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第32話 悪役令嬢の末路
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もう隠し事は出来ないと思ったのだろう、ロゼッタは堰を切ったようにここに来た経緯を話始めた。
「確かに私はシュタイン様の婚約者でしたわ。でも、あの女……リィンが来てから変わってしまいましたの」
「変わった? 」
「シュタイン様ったらあの女に熱っぽい視線を向けるようになって、私と話してるときにあんな顔見たことありませんでしたわ! 」
「あー……」
納得したように声を漏らした私をロゼッタが睨み付ける。
おっと怖い怖い、でもおおよそゲームの流れと同じだ。
ひょんなことから出会ったシュタインとリィン。二人は禁断の恋と分かっていながらも惹かれ合う。
そのことに気が付いたロゼッタは嫉妬の末リィンを虐めるのだ。
そのことが致命的となりロゼッタは婚約破棄を言い渡されてしまう。……うーん、こうして改めて書いてみるとロゼッタって相当可哀想なキャラなんだな。
「それで私……つい彼女のドレスを破いたり足をかけたりしてしまいましたの……」
やることが小学生並だ!!
うわぁという表情をしたアステルを見て、ロゼッタは慌てて弁解をする。
「も、も、勿論悪いことだとは分かってますわよ! ただちょっと意地悪したくなっちゃったーなんて……」
「それでシュタイン様に婚約破棄され、第2王子であるアステル様に回されたと……」
ま、そういうことになりますわね。とロゼッタは頷く。
「俺は兄さんの代わりって訳か……」
自嘲気味に笑うアステル。
「ち、ち、ち、違いますわ!! 私はアステル様をお慕いしておりますの。実際会ってみて、話に聞いていたより何倍も男前でしたわ」
「そりゃどうも」
ふむ、確かにアステルの死亡フラグを完全に折るには令嬢と結婚というのは悪くない選択だ。
だがこの二人の相性は最悪そうである……。
「悪いがお断りさせて貰う」
「待って!! 待ってくださいませ! まだ出会ったばかりでお互いを知らないではありませんか。答えを出すのはまだ先でもよろしいのでは? 」
「俺は……」
「もしかしてアステル様にも心に決めた女性がおりますの!? 」
そこでびしっと私を指差すロゼッタ。
「もしかしてあの奴隷ではありませんよね? 」
その途端に顔を真っ赤にするアステル。
「えっ、あ、その……」
まごつくアステル。
「どうですの? 」
押すロゼッタ。
見かねた私がずいっと二人の間に割り込む。
「はいはい、私はただの家事手伝いの奴隷です。ロゼッタ様が思っているような関係ではありませんよ」
「あらそうなの、私てっきりそーいう奴隷かと……」
私はアステルに顔を近づけると、ヒソヒソと声量を下げて話しかける。
「アステル様、これはチャンスです。女性との接し方を学べる良い機会ですよ」
「じょ、女性!? ステラがいるじゃないか」
「私なんか女のカウントに入りません。アステル様は王子なのですからいつかは妻を得るでしょう。その練習です」
「……」
アステルは何か言いたげに私の瞳を覗き込んだが、そのまま言葉を飲み込んで、ただコクリと小さく頷いた。
「確かに私はシュタイン様の婚約者でしたわ。でも、あの女……リィンが来てから変わってしまいましたの」
「変わった? 」
「シュタイン様ったらあの女に熱っぽい視線を向けるようになって、私と話してるときにあんな顔見たことありませんでしたわ! 」
「あー……」
納得したように声を漏らした私をロゼッタが睨み付ける。
おっと怖い怖い、でもおおよそゲームの流れと同じだ。
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そのことに気が付いたロゼッタは嫉妬の末リィンを虐めるのだ。
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「それで私……つい彼女のドレスを破いたり足をかけたりしてしまいましたの……」
やることが小学生並だ!!
うわぁという表情をしたアステルを見て、ロゼッタは慌てて弁解をする。
「も、も、勿論悪いことだとは分かってますわよ! ただちょっと意地悪したくなっちゃったーなんて……」
「それでシュタイン様に婚約破棄され、第2王子であるアステル様に回されたと……」
ま、そういうことになりますわね。とロゼッタは頷く。
「俺は兄さんの代わりって訳か……」
自嘲気味に笑うアステル。
「ち、ち、ち、違いますわ!! 私はアステル様をお慕いしておりますの。実際会ってみて、話に聞いていたより何倍も男前でしたわ」
「そりゃどうも」
ふむ、確かにアステルの死亡フラグを完全に折るには令嬢と結婚というのは悪くない選択だ。
だがこの二人の相性は最悪そうである……。
「悪いがお断りさせて貰う」
「待って!! 待ってくださいませ! まだ出会ったばかりでお互いを知らないではありませんか。答えを出すのはまだ先でもよろしいのでは? 」
「俺は……」
「もしかしてアステル様にも心に決めた女性がおりますの!? 」
そこでびしっと私を指差すロゼッタ。
「もしかしてあの奴隷ではありませんよね? 」
その途端に顔を真っ赤にするアステル。
「えっ、あ、その……」
まごつくアステル。
「どうですの? 」
押すロゼッタ。
見かねた私がずいっと二人の間に割り込む。
「はいはい、私はただの家事手伝いの奴隷です。ロゼッタ様が思っているような関係ではありませんよ」
「あらそうなの、私てっきりそーいう奴隷かと……」
私はアステルに顔を近づけると、ヒソヒソと声量を下げて話しかける。
「アステル様、これはチャンスです。女性との接し方を学べる良い機会ですよ」
「じょ、女性!? ステラがいるじゃないか」
「私なんか女のカウントに入りません。アステル様は王子なのですからいつかは妻を得るでしょう。その練習です」
「……」
アステルは何か言いたげに私の瞳を覗き込んだが、そのまま言葉を飲み込んで、ただコクリと小さく頷いた。
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