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1章「はじまりの道編」
1話「そんなこんなで異世界へ」
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その日、私こと魚谷葵は中学校という名の半日監獄を終え、自由を謳歌しようとしていた。しかし、その自由を一人で楽しむのもたまにはいいが、できれば誰かを誘って共に謳歌しようと思っていた。
一人でいるのも好きだが、誰かと遊ぶ方が私的には好きなのである。歩きスマホは危ないので、学校近くの小さい公園に行き、ベンチにドカッと座る。いつもなら学校帰りの子供が携帯ゲーム機を持ち寄って遊んだり、漫画の絵が描かれたカードゲームをやってりしていて、お前ら遊具で遊べよとツッコミを入れたくなるが、今日は誰もいない。
まあ、そんな日もあるのだろう。
電子書籍の漫画を読みつつ我が友にLAIMを飛ばす。
LAIMは通話・メッセージのやり取りもできる現代には欠かせないアプリの一つだね。
ちなみに今読んでいる漫画は「鋼鉄の錬金術師」というライトファンタジー漫画。
本当は学校にいる時に話しかけてもよかったが、「いい人」で通っている私は先生たちに便利屋のように使われてしまう。あれを実習室に運んでおいてとか、視聴覚室のパソコンの動かし方とか……そんなの自分たちでやれよとノリツッコミ。先生方はお年寄りが多いのでメカ関係は本当にわからないらしい。おまけに後輩から恋愛相談とかもされるし。私、付き合った経験とかないんだけどね~~なんで私に聞くかな?
んな事考えてると返信が来る。
「ごめん、今日バイトで忙しくて」
「ごめん、今日、推しのライブで東京まで行くんだ」
「ごめん、今日、彼氏の家にお泊りだから♡」
という理由で却下されてしまう。
「全滅か……っていうか、彼氏の家に泊まりって中学生でそれはどうなの?」
さすがに親がいるとは思うが、何をする気なのだろうか。
想像して2秒でやめる。やめやめ。
きっと親御さん含めてみんなで食事とかだよね、うん。
「どうしょっかなー。家帰って麻雀でもしようかなー。
兄貴弱いから、私が勝って、掃除当番と料理当番代わってもらおうかな」
昨日は兄貴の友達も含めて四人麻雀し、オーラス・跳満で42600点とぶっちぎりのトップで私の勝ち。兄貴は最下位でした。
「さて、どうすっかなー」
「ナァー」
「ん?」
じっと私を見てくるのは白い猫。私の足元にいる。コイツいつの間に……。タレ耳が可愛くてかなり小柄の猫だ。スコティッシュフォールドかな? 毛並みがよく、首元には猫用の鈴付き首輪がつけられている。完全に飼い猫だ。
「なんだお前? 私と遊んでくれるの?」
「ナァー」
私がだっこしようとしたら、猫はそれを避け、去っていく。
が、一定の距離を取ってこちらを見ている。
「え、付いてこいってこと?」
取り合えず、猫についていく。
猫を追い越さないよう、歩を緩めて歩くことにした。
猫についていくこと20分。
街を離れ、住宅街のはずれまでやってきたぞ。
一体、どこまで行く気なんだ、あのにゃんこは。
いい加減、足が疲れてきた。
「おい、いい加減にしろってニャンコ大先生。猫の恩返しはまだかよ」
「ナァ」
なんか「やれやれ仕方ないな」って鳴き方したな、コイツ。
誰だ、飼い主。出てこい。
「っていうか、ここ空地じゃん。猫型ロボットのアニメでで出てきそうな」
この辺りは旧家が多く立ち並ぶ一角だが、住んでいるのはお年寄りばかりだ。
そのお年寄りも施設にいるか、孫たちと別の町に移ったりしているせいで空き家だらけだ。なんで猫はこんな所に? ここで猫の集会でもやってるのか?
「ん?」
地面をよく見ると、何かが大きく描かれている。
なんかこういうの、オカルト番組で見たことある。
ミステリーサークルってやつか。
「これは……六芒星かな?」
なんでそんなものが? と思った瞬間だった。
辺りが白く光り輝きだす。
「ぬああああああああああああああああああああああ!」
女の子らしくない叫び声全開で喚く私に猫は何も言わない。
あくびをして毛づくろいまでしてるほどだ。
「ねこおおおおおお!あたしをどうする気だぁぁぁぁ」
しかし、猫は何も答えない。
ただ、こちらをじっと見据えている。
そして、私の姿はそこから消えていった。
一人でいるのも好きだが、誰かと遊ぶ方が私的には好きなのである。歩きスマホは危ないので、学校近くの小さい公園に行き、ベンチにドカッと座る。いつもなら学校帰りの子供が携帯ゲーム機を持ち寄って遊んだり、漫画の絵が描かれたカードゲームをやってりしていて、お前ら遊具で遊べよとツッコミを入れたくなるが、今日は誰もいない。
まあ、そんな日もあるのだろう。
電子書籍の漫画を読みつつ我が友にLAIMを飛ばす。
LAIMは通話・メッセージのやり取りもできる現代には欠かせないアプリの一つだね。
ちなみに今読んでいる漫画は「鋼鉄の錬金術師」というライトファンタジー漫画。
本当は学校にいる時に話しかけてもよかったが、「いい人」で通っている私は先生たちに便利屋のように使われてしまう。あれを実習室に運んでおいてとか、視聴覚室のパソコンの動かし方とか……そんなの自分たちでやれよとノリツッコミ。先生方はお年寄りが多いのでメカ関係は本当にわからないらしい。おまけに後輩から恋愛相談とかもされるし。私、付き合った経験とかないんだけどね~~なんで私に聞くかな?
んな事考えてると返信が来る。
「ごめん、今日バイトで忙しくて」
「ごめん、今日、推しのライブで東京まで行くんだ」
「ごめん、今日、彼氏の家にお泊りだから♡」
という理由で却下されてしまう。
「全滅か……っていうか、彼氏の家に泊まりって中学生でそれはどうなの?」
さすがに親がいるとは思うが、何をする気なのだろうか。
想像して2秒でやめる。やめやめ。
きっと親御さん含めてみんなで食事とかだよね、うん。
「どうしょっかなー。家帰って麻雀でもしようかなー。
兄貴弱いから、私が勝って、掃除当番と料理当番代わってもらおうかな」
昨日は兄貴の友達も含めて四人麻雀し、オーラス・跳満で42600点とぶっちぎりのトップで私の勝ち。兄貴は最下位でした。
「さて、どうすっかなー」
「ナァー」
「ん?」
じっと私を見てくるのは白い猫。私の足元にいる。コイツいつの間に……。タレ耳が可愛くてかなり小柄の猫だ。スコティッシュフォールドかな? 毛並みがよく、首元には猫用の鈴付き首輪がつけられている。完全に飼い猫だ。
「なんだお前? 私と遊んでくれるの?」
「ナァー」
私がだっこしようとしたら、猫はそれを避け、去っていく。
が、一定の距離を取ってこちらを見ている。
「え、付いてこいってこと?」
取り合えず、猫についていく。
猫を追い越さないよう、歩を緩めて歩くことにした。
猫についていくこと20分。
街を離れ、住宅街のはずれまでやってきたぞ。
一体、どこまで行く気なんだ、あのにゃんこは。
いい加減、足が疲れてきた。
「おい、いい加減にしろってニャンコ大先生。猫の恩返しはまだかよ」
「ナァ」
なんか「やれやれ仕方ないな」って鳴き方したな、コイツ。
誰だ、飼い主。出てこい。
「っていうか、ここ空地じゃん。猫型ロボットのアニメでで出てきそうな」
この辺りは旧家が多く立ち並ぶ一角だが、住んでいるのはお年寄りばかりだ。
そのお年寄りも施設にいるか、孫たちと別の町に移ったりしているせいで空き家だらけだ。なんで猫はこんな所に? ここで猫の集会でもやってるのか?
「ん?」
地面をよく見ると、何かが大きく描かれている。
なんかこういうの、オカルト番組で見たことある。
ミステリーサークルってやつか。
「これは……六芒星かな?」
なんでそんなものが? と思った瞬間だった。
辺りが白く光り輝きだす。
「ぬああああああああああああああああああああああ!」
女の子らしくない叫び声全開で喚く私に猫は何も言わない。
あくびをして毛づくろいまでしてるほどだ。
「ねこおおおおおお!あたしをどうする気だぁぁぁぁ」
しかし、猫は何も答えない。
ただ、こちらをじっと見据えている。
そして、私の姿はそこから消えていった。
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