天狐と或る巫女の物語

14話

　闇鬼の復活 　

「黄玉さん。どこへ行くんですか？」


黄玉「結美。何でもないよ。」


結美「ごまかさないで。さっき黄全さんと水頂さんとテレパシーを使って会話してたでしょう？黄玉さん、テレパシーなんてめったに使わないのに。」


黄玉「べつに大事ない。仕事で黄龍城に行くだけだ。」


結美「じゃあ聞きますけど、その“仕事”には“闇鬼”が関係してるんじゃないんですか？……闇鬼と闘いに行くんでしょ？！だったら私も闘います！！」


黄玉「駄目だ！！！」


黄玉の今まで聞いた事のない大きな声に 結美の肩はびくりと震えた。 


黄玉「闇鬼はかつて常世と異世で大暴れした鬼だ！そんな危険な相手とお前を闘わせたくない……！我は…結美を愛している。」


結美「黄玉さん…！私も…あなたを愛してます。でもね、だからこそ私も一緒に闘いたい。大切な人が苦しんでたり悲しいんでたり、何かと闘ってる時は誰だって大切な人とともに闘いたいと思うはずです。」


黄玉「その気持ちは嬉しい。だがな、結美、我はお前が怪我したら、死んでしまったら……そう考えるととても耐えられない。だから今回は屋敷で待っていてくれ。」


黄玉は結美を抱きしめ、口づけをした。