星に願い陰はらう。

神無月 花

文字の大きさ
上 下
4 / 19

しおりを挟む
ーー京都にある、安倍本家の屋敷。その屋敷の一室に、鏡の前に座る少女がいた。

時刻は、18時時59分。夕方から、夜に変わる1分前である。



(あと、1分...)



59、

58、

57


少女は、鏡の前に座ったまま、心の中で数を数える。




そして、1分経ったころ...


「19時。やっと本来の“俺“に戻る時間か。今日も長かった。」


鏡の前に居たのは、 先程の美しい少女ではなかった。


そこに居たのはーー。


“俺“の一人称のとおり、女性ではなく男だった。 


なぜ、“彼“が女性の姿になってしまっていたのか。その理由は、彼の一族の歴史にある。


   彼の先祖はかの有名な陰陽師・安倍晴明である。そして安倍晴明は、一千年前帝に憑いて悪事の限りを尽くした九尾の妖狐を封印した。



しかし。



九尾は最後の妖力を振り絞り、晴明への怨みを果たすため晴明の子孫にある呪いをかけた。


それは。


ーー男性が、女性の姿になってしまう呪い。



  九尾は、安倍一族から完全に男がいなくなるよう念じて呪詛を放った。そうすれば、一族内は女ばかりになり、結果的に晴明の血筋が絶えると考えたからだ。


だが。


   安倍晴明もその日出せる限りの霊力を出しきり、九尾の呪いを弱体化させたのだ。そのため、男性がうまれなくなったり、男性が早死にすることはなくなった。しかしそれでも、九尾の呪詛を完全に弱める事が出来ず、晴明の子孫は直系の男性が女になってしまう呪いがかかってしまうようになってしまったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

陰と陽の間に生きし者〜現代陰陽師奇譚〜

神無月 花
ファンタジー
*陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚のパラレルストーリーです。 ヒロイン・土御門 紫折(つちみかど しおり)は、陰陽師の家系に生まれたが、霊力を持たず、彼女自身も自分が陰陽師だとは知らずに16歳の誕生日を迎えた。 だが。 16歳の誕生日を迎えると同時に、紫折は今まで視えたことのない妖や幽霊などが視えるようになってしまった。そしてある日、彼女のいとこを名乗る本家の現当主・安倍 政明(あべ まさあき)が現れて.... ⭐️いとこ同士の恋愛要素あり。苦手な方ご注意下さい。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...