私、王子のいとこの悪役令嬢に転生しました〜あれ、悪役令嬢なのになぜか逆ハーレムなんですが。〜

＊III＊

リッシェル「ねぇ、ははうえ。」

「あら、どうしたの？」

リッシェル「いとこどうしは、結婚できるんだよね！ぼく、マリアナちゃんと婚約したい！そしたら、結婚できるでしょ！」


　いつもおとなしく、年齢の割に理知的なリッシェルには珍しく、興奮した口調で母にお願いするリッシェル。


リッシェルは、幼いながらにマリアナに恋をしていた。


謂わゆる、一目惚れだ。


それだけでなく、リッシェルは、マリアナの優しさにも惹かれていたのだ。


　「....それは、無理だ。」


しかし、そんな希望は、領地の視察と接待から帰った父の言葉により壊される事になる。


　リッシェル「どうして？だって、ぼくは侯爵家、マリアナちゃんは公爵家でしょ。ねんれいもちかいし、婚約するにはむいてるんじゃない？」


　「....リッシェル、ひとつ忘れているよ。マリアナ嬢は確かに公爵令嬢だが、王家の血を引く貴族でもある。だから順当に考えたらマリアナ嬢は、侯爵家ではなく公爵家や王家の者の妻になると思うからね。それに....」


「マリアナ嬢は、先日第1王子殿下と婚約した。マリアナ嬢は、お前の従姉だが、王子の従妹でもあるから。」


リッシェル「で、でも！そんなじょうほう公開されてません。ウソのかのうせいもありますよね！」

「いや、これは確かな情報だよ。今日の晩餐会で陛下がおっしゃられたから。だから、お前とマリアナ嬢は結婚できない。」


　そのことばで、ぼくはかなしみの底に落とされた。