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1章
*III
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「では、今から宮廷魔術師・ウォルマン=レイスの”契り”をおこなう。」
そう言うと、王は自身の持っていた星が彫られた国名と同じ名称の剣であるレイピア(西洋式の細い剣。)を星が描かれた祭壇に置いた。そして、再び背を向けていたウォルマンの方に向き直った。
「ウォルマン、弟子となる娘の名前は何という。」
ウォルマン「リアです。」
「わかった。」
そう言うと、王は再び祭壇の正面に目を向けた。
「宮廷魔術師・ウォンマン=レイス。」
ウォルマン「はい。」
「汝は、弟子となる娘・リアを教え導き、守る事を誓うか。」
ウォルマン「誓います。」
ーーなんだか、教会の結婚式みたい。
と、場違いながらもリアは思わずそう思った。
「では、ウォルマン=レイス。誓いの証として、そなたの体の一部を差し出しなさい。」
ウォルマン「はい。」
そう言うと、ウォルマンは魔法でハサミを取り出し、そのハサミで自身の爪と髪の一部を切り、王が差し出したいれものに乗せた。
「リア。」
リア「は、はいっ!」
リアは、緊張のあまり変な声で応えてしまった自身が恥ずかしくなり、顔を赤らめた。
「汝は、宮廷魔術師・ウォルマン=レイスを師とし、魔術の勉学に励む事を誓うか」
リア「はい。」
リアは、今度はヴェーナに答えた時のように、凛とした声と態度で答えた。
「では、その証として体の一部を差し出しなさい。」
リア「はい。」
リアがそう答えると、ウォルマンは自身の魔法具である先ほどのハサミをリアに渡した。それを受け取ったリアは、ウォルマンがしたのと同じように、ハサミで髪と爪の一部を切って王に差し出した。
そして、リアとウォルマンの体の一部を受け取った王は、それを星の祭壇に置いた。
「神よ。リアを魔術師ウォルマンの弟子として認めたまえ。」
祭壇にいれものを置いた王は、そう言うと、両手を胸の前に組み続けた。すると。
リア「....キレイ」
儀式の間のステンドグラスに射し込む月明かりが、先ほどよりも強くなり、神秘的な雰囲気を創り出した。
「神もリアをウォルマンの弟子と認めたようだ。ウォルマン、しっかりとリアを育てなさい。」
ウォルマン「はい。」
そう言うと、王は自身の持っていた星が彫られた国名と同じ名称の剣であるレイピア(西洋式の細い剣。)を星が描かれた祭壇に置いた。そして、再び背を向けていたウォルマンの方に向き直った。
「ウォルマン、弟子となる娘の名前は何という。」
ウォルマン「リアです。」
「わかった。」
そう言うと、王は再び祭壇の正面に目を向けた。
「宮廷魔術師・ウォンマン=レイス。」
ウォルマン「はい。」
「汝は、弟子となる娘・リアを教え導き、守る事を誓うか。」
ウォルマン「誓います。」
ーーなんだか、教会の結婚式みたい。
と、場違いながらもリアは思わずそう思った。
「では、ウォルマン=レイス。誓いの証として、そなたの体の一部を差し出しなさい。」
ウォルマン「はい。」
そう言うと、ウォルマンは魔法でハサミを取り出し、そのハサミで自身の爪と髪の一部を切り、王が差し出したいれものに乗せた。
「リア。」
リア「は、はいっ!」
リアは、緊張のあまり変な声で応えてしまった自身が恥ずかしくなり、顔を赤らめた。
「汝は、宮廷魔術師・ウォルマン=レイスを師とし、魔術の勉学に励む事を誓うか」
リア「はい。」
リアは、今度はヴェーナに答えた時のように、凛とした声と態度で答えた。
「では、その証として体の一部を差し出しなさい。」
リア「はい。」
リアがそう答えると、ウォルマンは自身の魔法具である先ほどのハサミをリアに渡した。それを受け取ったリアは、ウォルマンがしたのと同じように、ハサミで髪と爪の一部を切って王に差し出した。
そして、リアとウォルマンの体の一部を受け取った王は、それを星の祭壇に置いた。
「神よ。リアを魔術師ウォルマンの弟子として認めたまえ。」
祭壇にいれものを置いた王は、そう言うと、両手を胸の前に組み続けた。すると。
リア「....キレイ」
儀式の間のステンドグラスに射し込む月明かりが、先ほどよりも強くなり、神秘的な雰囲気を創り出した。
「神もリアをウォルマンの弟子と認めたようだ。ウォルマン、しっかりとリアを育てなさい。」
ウォルマン「はい。」
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