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おばぁちゃん、認知症なんじゃ?
しおりを挟むばぁちゃん「花ちゃん.....」
仕事の帰り。いつものように祖母の家にいた私のもとに、祖母の家電に電話がかかってきた。
(この頃の職場は、家より祖母の家のほうが近いため、仕事の時間が朝早い場合は、私は祖母の家に泊まっていた。着替えや私の持病の薬は祖母の家に置いてあったし、制服は夏じゃないし。と思って仕事場のロッカーに入れっぱなしだったから全然平気だった。)
電話をかけてきた人物は、祖母だった。
しかも、電話口から聞こえてくる祖母の声はかなり不安げである。
私「どうしたの?」
私が問いかけると
ばぁちゃん「 ばぁちゃんね、今、晴多駅にいるんだけど.....」
と、祖母がこたえた。晴多駅というのは、祖母の家と現在の私の家の近くにあるJRの駅だ。
私「晴多駅?ならもうちょっとで帰ってくるね。待っとるわ。」
ばぁちゃん「いや、あのね....ばぁちゃん、帰り道がわからないの。」
私「.....は?」
私は、祖母のその言葉に耳を疑った。晴多駅から祖母の家までは、私の足で歩いて10分ほど。足の悪い祖母だって、歩いて30分もかからないはずだ。駅から祖母の家への道筋だって、地元の人間からしたら決してわかりにくいものではない。
晴多駅の近くには、パチンコ屋の電光掲示の看板やクリーニング屋、私の通っていた中学校に車屋など、目印になる建物やものがたくさんある。 しかも、時刻は平日の夜7時。
晴多駅には、職場や学校から帰った人人がいっぱいいるし、改札には当然、駅員もいる。タクシーだって常時駅のロータリーにいる。バスだって何本かあるのだ。ならば、駅員やバス、タクシーの運転手とかに道を聞けば必ず祖母の家までたどり着けるはずなのに。
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