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第十九話 空の散歩
しおりを挟む東の主との激闘を終え、フララの過去を知ってから一週間の時が経っていた。
ルーと少ししか離れていなかったのに、とても長く離れたように感じていた。 帰って来てすぐに彼女は俺の下に来て、スカートの端をちょこんとつまんで一礼し、ただいま戻りました、と言われた時は、その所作がとても美しく気恥ずかしくなり『お、おう』としかいえない情けない男になり下がる… もともとゴミですけどね…
その後、フララと俺の自然なやり取りを見て謎の笑みを漏らしてた
…恐怖!
イレスティさんも何故かいた。 ルーなんとかニウムっていう成分が足りず着いてきてしまったらしい。この世界は俺の知らない物が多い。
アンデッド城の色々なギミックにいちいち驚いて絶叫するイレスティがとても可愛く思わず笑ってしまう。 レイスメイドにメイド服をメイド神の教えがどうとか言ってごり押ししていたのはちょっと良くわからないが…
そんな穏やかな毎日を過ごしていたのだが…
今はテラスで三人お茶を飲んでいる。
ルーの後ろにはイレスティさんが。俺とフララの後ろにはそれぞれレイスメイドが控えている。
「それでルーメリア、大方検討はついているの?」
イレスティが入れた紅茶を口に運びながらフララが口を開く
「フララお姉様、一度国に戻った時に大体の目星はつけてきた。」
最近ルーとフララの仲が良い… 何がどうそうなってその呼び方に落ち着いたのか知らないが、俺と再会した日、二人で目を合わせ頷き合い、何処かへ行って暫くした後こうなっていた。
二人共この一週間で他人はまだ無理だが、 ルーの魅了もフララには効かなくなっていたし、魔力を使える二人なら触れ合っても問題なくなっていた、後ちょっと!
「今回の首謀者?」
べっぴんさん二人が話してるのを見て癒されながら会話に入る
「そう。 人と結託して森を荒らしまわってる首謀者。」
それを探るために報告と共に一度ルーメリアは国に戻っていたのだ。
「やっぱり貴族かしら? ある程度の装備だったし、私達が戻った時には捕らえた男たちは誰かに殺されていたみたいだしね?」
ルチルに会う前に捕らえた男たちは首を人為的に切られて死んでいた。
「そんな事一般人にはそう簡単に出来る事じゃないわ。 暗殺専門の私兵といったところかしら?」
「フララお姉様の考えている通り貴族。 目的まではわからないけど。 もう一度戻って探る必要がある」
「ルーメリアが探ると不審に感じるんじゃないかしら? 貴方が協力したらどう? いざとなったら見えなくなる魔法で屋敷にでも侵入しなさいな。」
俺の方を向き、犯罪をやんわりと強要する。
光魔法の【ステルス】は光学迷彩だ。 目には見えないが匂いや気配は残るので鋭いやつなら見つけられる。
これを開発したときは自分に震えた… 透明だぞ? 男の夢を体現したような魔法技術ではないか! あの某男の欲望を映像化して売り出している会社の透明人間シリーズをリアルで出来るんだぜ?
時間停止物は無理だとしてもこれなら… そう思っていた時代が俺にもありました… いや犯罪だからね?! 一度これつかって学校で女子の着替えを… やめておこうか…
「勝手に人の家のは入るの気が引けるけど、解決に繋がるなら協力するよ」
「あら? 乙女の部屋に入って、下着は平然と見るのにそういう事には罪悪感を感じるなんて不思議ね?」
パシられてクローゼット開けたら下着見つけただけじゃん!
「その言い方は誤解を生むと思いますよ?!」
「…ショウはセクシーなのが好きらしい」
「ルー?! ルーが言うと洒落にならないからね?」
未だキスどまりだが、周りがどう思ってるか知らないからね…
「大丈夫よ、貴方がまだ経験ないのなんて顔見ればわかるわ」
どんな顔?! 何故バレたし! 毎度思うけどこの人<アンデッドだが>絶対エスパーだわ。黒いボストンバッグに入れるタイプだわ
ルーとフララが目を合わせて上品に笑い合った。 あぁなんかいじられてるけど幸せ。
「それで貴方、南の主に呼ばれてるけど行くの?」
ルーの後ろに控えていたイレスティーがルーに紅茶を新たに給仕する。
「まぁあまり乗り気じゃないけどいくしかないでしょ… いきなりバトルなんてならないといいけど…」
「…ショウの自分からあえてフラグを立てていくスタイル。 嫌いじゃない。」
「ただ話たいだけって聞いてるわ、まさか戦闘になんてならないでしょう? まさかね…」
おい悪意を感じるぞ
「ちなみに、もしもの為に前情報何かもらえないかな?」
「なんだやる気じゃないの、何もないと思うけど、絶対に何もないと思うけど、一応ね」
もういいわ!
「南の主はいわゆるグリフォンの進化種ね、種族フレイムグリフォン。 この広大な常闇の森の空を統べてるわ。それと普通のグリフォンじゃない。 固有魔術で火と風を操れるわ。 体を炎その物にしたり、上空から一方的にやられるとちょっと厄介ね」
「うわー絶対戦いたくない…」
空中では足場もないから刀で戦うわけにもいかないしなぁ…あ、でも空間魔法で足場作れば… いやそれなら魔法戦のがいいか… って戦わねぇし!
「そういや西の主はどんな感じなの?」
「西の主は巨大な大蛇が三匹絡み合っている。 でもそれで一匹。 種族はトライデントスネーク。 大きな沼地に住んでて、頭別に水、土、毒、結界の固有魔術を使う。 辺り一帯泥沼にして身動きを取りずらくしたり、特殊な結界で相手の力を削いだり、絡め手が多い。 勿論絡めてなしでも強い。」
「うんこっちもかなり厄介だなー。 ルチルが脳筋タイプだったから何とか勝てたけど、この二体は苦戦必須だな。 そういえば四体の主の中で誰が一番強いんだ?」
「相性次第ね、図に表すとこんな感じかしら?」
うまいことバランス保ってるんだなぁ
東 西 南 北
東 ◆ △ × 〇
西 △ ◆ 〇 ×
南 〇 × ◆ △
北 × 〇 △ ◆
「でもなんでフララはルチルに負けるんだ? フララ位高位なアンデッドだと神聖属性ないと死なないだろ?」
「ルチルの牙と爪には神聖属性が宿ってるのよ、私には天敵ね、南も羽に神聖属性が宿ってるけど羽を飛ばすだけだから大したダメージはないのよ。 西は私に与える決定打がない」
「さ、そろそろ行きましょうか」
そういってフララが席を立ったので俺たちも席を立って準備する。
◇ ◇ ◇ ◇
森を二人と一匹が爆走する
俺とルーそれにフララが乗った虎型のアンデッドだ。
「そろそろよ」
見えてきたのは荒野。森の中に広い荒野が広がっていた。 辺りを多くのグリフォンが飛んでいる。
荒野に山がいくつもあり、そこに大きな穴がある。 おそらく山をくり抜いてそこで暮らしているのだろう。
一体一体が力強い目をしていて、空から俺たちを獲物のがのこのこやって来たのかと言わんばかりに品定めしていた
その鋭い爪で空から掴まれたら即死だろう。
空を旋回していたグリフォンの中から他のグリフォン達とは違うやや赤い毛並みを持った者が俺たちの前に出てきて、バサバサ、木々をなぎ倒してしまいそうな強い風と共に俺たちの前に舞い降りて来た。
「ようこそ我らの領域にショウとやら。それにフラミレッラ。 久しぶりだな。」
鷹の顔のクチバシは動いていないのだがやや渋めの男性の声だった
俺とルーは軽く頭を下げる
「ええ久しぶりね、ざっと90年ぶり位かしら?」
軽く人間の寿命超えちゃってるよ… 次会う時はもう俺死んでるんじゃね?
「早い物だな。 ん?お前少し人間臭くなったか? 前はもっと死体のようだったが? いや元々死体かワーハッハッハッ」
翼をバタバタさせて大層面白そうにフララに話す
「余計なお世話よ、貴方の不愉快さも健在ね? 更に増したかしら? 体と一緒で態度だけはデカいですものね?」
煽る煽る…
「フララ、仲悪いの?」
「何? フララだと?その女が?! ワーハッハッハッこれは面白いぞ!」
更に翼をバタバタさせる。 いや吹っ飛ぶから!踏ん張らないときついから!
「ショウとやら、お前がその腐った死体を生き返らせたのか? どんな神聖魔術だ?! いや神聖魔術をかけたらそれこそ死んでしまうな! ハッハッハッ!」
このグリフォンうざい系だわ…
フララのこめかみがピクピク動いて青筋が出来ている。【腐敗】の力漏れてますよ!抑えて!
「南の主さんとやらその辺りでもういいでしょう? 何か話があるんじゃないの? それとも物理で話す気か?」
正直俺も結構ムッと来ていた。 丁寧な言葉遣いを忘れる
グリフォンの目が鋭くなり、緊張が走る。
押さえつけられるような重圧を体全体に感じたの戦いの準備に入ると、重圧が和らいだ
「…ショウ落ち着いて。」
ルーの一声で冷静さを取り戻す事が出来た。
爪をペロペロと舐め話し出した。
「簡単な事だ、お前に協力しようと思ってな。こちらも迷惑しておるのだ。人間の世界は知らんが眷属達の羽や毛皮は高く売れるらしいからな。 大きくなったら手に負えんからと小さいうちに捕らえに来るんだ。 それに争いを望んでいるわけではない。 だがこの図体だ、人間の街に入って解決することも叶わんしな。 つまりはお前に丸投げする代わりに報酬として契約しようという事だな。」
意外とまともか…? 感情のままに人間滅ぼす!っていきなり飛び出そうとしたルチルより幾分マシか、うざいけど…
「我を使って人間への脅し、恐喝、破壊、好きにするがいい」
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「お前はそこの女と、東のを倒して召喚契約をしたんだろ?」
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マジ? あんだけ事前に戦うフラグ立てたのに空の旅と洒落込めるとは…
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「フラミレッラ、お前は待っておれ、主になる方の奥方も乗るといい」
「…奥方」
ルーは顔を赤くして俺を熱っぽく見つめる。 可愛い…
うん俺も照れ臭いよ!
「何で私だけ置いていくのかわからないのだけど、まぁいいわ。 何か考えがありそうだし。」
フララの言葉にグリフォンがふっと笑う。
グリフォンが屈んだので跨ってルーが乗るのを待っていると、フララが口を開いた。
「…オホン… 貴方こういう時はどうするか教えなかったかしら?」
ん? 何のことだ?
「ちゃんと貴方のお姫様をエスコートしなさい」
あ、言われてた
し、失礼しました!
「俺は慌てて手を差し出す。」
「考えている事と、言葉に出すべき事が逆になっているわよ」
は?!
ルーが苦笑いしながら乗るのだが… 何故前…
「ショウ、危ないからちゃんと捕まってて」
男前だよあんた! 俺のセリフだよ!
じゃあ遠慮なく、ギュッ!
ルーの女の子らしい華奢な体を感じれるように全身で包み込む。
「キャッ!」
ルーから聞いた事ない声が出た
「…当たってる」
あててんのよ!
「ごめんもルーがぞもぞするから…」
「…別に嫌じゃない」
辺りに甘い雰囲気が広がりかける
「イチャついてるとこ悪いが、そろそろ飛び立つぞ。」
そういい終わると翼をバタバタさせる。 ヘリが飛び立つ時のような激しい風が辺りに吹き、地を離れた
物凄い速さで空を飛んでいるが、二人を包んでるのは心地いい風。 広大な森を上空から見下ろしていた。
おそらく時間は夕方なのだろう、地平線に夕日が沈みかけているのが見えた。 森の中だけでしかあの赤い月は見えないという不思議。
「…綺麗…」
ルーが自然が作り出した美しい光景に息を飲み、言葉が自然と漏れていた
この世界に来て、月しかみてなかったのでとても久しく見た夕日はとても綺麗でどこか懐かしさを感じた
「空を飛ぶっていうのも、いいものだろ?」
グリフォンが誇らしそうに言うと、北の方に高速で飛んでいった。すると人の街が見えて来る。
「あそこはブレシーナの街、あれはアステルニアの王都、あっちが港町のゴルガ。」
言葉は短いがとても楽しそうに説明してくれるルーがとても愛おしいくて抱きしめる腕に力が入った。
この世界は広い。 まだまだ違う大陸も見えるし、海には船もある。そう思ったらワクワクしていた
その胸の高鳴りを背中で感じたのだろう。
「…ショウはいつか行っちゃう」
ルーが寂しそうにいう、表情は見えないのでわからない。
「あぁ… 俺はこの騒動が終わったらリールモルトを出るよ… 世界も見てみたいし、帰る方法も見つける…」
そう実はこれが終わったら出て行こうと考えていた、いつまでも世話になるわけにはいかないし。
「…そう。…私も連れてって…くれる?」
とても不安そうに、抱きしめた俺の腕を握る手に力が入った。
「無理やりにでも。 時には攫うかもしれない、そう騎士になるときに誓いを立てたよ。 俺の故郷にも連れて行くって約束もしたし」
「…そう。 ショウと会ってから時が経つのが早い。 もうすごく昔の事みたい。今でも私の色あせない大事な思い出。」
彼女は大切なものを扱うように胸の上に両手を重ねて言った。
「…ねぇショウ。 …絶対にもう一人にしないでね」
そういって上半身だけを俺の方に向け頬に手を添えキスをした。 夕日が彼女の横顔に差し込み、月の光では表現できない違った美しさが溢れ出していた。
唇の感触を楽しんで口を離し、少しすると彼女が決意したような顔で口を開く
「フララお姉様もその時は一緒に連れて行って。」
「フララも?」
「お姉様もずっと一人だった。 【腐敗】の力で誰かに触れる事も出来ず人の暖かさなんて忘れたと思う。 でもショウが現れた。 多分私達の愛は重い。 貴方がいないと生きれない程に。」
重いか…確かに重い。 元の世界じゃ受け入れてくれる人なんていなかった。 俺ももう二人なしじゃ辛い位依存してるんだよなきっと… 重いのは俺も一緒だな…
「お姉様は物分かりがいい。 きっと私に気を使って一緒に行こうとは言わない。 だけど待ってる。 だからその時になったら無理やりにでも連れてって。 私はお姉さまも大好き。 嫉妬もするけど、一緒に居たい。 それが私のお願い。」
「我からも頼む」
俺が答える前にグリフォンにも頼まれる
「我はあれが北の主などと呼ばれる前から知っておる。 あれの生い立ちもな。」
「フララが話したんですか?」
「勘違いするな、直接話したのはおそらくお主と奥方だけだろう、我が聞いたのはその側近の骸骨共からだ」
ジョレーナさん達か
「この領域に入ってきていきなり切りかかって来るわ魔術飛ばして来よってなあの骸骨共」
無駄にテンションが高い骸骨師匠とその旦那を思い出して苦笑いしてしまう。
「二人の骸骨があれを守るの必死でな、倒して理由を聞いたのだ。 その当時あれは本当に死んでおった。 心がな。」
過去の話は知っている。 俺でも絶望する。 何であの時死ねなかったんだろう、そんな悲しい事も言っていた。
なんて言葉を掛けていいかわからずただただ胸が苦しかったのを覚えている。
「それでこの森にいるうちに表情が戻ったんだが。 作り物みたいでな。 嬉しい顔、悲しい顔、怒った顔どれも偽物だった… だが久々にさっき会えばあれだ、本当に怒っておるではないか! つい嬉しくなってしまってな!」
嬉しそうに語る。
「原因はお主だろ ?会えばいつもケンカの様になるが、我にとっては娘みたいな物よ。 大事にしてやってくれ。」
めちゃくちゃいいやつだったこのグリフォン! ずっとあえて怒らせようとしてたのか… 評価爆上がりだよ!
「と言っても死体だ、どうやって大事にするのかは知らんがなワーハッハッハッ!」
前言撤回だこの野郎!
「出る時は一緒です。 おいて行ったりしませんよ! フララも無理やりにでも連れてきます。」
「頼んだぞ、それじゃあ契約するか、魔素を流してくれ」
お互いの魔素を流し契約する。
「これでお主が我の主だ、名前を付けてくれ!」
「名前……じゃあお前はベリル! これからよろしく!」
「よろしく頼む我が主よ」
暫く空の散歩を楽しみフララの待つ場所へと戻った。
するとフララが退屈そうに虎の眷属の上に上品に座っていた。
「遅かったわね、退屈すぎて帰る所だったわ」
嘘ばっかり、どんなに遅くとも待っててくれるくせに、にやにや
「なんかその顔腹が立つわね… ちゃんと契約できたのかしら?」
眷属から降りて近づいてくる。
「何とかね、それじゃあさっそくだけどリールモルトへ向かってくれる? このまま行こう」
ベリルに乗ったままお願いする
「了解した主よ」
「こんなバカでかい図体ので行けば、騒ぎになるわよ?」
フララがちょっと嫌そうだ
「…近くで降りれば大丈夫。 その方が早い。」
「失礼な奴だ、お前も乗せてやるから早くしろ。」
フララに早く乗るようにベリルが顎でクイっと促す
「はいはい、仕方がないわねそれじゃあ、首謀者の炙りだしと行きましょう」
とんでもなく悪い顔でニヤニヤして俺の後ろに乗るとギュッと抱き着いてきた
「貴方、役得ね? 美女二人に挟まれるなんて。 後ろから顔は見えないけど鼻の下伸びてるんじゃないかしら?」
はいっ!指が全部入る位伸びてます!
背中に当たるつつましいながら俺の背中を優しく包み込む暖かい柔らかな感触…
「…フララ当たってるんだが…」
「当ててるのよ」
フララ、お前もか。
ルーがそんなやり取りを聞いて前でクスクス笑い、呆れたような顔でベリルが羽を羽ばたかせ飛び立つ。
もうすっかり日が落ちた夜空の散歩を三人で仲良く楽しむ。
こんな楽しい日々がずっと続けばいい。 心からそう思った。
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