凌辱カキコ

島村春穂

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凌辱カキコ

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 一度妊娠出産を経験しているだけあって、乳頭はかぐろく色づき、いまや官能に充血させられ、貫禄の佇まいですこぶる勃起し、ふるふるとさきが振るえているように見える。


 青年童貞の指腹が思いつくまま、そうした母親然とした乳頭をいびっていると、勢いあまって乳暈ごと摘まみ上げたりもした。


「きぃふぅっ」
 どうやら、こいつが一番キクらしい。荒川の奴、髪の毛をおおきく振り乱して途端にいやいやをしてみせる。蒼甫にズリネタを告白したことがある荒川の乳暈だけあって、如何にもドMといった感じでその裾野は幅ひろい。


 やがてかぐろい乳頭を味わい尽くした指脚がゆっくりとその歩幅をひろげ、乳暈を挟みあげる恰好で乳房のさきを揉みしだきだした。五指のさきが乳房にきつくめり込むと、めり込んだ肌さきがこれを跳ね返そうとするほどだから艶めくくらい弾力がある。未熟女のまろみと、十代のような固い果実の名残をいまだ要した極上の収穫時期といってよいだろう。持ち重りするほどの量感がここまでありながら、どのように乱暴に捏ねくられようと、しっとりと汗を刷いた雪白の肌は指腹によく吸いつき、愛撫が休まると凛としてあるがままの気品を取り戻す。


「たまんねえッスぅ。すべすべするッスぅ」
 荒川の背にぐいぐいまとわりつく充は、時折、目を瞑ったりして極上の弾力を感じようとそれはもう夢中であった。「おっぱいいいッスぅよ。おっぱい最高ッスぅよ」と、五指が益益爪を立て、蠕動し、また柔らかい手つきで八の字に回し揉んだりさせて様々に豊乳を玩ぶ。


 荒川は、髪の毛のカーテンでうまく顔色を隠してはいるものの、素肌を晒したどことなく頼りない肩さきや丸まった背がすべてを物語っているようであった。ここで突然、充のほうから、素っ頓狂な声があがる。


「あっ、そうだ!」
 と、どうしていままで気がつかなかったんだ、といったような悔しがり方をさせて、むんずり掴んでいた豊乳から急いで手を放した。


「童貞がぁ、いままで思っていたことぜんぶやるッスぅ」
 そう独りごちて、いきなり腕を掴まれた荒川のほうが、「……なっなにするの……」と、ようやく顔をあげた。さきほど、あれだけの顔舐めで剥がされたフルメイクは、いま上気した汗で益益崩れてしまい、乱れた髪の毛が幾筋か頬に貼りつき、額まで真っ赤にさした荒川の顔がそこにあった。


 香水とはまた別に、甘酸っぱい香りが蒼甫の鼻孔まで立ち昇ってきていた。


「やっやだ……」
 なにか勘づいたらしい荒川が抗う。


「いいから、いいから」「やっ、いやです…っ……」「どうしてぇ? 見たいッスぅ」「……いやだよぉ…ぅ……」そう言って頑なに荒川が拒否る。あれほどさんざん鼻の穴まで舐められたあの荒川が、こうも嫌ったところとは腋の下である。


「……きっ汚いから…っ……」
 そうやって荒川が哀願するのは、寧ろ、逆効果であった。


 充は、これまでになくひどく羞じらう荒川を見、俄然、欲情とアンチモラルを煽られて好奇心をそそられていた。ここまで頑なに拒むあの腋の下には一体全体なにがあるのだろうか。きっとそう思ったに違いない。だから、こんどは充のほうから哀願がでた。


「お願いっ! 見たいッスぅ。お願いしますぅ、この通りぃ、お願いしますぅ」
 と、語尾を裏がえさせて、もはや形振り構わない様子だ。


 充から、荒川に対して熱視線が送られている。荒川のほうも恐る恐る充に目を合わせた。お互いが呼吸をとめとめ、それぞれの瞳を探り合う。


 ――折れたのは、荒川のほうだ。


「……約束してぇ。少しだけですよ」と言い、「あんまり見ないでくださいね……」と、そうもう一度念を押した。うんうん、と頷き、鼻息を荒くさせ、充が二つ返事で了解した。荒川が、充から寄り添われているほうの右腕をおずおずと挙げた。が、まだ腋の下はよく見えず、ほとんど不十分だ。


「そうじゃなくて。こうしてくださいッス」


「やっやだ……」
 と、言われてもいまさらやめられるあの充ではない。荒川は、ついに無理くり両腕を高く挙げさせられ、頭の後ろで腕を組む恰好で腋の下をご開帳させられた。



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