

ある日。黒玉は術を使い体調の悪いふりをした。殿様に術をかけようか迷ったが、城の侍や腰元怪しまれないよう自分が体調の悪いふりをした。


殿様｢黒玉…！黒玉…大丈夫か？！｣


黒玉｢殿。大丈夫ですわ。しかし殿…いつ体調が悪くなるか分かりませぬ。これは妖術によるもの。私の症状には、“乙女の摘んだ薬草"が効きまする。｣


雪白｢私が行きますわ。｣


｢雪白様！しかし…薬草は山の奥深くにしかない…危険です！｣


雪白の護衛がそう言い反対した。他の腰元や侍ももちろん反対し、殿様も流石に止めた。


雪白｢お母様も私の家族なのです！私だって助けたいのです！｣


雪白の強い意思に負け、皆、渋々了承した。