FUCKER friendS

島村春穂

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PARK What do you wanna do.

【3】

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 二人は公園の公衆トイレにはいった。見つめ合う乃蒼も、さっきまでとまるで顔つきの違う颯に戸惑っていた。たまらず反らした視線の下で、颯のズボンがふくらんでいる。目の置き場に困ったように、


「……ベンチで話していた人は彼女さんですか?」
 と乃蒼が訊いた。


 颯も、スラリと伸びた足から、頭のてっぺんまで、探るような目つきで乃蒼を見上げていった。少女たちのなかで一番背が高い乃蒼でさえ、颯の胸までしかなかった。


「ちがうよ。なんで? 気になる?」
 不安そうに、うん、と返事をする乃蒼に、


「彼女じゃないよ」
 と、颯がつづけた。わかった、と答えた乃蒼からも、


「あたしもいわなきゃいけないことがある」
 と、告白があった。今度は颯が不安そうになって、なに? と尋ねた。


「……実は、あたし、
 と、乃蒼が頬を赤くしていう。


 年のわりに妙に色っぽいのはそういうことだった。でも颯にしてみれば、ぜんぜんかまわなかった。処女はまな美で体験済みだったからだ。


 二人はたったひとつしかない個室にはいった。洋式トイレのカギは壊れていて、ちゃんと閉まらなかった。


 年下の少女とはいえ、抱き寄せた乃蒼の体は少しだけ丸みを帯びていた。どちらともなくまた見つめ合えば、乃蒼の瞳が優しく潤みだす。うっとりとしだして、酔っ払ったみたいにどんどん顔つきが変わっていった。


「こんどはゆっくりキスしてみよっか?」
 顔を近づけると、乃蒼がそっと顔をあげた。


 颯が、かがみながらキスをした。唇に押しかえしてくる弾力がある。はんびらいた口から、乃蒼の吐息が鼻にかかる。さっきあげたガムの清涼な香りがした。きっと、乃蒼にもおなじ香りがかかっているはずだ。


「舌だして。俺のように絡めあって」


「……恥ずかしいです……」


「じゃあ。いま噛んでいるガム、俺にちょうだい」
 そういって、颯は絡ませ合った舌から、乃蒼のガムを受け取った。


「できるじゃん」
 と、褒められた乃蒼の顔が真っ赤だ。


「吸ってあげる」
 と颯がいって、恥じらいながら突きだす乃蒼の舌を、ちゅ、ちゅ、ちゅ、っと唇にふくんでいった。ああ……と女らしくなってしまう乃蒼の下唇の裏にまで、颯の舌先がはいりこんでいく。まるで生き物のように這いずるその舌に冒され、吐息が甘くなっていく。重ね合う二人の唇から、ツーっと糸が引いてこぼれていった。


 お互いの鼻をつぶしながら、キスはだんだん熱っぽくなっていく。乃蒼は、首筋を張り詰めさせてくちづけをうけた。


 颯が薄目を開けても、乃蒼のほうはぎゅっと瞼を閉じたままであった。いくら初体験を済ませたとはいえ、颯と較べ経験はまだまだ浅いらしい。


 かわいらしい頬にキスをすると、くすぐったそうに乃蒼が顔をそむけた。颯がそっと顎をつかんであげさせる。ううう……とくぐもった声を洩らす乃蒼の頬を、下からべろん、と舐めあげた。


「やべ……汗おいっしい……」
 そういいながら、汗でまとまった前髪をかきあげてやり、おでこも舐めあげる。あぐぐぐぅ……と眉根を引き寄せる乃蒼へ、おかまいなしに愛撫を浴びせていく。


「顔すっげえうまい」
 とまでいわれた乃蒼の開いた目が宙をさまよっている。


「毛穴までガンミしてるよ……」
 とささやいた颯が、乃蒼の顔を両手でつつむ。


 乃蒼が、颯を見つめかえして息を荒げた。舌だして、という催促になかなか応じない乃蒼の鼻先まで、颯はおいしそうに舐めあげていく。乃蒼はびっくりして、颯を見つめたまま舌がだせない。


 颯は、乃蒼を罰するように、鼻先からおでこまで一気に舐めあげてやった。乃蒼は地団駄を踏みながら、舌腹までを突きだし、やっとさしだした。


 颯は気をよくして、その舌腹に絡まっていく。そればかりか、舌腹と舌腹を対称にくっつけるような下品なディープキスさえした。しだいに、乃蒼から鼻がかった声が洩れだす。そして唾液が絡み合う卑猥な音が、個室に溜まっていくのであった。


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