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1章
*I
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ヴェーナ「ふぅむ。リアの体には、太陽印は見当たらなんだ。」
リア「じゃあ、わたしには霊力はないってことですか?」
ヴェーナ「そうじゃ。」
リアは「なんだぁ。残念。」
ヴェーナ「他には、魔術師は星紋が、超能力者は三日月紋が体のどこかに在るものなんじゃ。」
リア「わたしの体に、星紋か三日月紋はなかったんですか?」
ヴェーナ「うむ、なかった。」
リア「えぇえ、ないのー?!」
と、リアが服を着ながら残念そうに言うと
ヴェーナ「リア、リアの体には、確かに異能の気が流れておるよ。じゃが、まだ力が目覚めておらんから紋が覚醒しておらぬだけじゃ。」
リア「ほんと?!やったあ!」
と、リアは先ほどとは打って変わって嬉しそうにそう言った。
ヴェーナ「 ...リア。」
リア「なぁに、ヴェーナばぁ様。」
ヴェーナ「異能を持つというのは、大変な力を背負うという事じゃ。それをしっかりと覚えておきなさい。」
リア(え?この世界では、異能は普通のことじゃないの?確かにみんながみんな異能を使えるわけじゃなさそうだけど、それでも異能者は昔のヨーロッパみたいに処刑される。とかじゃなさそうだもん。この世界の様子みてたら。しかも、異能を使って敵と闘うのは、この世界の子どもや若いひとの憧れみたいな感じだし。)
ヴェーナ「リア、確かに今は異能狩りは無いがの。50年程前までは、異能狩りがあったんじゃよ。 」
リア「えっ!?そうなの?」
ヴェーナ「だから、今でも一部の人間の間では異能者を差別する風潮もあるんじゃ。リア、異能に目覚めるというのは、そういう異能者を差別する者達とも闘わねばならんという事なんじゃよ。」
リア(そっか。でも、せっかく女神さまが私に異能力をくれたんだもん。異能があろうがなかろうが、身分や性別で差別されることだってきっとあるよね。なら、私は異能の道をえらぶよ。)
リア「ヴェーナばぁ様。わたしには、たしかに異能があるんだよね?」
ヴェーナ「そうじゃ。」
リア「なら、わたしはそのちからを使って生きる。差別になんか、負けない。」
そう言ったリアの目は、とても10歳の少女のものとは思えない、凛とした眼差しだった。その眼差しを見たヴェーナは、 驚いだが、その眼差しにリアの覚悟をしっかりと見てとった。
ヴェーナ「リア、これは、私の孫息子の電話の番号じゃ。リアが異能に目覚めた時、この子に頼ると良い。私の孫は、リアより5つ程上じゃ。話し相手にもなるじゃろうて。この子は、魔術師じゃろうと、霊力持ちじゃろうと超能力者じゃろうと差別はせぬ優しくて強い子だ。」
リア「ありがとうございます!ヴェーナばぁ様。でも、あれ?異能者同士でも差別があるの?」
ヴェーナ「あるよ。昔は異能者同士で争っていたりもしたからね。」
リア「そっかぁ。でも良かった。ヴェーナばぁ様の家族が優しいひとで」
リア「じゃあ、わたしには霊力はないってことですか?」
ヴェーナ「そうじゃ。」
リアは「なんだぁ。残念。」
ヴェーナ「他には、魔術師は星紋が、超能力者は三日月紋が体のどこかに在るものなんじゃ。」
リア「わたしの体に、星紋か三日月紋はなかったんですか?」
ヴェーナ「うむ、なかった。」
リア「えぇえ、ないのー?!」
と、リアが服を着ながら残念そうに言うと
ヴェーナ「リア、リアの体には、確かに異能の気が流れておるよ。じゃが、まだ力が目覚めておらんから紋が覚醒しておらぬだけじゃ。」
リア「ほんと?!やったあ!」
と、リアは先ほどとは打って変わって嬉しそうにそう言った。
ヴェーナ「 ...リア。」
リア「なぁに、ヴェーナばぁ様。」
ヴェーナ「異能を持つというのは、大変な力を背負うという事じゃ。それをしっかりと覚えておきなさい。」
リア(え?この世界では、異能は普通のことじゃないの?確かにみんながみんな異能を使えるわけじゃなさそうだけど、それでも異能者は昔のヨーロッパみたいに処刑される。とかじゃなさそうだもん。この世界の様子みてたら。しかも、異能を使って敵と闘うのは、この世界の子どもや若いひとの憧れみたいな感じだし。)
ヴェーナ「リア、確かに今は異能狩りは無いがの。50年程前までは、異能狩りがあったんじゃよ。 」
リア「えっ!?そうなの?」
ヴェーナ「だから、今でも一部の人間の間では異能者を差別する風潮もあるんじゃ。リア、異能に目覚めるというのは、そういう異能者を差別する者達とも闘わねばならんという事なんじゃよ。」
リア(そっか。でも、せっかく女神さまが私に異能力をくれたんだもん。異能があろうがなかろうが、身分や性別で差別されることだってきっとあるよね。なら、私は異能の道をえらぶよ。)
リア「ヴェーナばぁ様。わたしには、たしかに異能があるんだよね?」
ヴェーナ「そうじゃ。」
リア「なら、わたしはそのちからを使って生きる。差別になんか、負けない。」
そう言ったリアの目は、とても10歳の少女のものとは思えない、凛とした眼差しだった。その眼差しを見たヴェーナは、 驚いだが、その眼差しにリアの覚悟をしっかりと見てとった。
ヴェーナ「リア、これは、私の孫息子の電話の番号じゃ。リアが異能に目覚めた時、この子に頼ると良い。私の孫は、リアより5つ程上じゃ。話し相手にもなるじゃろうて。この子は、魔術師じゃろうと、霊力持ちじゃろうと超能力者じゃろうと差別はせぬ優しくて強い子だ。」
リア「ありがとうございます!ヴェーナばぁ様。でも、あれ?異能者同士でも差別があるの?」
ヴェーナ「あるよ。昔は異能者同士で争っていたりもしたからね。」
リア「そっかぁ。でも良かった。ヴェーナばぁ様の家族が優しいひとで」
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