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極彩色情狂
二/二
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そして結局、結婚指輪を嵌めたほうの手と、もう片方の手を使って自ら肉扉をくつろげる羽目に。その様子を股ぐらの下から充の奴が覗き上げる恰好だ。しかも、先ほどと変わらないあの粘りつくような熱い視線のままでだ。そうやって注視されただけでもう荒川の膝小僧がおもしろいように振るえだした。振るえて振るえて自分ではもはやどうしようもなく、くつろげた肉扉へと伝っていく愛液が次第次第に滴りこぼれた。
二人が躰を絡ませ始めてどれくらい経つだろうか。荒川も充も、そして蒼甫だってここに居る三人全員が時間など気にかけやしなかった。確かなことと言えば、たとえば、男は火にくべられた薪で女は銅で出来た薬缶だということ。つまり一度中の慾望が沸騰してしまえば、熱の逃げ場がないということであった。
「まだ……、よく分かんないよ」
そう一言呟かれて荒川はひどく狼狽したが、意外なことにそれ以上にどういう訳か充のほうが周章狼狽していて顔つきがほんとじゃなかった。女のアソコをもっと知りたい、そしてもっと気持よくさしてあげたい、けれども、女の道具が一体全体どこがどんな風になっているのかがまるでよくわからないのだ。
「これなら、見える?」
もし相手がこの青年童貞の充でなかったのなら、おそらく荒川はこういったことは言わなかったはずだ。
膝を小刻みに振るえさせながらも、肩幅よりもずっとおおきくがに股に脚をひろげ、結婚指輪を嵌めたほうの手の平で恥骨の飾り毛を掻き上げつつ、肉扉には指をかけ、もうひとつの手でも反対側の肉扉に指さきを食い込ませて女の道具を露骨にさせた。その羞ずかしさのあまり、荒川は顔をそむけて下唇をきつく噛んだ。そして湿っぽいうめき声が喉奥に絡みつく。
「どうですか? ンン……、見えますか? ンン……」
それでも一生懸命に声を絞り出していた。どこまでも深い母性と健気な未熟女の行動に、蒼甫が吐息を静かに荒ぶらせた。しかも、充のほうから何とも羞ずかしい催促が飛びでた。
「名称を説明してくださいッス」
さすがにこのようなことは二つ返事で応えられる問題ではない。やはり荒川は躊躇して黙秘でこれをごまかそうとするけれども、「クリトリスはどれ? おしっこの穴は? そ、その、あの、い、い、入れるところってどこですか?」と、本当に興味深そうに次々と尋ねてこられる。荒川は益益困じ果てて、もはや目のやり場にさえなく泣きそうになってしまっている。何ともヘンテコなことになってきた。けれども、あの充からしてみたら、童貞というコンプレックスによってこれまでに人生を弄ばれてきた経緯があるのだから至って真剣なのだ。
「教えてください、お願いしまッす!」
そうはっきりと荒川の目を見て言いながら、充は初めて精悍な顔つきをさせた。
こんな風に強くお願いをされてしまうと往々にして女は弱い。荒川はついにほだされてしまい、身をかがめて自らのアソコを覗き込んで、保健体育さながらの個人授業をさせられてしまうのであった。
「ここが、クぅ、ぃトリス……」
恥毛を掻き上げたところが滑らかな丘のようにこんもりしている。真中の突端から肉層が捩れながら分かれてあり、指し示すように触れられた指さき辺りには包皮を突き破って覗き見えたものというのがあって、たったいま説明に挙がった女性の肉芽、つまりこれがクリトリスであった。初見のそれは充血していて赤銅色をしていた。
充は、荒川の顔とその肉芽とを交互に仰ぎ見ながら、文字どおり目を丸くさせた。言葉がでなければ、感嘆の溜息も洩れない。ただただ圧倒されるばかりであり、荒川からの次の動作をひどく息苦しそうに待つのであった。
「おしっこの穴なんてぇ、ほんとに見たいの?」と言いながらも、もはや引き返せないところまできている。肉層をくつろげた時に愛液が粘っていくのを気にしつつ、「見え、ますか? ンン」と濡れた指さきで、あるはずの場所を指し示した。
充が首を横に振る。これを見た荒川から、「アアァ……」と嘆息が漏れていった。荒川のその顔には、もう許してください、と書いてあるような狼狽ぶりだ。そんな表情さえ見られることを羞じらい、俯いて顔を逸らす。これにより頬辺に纏わりついた髪の毛で顔色が見えなくなった。がしかし、これを充がうまく逆手にとった。
状況を把握することを放棄した荒川の、がに股に空いたスペースに体を割り込んでいったのである。股ぐらのちょうど真下に充の仰ぎ見ている顔がきた。しかも、そうなったあとにその顔と目が合ってしまうから、荒川は一切の声すら出せず、無意識に吐き出そうとしたはずの息が次々と詰まった。
「よし、これならよく見えるかも」
股ぐらの真下でこんな風に喋りかけられてしまうなんて――、髪の毛で隠したはずの荒川の顔色は蒼甫の場所からだと子細に鑑賞ができた。アソコに喋りかけられた声という声が子宮孔まで届いてしまうようで、段腹が波打つほどまた息を詰まらせていた。
これ以上感じすぎることを恐れてか、股ぐらの、それも真下に入り込まれた顔に触れないように気を使うあまり、がに股の中腰の姿勢がセクシーとは程遠い滑稽なものになっていく。パンプスのさきはほとんど百八十度を向いていたし、お尻が空気椅子でもっとも辛い位置で止まっていた。膝小僧はひどく振るえ、ふくらはぎが緊張に耐えている。そして肉層をくつろげた両手はいまもなおそのまま股下にある。荒川はもうこれだけで逝きそうだ。息を詰まらせるその時々で、あの品のよい顔からはとても想像ができないような太く低い咆哮を発した。まるで盛りのついた獣のようだ。そんな迫力があった。
二人が躰を絡ませ始めてどれくらい経つだろうか。荒川も充も、そして蒼甫だってここに居る三人全員が時間など気にかけやしなかった。確かなことと言えば、たとえば、男は火にくべられた薪で女は銅で出来た薬缶だということ。つまり一度中の慾望が沸騰してしまえば、熱の逃げ場がないということであった。
「まだ……、よく分かんないよ」
そう一言呟かれて荒川はひどく狼狽したが、意外なことにそれ以上にどういう訳か充のほうが周章狼狽していて顔つきがほんとじゃなかった。女のアソコをもっと知りたい、そしてもっと気持よくさしてあげたい、けれども、女の道具が一体全体どこがどんな風になっているのかがまるでよくわからないのだ。
「これなら、見える?」
もし相手がこの青年童貞の充でなかったのなら、おそらく荒川はこういったことは言わなかったはずだ。
膝を小刻みに振るえさせながらも、肩幅よりもずっとおおきくがに股に脚をひろげ、結婚指輪を嵌めたほうの手の平で恥骨の飾り毛を掻き上げつつ、肉扉には指をかけ、もうひとつの手でも反対側の肉扉に指さきを食い込ませて女の道具を露骨にさせた。その羞ずかしさのあまり、荒川は顔をそむけて下唇をきつく噛んだ。そして湿っぽいうめき声が喉奥に絡みつく。
「どうですか? ンン……、見えますか? ンン……」
それでも一生懸命に声を絞り出していた。どこまでも深い母性と健気な未熟女の行動に、蒼甫が吐息を静かに荒ぶらせた。しかも、充のほうから何とも羞ずかしい催促が飛びでた。
「名称を説明してくださいッス」
さすがにこのようなことは二つ返事で応えられる問題ではない。やはり荒川は躊躇して黙秘でこれをごまかそうとするけれども、「クリトリスはどれ? おしっこの穴は? そ、その、あの、い、い、入れるところってどこですか?」と、本当に興味深そうに次々と尋ねてこられる。荒川は益益困じ果てて、もはや目のやり場にさえなく泣きそうになってしまっている。何ともヘンテコなことになってきた。けれども、あの充からしてみたら、童貞というコンプレックスによってこれまでに人生を弄ばれてきた経緯があるのだから至って真剣なのだ。
「教えてください、お願いしまッす!」
そうはっきりと荒川の目を見て言いながら、充は初めて精悍な顔つきをさせた。
こんな風に強くお願いをされてしまうと往々にして女は弱い。荒川はついにほだされてしまい、身をかがめて自らのアソコを覗き込んで、保健体育さながらの個人授業をさせられてしまうのであった。
「ここが、クぅ、ぃトリス……」
恥毛を掻き上げたところが滑らかな丘のようにこんもりしている。真中の突端から肉層が捩れながら分かれてあり、指し示すように触れられた指さき辺りには包皮を突き破って覗き見えたものというのがあって、たったいま説明に挙がった女性の肉芽、つまりこれがクリトリスであった。初見のそれは充血していて赤銅色をしていた。
充は、荒川の顔とその肉芽とを交互に仰ぎ見ながら、文字どおり目を丸くさせた。言葉がでなければ、感嘆の溜息も洩れない。ただただ圧倒されるばかりであり、荒川からの次の動作をひどく息苦しそうに待つのであった。
「おしっこの穴なんてぇ、ほんとに見たいの?」と言いながらも、もはや引き返せないところまできている。肉層をくつろげた時に愛液が粘っていくのを気にしつつ、「見え、ますか? ンン」と濡れた指さきで、あるはずの場所を指し示した。
充が首を横に振る。これを見た荒川から、「アアァ……」と嘆息が漏れていった。荒川のその顔には、もう許してください、と書いてあるような狼狽ぶりだ。そんな表情さえ見られることを羞じらい、俯いて顔を逸らす。これにより頬辺に纏わりついた髪の毛で顔色が見えなくなった。がしかし、これを充がうまく逆手にとった。
状況を把握することを放棄した荒川の、がに股に空いたスペースに体を割り込んでいったのである。股ぐらのちょうど真下に充の仰ぎ見ている顔がきた。しかも、そうなったあとにその顔と目が合ってしまうから、荒川は一切の声すら出せず、無意識に吐き出そうとしたはずの息が次々と詰まった。
「よし、これならよく見えるかも」
股ぐらの真下でこんな風に喋りかけられてしまうなんて――、髪の毛で隠したはずの荒川の顔色は蒼甫の場所からだと子細に鑑賞ができた。アソコに喋りかけられた声という声が子宮孔まで届いてしまうようで、段腹が波打つほどまた息を詰まらせていた。
これ以上感じすぎることを恐れてか、股ぐらの、それも真下に入り込まれた顔に触れないように気を使うあまり、がに股の中腰の姿勢がセクシーとは程遠い滑稽なものになっていく。パンプスのさきはほとんど百八十度を向いていたし、お尻が空気椅子でもっとも辛い位置で止まっていた。膝小僧はひどく振るえ、ふくらはぎが緊張に耐えている。そして肉層をくつろげた両手はいまもなおそのまま股下にある。荒川はもうこれだけで逝きそうだ。息を詰まらせるその時々で、あの品のよい顔からはとても想像ができないような太く低い咆哮を発した。まるで盛りのついた獣のようだ。そんな迫力があった。
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