上 下
48 / 78
第二章「新たな旅立ち」

第47話「メイとセレナさんとノノ」

しおりを挟む
それから数十分後。一通りの説明は終わった。流石のセレナさんも驚きを隠せないようだった。少し、きょとんとした顔をしている。



「……なるほどね。そういう理由があったのかい」



驚きはしたものの、セレナさんはすぐに納得という表情をした。もっと驚かれるかなと思ったけど、彼女は極めて冷静な態度だ。



「あんたも色々苦労してきたんだね」



「ええ、まあ……」


といったところで腹の虫が鳴る。は、はずかしい……。



「ふふ、お腹空いたんだねぇ。続きは食べながらでもいいだろう」



今日は話を聞いたり、喋ったりしたからなぁ。緊張したのもあって、いつもより少し精神的に疲れたかも。ここで食事にできるなら有り難い。



「といっても、食料が……」



「妖精なら家を持っているはずだ、食料もそこにあるだろう。私はフェアリー・ティーだけでいい」



「それだと、お腹空きません?」



私の質問に首を横に振るセレナさん。こういう仕草、私のお婆ちゃんとよく似ている。異世界でもお婆ちゃんはお婆ちゃんなのね。



「もう年寄りだからね。あんまりたくさん食べれないし、空腹も感じないのさ。もうそこまで身体が栄養を必要としていないんだよ」



私が目ぶせをして、ノノは妖精の家を出してくれた。ひとまずゴハンということで家に入ることにした。



「じゃあ、簡単な料理を作るわ。二人共、少し待ってて」



ノノはエプロンを着用し、キッチンで手際よく作業を始める。私とセレナさんは一緒にフェアリー・ティーを飲み、喉を潤す。相変わらず、温かくて美味しい。心が何だかホッとする。



「……ふふ、懐かしい味だ。もう何年ぶりだろうね、この味は」



「妖精にお知り合いがいるんですか?」



「ああ、もう随分会っていないがね。その子もお前みたいに人のいい奴だった。世話好きというか、お節介というか。妖精にしては珍しいタイプだったね」



「……あの、人のいいじゃなくて、いい人って言ってほしいんですが」


人がいいってのはちょっと引っかかる。私がぶーたれているとセレナさんは豪快に笑った。



「はっはっはっ、そりゃ悪かったね。そうだね、いい人って言わなくちゃ腹が立つだろうね」



「さ、できたわ。鶏もも肉と山盛りきのこを炒めてみたわ。私の好物だけど、メイもきっと気に入ってくれると思う。どうぞ、召し上がれ」



皿に出されたのは鶏もも肉、しめじ、しいたけなどが盛り付けられた炒め物だ。とても美味しそうで思わず、見ただけでヨダレが出てくる。



「美味しそう!いただきまーす!!」



「ごちそうさん、そろそろ寝させてもらう。ノノ、ベッドを借りるよ」



「どうぞ」


と、さっそく食べる私とは裏腹にそのままベッドに行くセレナさん。まだ日は落ち切ってないが、お年寄りは寝るのが速いからなぁ。というか、これ、思ったよりあっさりしてて美味しい。しめじ、しいたけも美味しいわ。いくらでも食べれちゃうな。



「おかわりもあるから遠慮せず食べてね」



食べながらノノの表情をちらっと盗み見る。ニコニコしているようだが、その表情は少しアンニュイだ。気分が晴れず、つまらなそうな感じがする。



「ノノ、なんか機嫌悪い?」



「ううん、別にメイは何も悪くないわ。ただ、ちょっとね……」



「そのちょっとを教えてよ。そんな暗い顔してると心配だよ」



ノノは少し苦笑しつつ、フェアリーティーを一口飲んだ。カップを置き、一息をついてから「そうね」と頷いた。



「セレナさんとの話題で愛だの、旦那さんとの出会いだのってあったでしょ? その会話で姉を思い出してね」



「ノノにもお姉ちゃんがいるの?」



それは初耳だ。だが、彼女の声のトーンは重い。何か嫌な思い出でもあるのだろうか。それとも仲が悪いとか?ノノはそのまま続ける。



「ええ。姉は優秀な人でね、女王様のお城で昼夜を問わず働いていたわ。本当に自慢の姉でね。私はそんな姉に近づきたくて勉強も実務も頑張ったわ。仲もよかったし、みんな姉を尊敬していた。けれど……」



「けれど?」



「姉は人間の男を好きになったの。恋愛に溺れ、仕事を辞め、妖精の国を出ていった。私に何も言わずにね。それ以降、姉には一度も会ったことがないの」



「ノノ……」



ノノは俯き、複雑な表情をしている。嫌悪しているようにも憎悪しているようにも見て取れる。大好きなお姉ちゃんが急にいなくなったのだ。私だったらきっと寂しくて泣き出してしまうだろう。うちのお姉ちゃんは元気にしているだろうか。ニルヴァーナでの大会以降会っていないけれど。



「私にはわからないわ。愛って何なのか。変態紳士の所でさんざん男の一方的な性的願望を見たから尚更ね。男も女も最終的に子供を作りたい。人間だって動物だから、種を残すという考えは当然よね。でも、他の動物と違って、性的欲求や快楽を得たいが為に愛や恋を唄うんでしょう?セレナさんには悪いけどね、私にはどうもそういうのって信じられないわ」



「……」



こういう時、なんと声をかければいいのだろうか。私は異性を好きになったこともないし、誰かを本気で愛したこともない。愛や恋を語るにはあまりにも未熟で経験不足だ。素敵な恋には憧れるけど、現実はきっとドラマのようには上手くいかない。わかっているのはそれだけで、それ以外は何も知らない。第一、たかが16歳の私が愛だの恋だのわかるはずがない。それらが理解できるほど、濃厚な人生は送っていない。



「ごめん、メイ。あなたに言っても仕方のない事だったわね。まあ、メイは男よりも女が好きらしいし。理沙もそうだし、ミカもあなたに気がありそうだしね」



「な、何言い出すのノノ! 別に二人とはそんなんじゃ……!」



いきなりの発言に赤面する。まあ、確かに理沙は好きだ好きだ言ってくるけど。気持ちは本気なのは嬉しいのだが反応に困る。ミカちゃんとはだいぶ仲良くなれて嬉しい。これからもずっと仲良くしたいと思っている。けど、女の子同士で恋とかそういうのって……。



「照れない、照れない。別にご主人様がどんな性癖でも私は気にしないわ。それよりたまには私と寝ましょうよ。いつも理沙やミカと寝てばっかりでいい加減、寂しいのよ。ねね、お願い」



「いいよ。じゃ、そろそろ寝よっか。まだ早い気もするけど」



「睡眠不足はお肌の大敵よ、メイ」



「よし、寝よう。ノノ、電気消して」



「はーい」



「おやすみ、ノノ」



「おやすみ、メイ」



実はさっきからとても眠かった。ノノと話している時は平気だったけど……本気でぶつかって相手に想いを込めて言葉を伝えたこと。緊張していたのもあるし、拒絶されたらと思うと怖い所もあった。そのせいで物凄く疲労を感じていた。けど、心の中では充実感も感じていた。セレナさんと仲良くなれてとても嬉しい。だから、疲れていたけど、いい疲れだなと思えた。瞼を開く力も残っておらず、そのまま眠りに落ちた。









それから五日間ほどセレナさんと森で暮らした。色々話したり、食事をしたり、思い出話を聞いたりした。ノノも少しずつだが、セレナさんに心を開いていき、私と彼女は本当に祖母と孫のような関係をきずいていた。しかし、セレナさんは何故、この島に来たのかは話してくれない。聞いたとしてもはぐらかされるか、別の話題に変えてしまう。
多分、何かしら理由があると思うのだけれど……。



「おはよ、ノノ」



「おはよ、メイ。料理の準備するから、先にお風呂入っちゃって」



「はーい」



ともかく、まずはシャワーを浴びよう。ぽいぽいと服と下着を捨て、浴槽へと入る。朝シャワーを浴び、鼻歌をしながらリラックス。それからささっと着替えを済ませた。セレナさんは家の中にはおらず、私一人だけだ。恐らく、外にいるんじゃないかな。お年寄りは朝が早いし、何より旦那さんとの思い出の地。ゆったり自然でも眺めているんじゃないかな。それぐらいには彼女の事は理解している。外に出ると、大きな木にもたれているセレナさんがいた。朝の森は少し肌寒い。



「セレナさん、やっぱりここにいた」



「おはよう、メイ。いい朝だね」



「おはようございます。いい朝ですね」



時刻は午前10時を過ぎた頃。森は平和で、いつも通り静音だ。日本だとこうはいかない。セールの掛け声だの、車やらバイク、工事やら……もう本当、五月蝿くて仕方がない。だが、ここではそういった人工的な音は一切聞こえない。自然の音だけが耳に入ってくる。風に木の葉が舞い、心地よい音色を奏でる。都会では決して味わえない雰囲気だ。今度、理沙やミカちゃん達とお弁当を持ってピクニックに来たいな。サラさんや梨音さんも誘おう。きっと楽しくなりそうだ。



「うっ……」



セレナさんが急に口元を抑え、地面にうずくまった。何度も咳をし、苦痛に顔を歪めていた。我に帰った私はすぐさま駆け寄った。



「セレナさん!大丈夫ですか!?」



背中を擦る。雑草に赤いものがべったりとついている。ポスターカラーよりもクリアで目に痛い印象を受ける。そして、それは少なからず神経を強張らせる。言うまでもなく、血だからだ。



「セレナさん、病気なんですか? ノノ、ノノ!」



こんな辺境の地では医者はおろか、人なんかいやしない。ノノの魔法なら完治は無理でも身体を楽にできるはず。ノノはキッチンからすぐに駆けつけてくれた。けれど、セレナさんは首を横に降った。



「……いいんだ、メイ。もう身体が長くないのはわかっていたからね。そろそろ寿命なのさ」



「そんな……」



「やっぱり、そうなんですね」



「ノノ、どういう事!?」



「呻き声がセレナさんだとしたら、彼女はここを死に場所に選んだのよ」



私は二の句が継げない。呆然とする私にセレナさんは頷く。



「ここは旦那が私を初めて見た場所なんだ。私が長の使いの後、休憩場としてここを使っていたんだが……それからも一目を偲んでここで愛を語り、抱き合った。あの人を感じられる場所で死ぬためにこの島に来たんだ」



セレナさんは顔こそ苦痛だが、どこか悟った顔をしていた。けど、すぐに咳をし、血を吐いている。せっかく仲良くなったのに死なせてなるものか!



「ほう、死にかけとは嬉しいね。手間が省けるぜ」



「誰!?」



急に聞いたことのない男の声が聞こえてきた。心をざわつかせる不快感。同時に複数の足音が聞こえてくる。振り向くと、そこには大勢の男たちがいた。どいつもこいつも薄汚れた服に身を包んだ若い連中だ。顔には傷があったり、中には腕に入れ墨をしている者もいる。贔屓目に見てもまともな連中ではなさそうだ。奴らは変な笑みを浮かべながらナイフを手にしている。だが、そのナイフは以前の船夫達と持ち方が違う。彼らはナイフを横向けにして持っているのだ。



”油断するな。あの者たちはまともではないぞ。
全員、人を殺した経験を持つ者達だ”



「どういうこと、セグンダディオ?っていうか、随分久しぶりね」



”うむ。実はナイフをそのまま人体に刺しても、骨が邪魔をして致命傷を与えられないのだ。だが、横向きにすることで骨をすり抜け、相手に致命傷を負わせることができる。その状態で刺された場合、死に至る可能性が極めて高くなる”



「物騒な豆知識、どうもありがとう」



心臓がきゅっと縮む感じがする。つまり、相手はそれぐらい知っている手練って事ね。だけど、別に怖くないし。敵はざっと見た感じ30人前後。リーダー格の男は中央のハゲ頭だと思われる。奴だけ着ている服が小奇麗だから間違いない。



「へへへ、ジェットさん、この女やっちゃっていいっすか?チビとやるのは初めてなんすよ。一週間前から溜め込んですぜ。今にも溢れそうで我慢できないんすよ~」



ギャハハハハハと馬鹿笑いが響く。その声に驚き、鳥たちはその場を去ってしまった。車以上に聞きたくない雑音はこういう連中の笑い声だ。



「まだ止めとけ。仕事が済んでからだ。そん時は好きにしていい」



「やりぃ!」



「兄貴、俺も俺も!!」



男たちは私をいやらしい目で品定めしている。けど、そんな視線は無視だ。私はセレナさんを後方の茂みへと連れていく。



「セレナさん、大人しくしててくださいね。すぐに片付けてきます。ノノ、セレナさんをお願い」



「わかったわ」



「メイ、大丈夫なのかい?」



「こう見えてもそれなりに場数も踏んでいます。あんな奴らに負けませんよ」



私はそう言い残すと、更に前と出た。男たちがナイフを構え直す。戦闘態勢の準備はできているようだ。



「あんた達、いったいここに何しに来たの!?」



「お前が七瀬メイだな?俺はジェット・アルダー。金になることなら何でもやる、何でも屋さんさ」



「今すぐ森から出ていって!」



私がそう言うと男たちはムッと怒気を強めてきた。殺気がキツくなったのが肌でわかる。だが、涼しい顔をしているのはジェットだった。



「そうはいかねえ、こっちも商売でな。おチビちゃん、痛い目に逢いたくなければお前こそ森を出て行け。そうすれば妖精共々命を助けてやる。ただババアは置いていけ」




「悪いけど、そんな訳にはいかないわ。お年寄りがお金になるなんて思わないけど?」




ハハハとジェットと呼ばれた男は笑う。いやらしい笑みを浮かべながら今度はお婆さんを品定めする。




「お前も聞いてるだろうが、そのババアはドラゴニストだ。ナイトゼナはおろか、他の大陸でも例がない貴重なサンプル。学者どもに売れば良い金になる。それにドラゴンに戻して解体すりゃ、より金になるんだ。龍は金になるのさ、羽も腕も鱗も歯も全てな。昔からドラゴンは負と金の象徴だ。富と名誉を得るためにドラゴンスレイヤーになった奴も多い」



「戻す……?」



これだよとジェットが取り出したのは金色の鈴だ。見たところ、普通の鈴にしか見えないが。



「これは龍の鈴だ。ドラゴニストにこれを使えば、一時的にドラゴンの姿に戻せるのさ。ババアを捕まえ、ドラゴン研究者に売っぱらい、その後でドラゴンに戻して毟り取る。俺の計算じゃ、少なくとも30000万ガルドはするだろう。それが筋書きだ」



「龍の鈴は長の持つ物だ、何故、お前たちが!!」



セレナさんは堪らず叫んだ。だが、ジェットは当然だろという顔で



「殺して奪ったからに決まってるだろう。そうか、お前の元いた集落なのか。安心しな、お前を追い出した奴は全員殺してやったよ。長も含め、龍たちはバラバラにして売っぱらい、一部は武器や防具に加工させて商品にして売り飛ばした。それが飛ぶように売れてな、お陰で良い稼ぎになったぜ」



男達は馬鹿笑いし、思い出話に花を咲かせた。その金で連日連夜、大樽で酒を飲んだこと、高級な風俗で女と何日も寝たこと。それ以外にも男達のくだらない欲求を解消する話が飛び交う。ハッキリ言ってそんな話など聞きたくなかった。女の私には理解できないし、したくもない。だが、耳は戯言の一つ一つを全部拾い取ってしまう。この時だけは耳が良いということを呪いたくなる。



「集落の者を殺したと言うのか!? 誇り高き龍族を殺したというのか!」



「何が誇り高き龍族だ! お前も知っているだろう、龍族が犯した罪を!この世界をこんな風にしたのは龍族にも責任があるんだぜ?」



ジェットは話をしつつ、私達と間合いを詰めていく。殺気が辺りから煙のように充満しているのが感じられる。声は耳が拾うが、神経は殺気を警戒している。いつ襲いかかっても良いよう、頭を最大限に危機的上にセットする。セグンダディオを静かに解除しておく。



「マルディス・ゴアは8つあった大陸を4つにしたと言うが、奴一人で大陸を焼いたわけじゃねえ。その中には裏切り者の龍族が数多くいた。そいつらも大陸焼きに参加したのさ。龍は古代より畏怖される存在とされ、一部の人間は神として崇めていた。だが、その件で人々は龍に憎悪し、今も嫌悪している。だが、龍が人間に化ける姿は極めて美人だと言う。ドラゴニストは特にな……お前の旦那は大富豪だが、どうせ身体目当てだったんだろうよ!!」



ギャハハハハと笑い飛ばすジェット達。剣を握る手に力が入る。怒りを歯で食いしばり、暴走しないように理性を働かせる。それでも怒りや憎悪が胸の中に激しく渦巻いた。セレナさんは俯くことしかできず、男達の笑いに必死に堪えていた。



「もっと教えてやる……そのクソババアを含め、長や仲間たちも全てマルディス・ゴアの大陸焼きに付き合った連中の末裔だ。100万年前の話だが、龍に関する資料は数多く残っている。俺はそれを全部読んだ、それだけ人々の恨みは深かったんだろう。マルディス・ゴアは復活するなんて噂があるが、そうなったらきっと今いる龍達も勇んで参加するはずだ。つまり、俺達は竜殺しの英雄だ!!」



「五月蝿いわね……グダグダと」



私は歩を進める。もう我慢ならない。冷静と暴走を脳に叩き込む。血圧が上昇し、アドレナリンが沸騰する。八つ当たり気味にセグンダディオを振るう。大木が音を立てて崩れ落ちた。男達の笑い声はピタリと止んだ。彼らは皆、驚愕して顔色を変えていた。セグンダディオによると高さ112メートル、幹周り58メートルだそうだ。高さはタワーマンション25階ぐらいだと考えるとわかりやすい。幹周りは大人30人が手を繋いでやっと囲める太さだという。そんな木を切り裂く剣など誰も知らない。



「ゴチャゴチャ言ってないでさっさと来なさいよ。それとも怖いの?」



「へっ、ガキが。いっちょまえに舐めた口叩くじゃねぇか。七瀬メイ、お前はなんでこんなババアを守る? 仕事なんて適当に報告すりゃいい。守った所でどうせババアはその内くだばる。ドラゴニストの寿命は人間よりも短いんだぞ。世間は龍を心底、憎んでいる。



「私はこの世界の歴史なんか知らないし、100万年前の事なんて興味ない。世間がどう思っていようと関係ない。けどね、私とセレナさんは友達なの。友達を守るのに理由は必要ない!!」



私が叫ぶと同時に男が跳躍し、襲い掛かってきた。それを真っ二つに切り裂く。アジの開きのように頭から股までバッサリだ。返り血がかかり、私を赤く汚していく。いつもなら自責の念が湧くが、そんなものはもう無い。龍だの人だの世間だの、そんなのどうだっていい。



「後悔するわよ、全員まとめて地獄行きだ!!」



そんな私に野盗達は怯えた。私がどんな顔をしていたのか、私は知らない。鬼なのか、夜叉なのか、それすらもわからない。私はもう、頭の中には全員を皆殺しにすることにしか考えていなかった。そして、セレナさんを罵倒したジェットを許す訳にはいかない。彼女を追い出したとはいえ、家族だった龍まで自分の私利私欲の為に殺す。そんな人間を生かしておけば、きっとまた誰かが涙することになる。怒りと憎しみと悲しさを剣に。友達の為に利他の心を胸に。私は駆け出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

さくらと遥香

youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。 さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。 ◆あらすじ さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。 さくらは"さくちゃん"、 遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。 同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。 ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。 同期、仲間、戦友、コンビ。 2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。 そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。 イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。 配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。 さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。 2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。 遥香の力になりたいさくらは、 「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」 と申し出る。 そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて… ◆章構成と主な展開 ・46時間TV編[完結] (初キス、告白、両想い) ・付き合い始めた2人編[完結] (交際スタート、グループ内での距離感の変化) ・かっきー1st写真集編[完結] (少し大人なキス、肌と肌の触れ合い) ・お泊まり温泉旅行編[完結] (お風呂、もう少し大人な関係へ) ・かっきー2回目のセンター編[完結] (かっきーの誕生日お祝い) ・飛鳥さん卒コン編[完結] (大好きな先輩に2人の関係を伝える) ・さくら1st写真集編[完結] (お風呂で♡♡) ・Wセンター編[不定期更新中] ※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...