斎宮記

神無月 花

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藺織が斎宮に選ばれて一年は野宮で禊をしていたが、
斎宮がついに伊勢に行く日がやってきた。美矢灯宮家の女房が藺織に禊用の衣服を着付け、薄く化粧をした。伊勢の国に着いてすぐに禊を行う為、あまり過度な化粧をせず衣服も禊用の衣服なのだ。



「藺織様。そろそろ出られませんと……」


藺織「解っているわ。参りましょう。伊勢の国へ。」



斎宮は、伊勢の天照大御神に仕える天皇家の女性の事だ。斎宮になる事は、大変名誉な事なので、藺織姫も彼女の両親も慶んだ。しかし、斎宮になれば実の家族といえどあまり会えなくなる。慶ぶと同時に皆とても悲しんだ。 








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