私の担任は元世界的スター

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2人に訪れた危機

レオに起きた緊急事態

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ーーーーーーレオside




始業式が終わり職員室で職務に専念していると一人の生徒が声を掛けてきた。

呼び出しか…。
コレで何回目だ?

正体がバレてから女子生徒に呼び出され告白をされる事が増えた。1番多かったのはやはり卒業シーズン…そこからようやく落ち着いてはきたが、まぁ正直疲れるってもんだ。


俺は仕方なく女子生徒に着いて行くと、走って追い掛けてくる音に気づく。

莉緒か…
厄介な所見られるな…

防ぎようも無く無い俺は案の定、告白して来た新入生に苛立ちをぶつけてしまう。すると走って去って行く生徒…俺は莉緒に出てくる様に声を掛けたが、彼女は苛立ちをぶつけた俺に説教してきた。

そんな怒り呆れた顔すらも愛らしく思えてしまうんだから、やはり距離取るには手遅れだったのかもしれない。タバコなんかよりも何倍も俺の心を落ち着かせる莉緒の声と表情。

何気無い会話を少ししたが、近く男子生徒の声で俺は教師としての振る舞いに戻し何が言いたいことあれば倫太郎に頼るように伝えた。

この時はまさか、この日に莉緒を撫でてやらなかった事や抱き締めなかったことを後悔すると思いもせず、俺は教師としての日常に戻って行った。





それから暫くして、その日も仕事を終えた俺に元マネージャーの松居から電話が掛かってくる。松居からの電話自体はよくある事で“また引き戻しの話だろう”と面倒に感じていたが、放置すれば家にまで押し掛けそうな男だと分かっていた俺はしぶしぶ電話に出る。


「レオっ落ち着いて聞いてくれ。お前の親父さんが倒れた。ミアさんには先に連絡入れておいたが、かなり危ない状態だ。1度アメリカに帰れ」


そんな予想外の言葉に頭が真っ白になり、理解が追いつかなかった。親父が危ない?一刻を争う状態なのか?親父と言っても俺らを引き取って様々なチャンスを与えてくれた恩師だ。通話が終わると俺は直ぐに倫太郎へ電話をかけ事情を説明した。


『状況は分かりましたが、あの子への説明はどうするんです?』
「一刻を争うかもしれねぇ。俺は今から親父のところ向かうが、倫太郎は明日莉緒に落ち着いたら話すとだけ伝えてくれ。大丈夫そうならすぐ戻ってくるし、変な不安与えたくねぇからな」

『まぁ受験生ですしね、分かりました。明日にでもこちらから伝えておきますが、落ち着いたらちゃんと連絡してあげて下さいね?貴方は忘れっぽいですから』
「あぁ、分かった」


俺は数日分の荷物をまとめ直ぐに出発した。










ーーーーー莉緒side


松居さんからレオの出立を聞いた翌日、私は朝イチでパスポートを用意してもらい朝の便で飛行機に乗った。

レオがアメリカ帰ったって事
ミアは知ってたのかな?

レオが職員務めしていると報道されて以来、ミアは私にマスコミの目が行かないように連絡を絶った。

せめて進路が確定するまで…

みんな私のために色々考えてくれてる
レオもきっと…そうだと思ってた…

ホント意味わかんない。



私が飛行機から外を眺めていると、松居さんと一緒に居た外国の人が声を掛けてくる。

「話ノトオリダ。莉緒、強ィ子ココまでツイテ来た」
「え…別に強くない…です」


昨日は必死だったから話せてけど
…やっぱり知らない人と話すの無理っ!!!

はぁ、、勢いって怖いな。













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