真冬の台風

柑橘

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横顔に惹かれて

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「金子くん。…久しぶり」

どうしたの?って聞きたいけど友達じゃない俺が聞くのもおかしいかな。


「おう!おはよう!あー冬弥さ、悪いんだけど休んでた分のノートとか見せてくれない?」

そう言いながら風磨は俺の横にきてしゃがみ、真っ直ぐに目を見つめる。キラキラした目で。

「い、いいよ。でも、俺より綺麗にノート取ってる人いっぱいいると思うよ、、」

「え?なんで?冬弥、頭いいでしょ?」

「ど、」

なんで名前しってるのか、聞こうとしたけど、風磨が登校したことに気づいたクラスの女の子達がすぐに風磨を取り囲んで次に風磨が1人きりになったのは、放課後で、、

委員会終わりに、忘れたテキストを取ろうと教室に戻ると、風磨が机で寝ていて

「えっ?」

ど、どうしたんだろう?ホームルーム終わってもう1時間近く経ってるけど、、なにしてるんだろう?

「っんーーたぁはー」

お、起きた、いや、起こしちゃったのかな?

「お、おはよう?」

「ははっうん。おはよう」

目を細めてまだ眠たそうに笑う風磨があまりにも綺麗で俺は思わず

「きれい…」

声を出していた。

「えっ?あ、ほんとだ。きれいな夕日だね」

「…あ、だ、だよね」

「クセになりそう。」

その時の夕日に染まった風磨の横顔にはもう眠さはなく、その酷く美しい笑顔に俺は打ちのめされていた。

「あ、そうだノート!見せてもらってもいい?」

「え、でも、昼休みクラスの人たちが見せるよって言ってなかった?」

「あー断っちゃった。先に冬弥に見せてもらう約束してたから。」

あ、あれ約束だったんだ。

「う、うん。でも朝も言った通り俺よりきれいにノート取ってる人いると思うよ?」

「冬弥って頭いい人でしょ?」

「そ、そんなこと」

「でも、俺が転校してきた日計算すっげぇ速いし自習でもちゃんと真面目に勉強してるし、発言はしてないけど先生の言うこと考えながらノート書いてるでしょ?それに、」

「ちょ、ちょっと待って!タンマ、キャパオーバーです」

「あ、照れてる」

あんな真剣な顔と声で褒められたら、誰だって照れるでしょ、、

「はい!ノートど、どうぞ」

「ははっありがと。そんな必死にならなくてもいいのに、、かわいいな!」

だめだ。自覚しちゃったらもう、金子くんの顔、、見れないよ。


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