うちの息子はモンスター

島村春穂

文字の大きさ
上 下
3 / 13
息子の日課

【3】

しおりを挟む
 一度捲り上げたサマーニットはワンサイズ小さめだったとはいえ、裾野に落ちてくることがなかった。それくらい芙美子は豊乳であったし、その量感でふくよかに垂れた様子などは熟女然とした愛嬌があって、また昭和っぽい色気がある。


 海斗の瞳は、そのなかに星を散りばめたようにパッと明るくなって、ぱくぱく歯を覗かせる仕草は餌を欲しがる鯉口を思わせた。


 おしゃぶりとまではいかないが、乳房のその先端が吸ってくださいと言わんばかりに脹れ貫禄たっぷりにツンと勃ってしまっていた。羞恥のなか、芙美子はむんずと掴んだ片乳を海斗のほうへと向けた。


 いかにも行儀の悪い海斗は舌べろを伸ばして迎えにきた。


 ちゅ、ちゅちゅっちゅう――、っと噛み切られるのではないかと不安になる芙美子を余所に海斗がねこなで声で甘えてくる。


「ママンーっ……おっぱい甘いーっ」


「……そんなことないから……」
 でもそう言われると、ほんとうに母乳がでてきてしまいそうな気さえした。


「さいきんおっぱい張ってきたんじゃない?」


「……そ、そうなのかしら……」
 まさか四十路のこの歳になってこんな年下に遊ばれるなんて思いもしなかった。


 あるとき海斗に彼女を作ることを勧めてみたけれど、彼はどうやら洗練された大人の女、たとえば、髪形ひとつとっても全体に緩いパーマをかけたひし形シルエットが似合うそれもが好きなのらしい。つまりこれは芙美子本人のことであって、困ったことに、こうしたフェティシズムとは先天性のものらしい。


 一方――、芙美子は違う。完全にこのイカレタ息子のせいで年下好きが、いや――、と言うよりも少年好きが開花してしまう。


 そういえば、関係をはじめた頃、これは恥ずかしい話ではあるけれど、なんにも知らない息子にアナルを半日近く舐めさせたことがあった。そんなことを男にさせたのも、してもらったのも初めてだったし、あれから病みつきとなってしまったのだ。


 海斗をまだ子どもだと思い芙美子自身、まるで自慰をするかのように存分に本音をだせた。あわよくば都合のよい玩具にしてやろうといやらしい気持があったことは否めない。


 いまでは旦那の横で寝ているだけで嫌だ。あの匂いというか、臭いと思ってしまう。息子のアナルはぜんぜん舐められるのに旦那とだとキスをするのさえ嫌いになってしまった。


 もしかすると、息子のあの甘酸っぱくも青臭い匂いに狂ってしまったのかもしれない。それに若いと中年とは異なりおよそ馬力が違う。セックスで殺されるかと思ったのは息子が初めてだし、アレの硬さだってまるで違う。しかもだ、芙美子好みにそう育てたのだからやはり後ろ髪を引かれてしまう。そして持久力も女の愛で方も知ったとなれば誰しもが狂ってしまうだろう。


「……ママン、ママン……」


「……まったくー……」
 だから、こうも信頼されればやってあげないわけにはいかない。


 芙美子はまるでほんとうに母乳をあげるみたく吐息のたびにゆさゆさと揺れるふくらみをしぼって与えた。


 すると海斗は屈託なく両足をひろげてを預けてくる。


「こらっひろげないの……」
 と母親の顔で注意はするものの、見たくないけど意識はしてしまう。ズボンが旦那のそれよりおおきくテントを張っている。


 海斗は貪欲にニップルをみながら下から芙美子をただ一心に見つめ、顔付きまで赤ん坊のようになって安心しきっている。こうして母性を貪るさまは実の母親に捨てられてしまった海斗の遅れてきた母胎回帰だったのかもしれない。


 しかし、百歩譲って心はそうだとしても体はすっかり大人だ。ちゅーちゅーと小気味よい音を立てながら股間まで弄りだす。


「ちょっとやめなさいっ」
 こうやって叱られることさえ海斗にはどこか嬉しそうであった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

処理中です...