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しおりを挟む文化祭の話が終わった頃、ずっと疑問に抱いていたことを聞いてみることにした。
「先輩…なんであの時キスしたんですか?」
先輩は驚いて声も出ないのか、何も言わずにグラスに入っていたカルーアを飲み干した。
「気づいてたんだ…」
独り言のように漏れた言葉を俺は聞き逃さなかった。
「なんでですか?ちゃんと理由を言ってください!」
別に理由なんて大体想像がつくが、やっぱり本人の口から聞きたいと思うのは我儘だろうか。
文化祭が終わった次の日、いつも通り学校があった。
流石に運動部の俺でも、連日の文化祭や準備などに疲れが溜まっていたのだろう…その日の放課後先輩とマックに行くはずだったのに、つい教室で寝てしまった。
約束の時間から30分経っても来ない俺を心配して、先輩は教室まできてくれた。
しかしぐっすり寝ていた俺は先輩の気配にすら気づかなかった。
丁度眠りが浅くなっている時に、何やら柔らかいものが当たっていると気づいた。そっと目を開けると、先輩の顔があった。遅れて、キスされているとわかった。先輩は目を閉じていたから俺が目を開けていたことに気づかなかった。
俺は急いで目を閉じると、先輩は何事もなかったように教室を出ていくとまたすぐ戻ってきた。
冷たい物が頬に当たったので、俺は思わず飛び起きた。
「ひゃっ!!」
俺の反応が面白かったのか先輩はけらけら笑っていた。
「ちょっ、先輩何するんですか!!」
先輩に抗議すると、だってどんな反応するか気になったと濁された。
それがあの時の出来事だ。
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