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第3話 アステルの末路
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あれやこれやという間に屋敷に連れ来られた私。
排泄物もろくに掃除されていなくて汚くて臭い牢とは違ってすっごく良い匂いがする。
ふかふかのソファに座らされたものの、堅くて冷たい床しか知らなかった私は何だかそわそわしてしまう。
深呼吸をしてみる。うん、空気が美味しい。
あのジメジメしていた牢の中とはえらい違いだ。
私の真正面に座っているアステルは依然として不機嫌そうだ。
こう改めて見るとびっくりするぐらい整った顔立ちをしているな、と私はふと思う。
攻略対象であるシュタイン王子は金髪碧眼のTHE 王子様といった容姿だったが、アステルは黒髪長髪で確かに悪役王子という言葉がぴったりくるかもしれない。そして鋭い目つきや目の下の隈も彼の悪役度を一気に上げているのだった。
しかし彼の夜空をそのまま閉じ込めたような深い青い瞳は私は嫌いではない。
ただ驚くほど細い体やぼさぼさに伸びきった髪はいかがかと思う。
せっかくイケメンなのだからもっとちゃんとすれば良いのに。
「……あの話は本当か? 」
声が小さい。
耳が良い私でなければ聞き取れないだろう。
「へ? 」
やべ、アステルを冷静に分析していた内容は聞いていなかった。
「俺が処刑されるという話だ。さっき話していただろう」
「え、えーっと、その話なんですが……」
実はですね、ここは乙女ゲームの世界で私はこの先の展開を知っているんですよHAHAHA!
……なんて信じて貰えると思えない。頭のおかしい女だと思われて終わりだ。
しかしそれを言わなければただの妄想に囚われた頭のおかしい奴隷だ……。
このままではどっちにしろやばい奴ではないか!!
「言え。何故そんなことが分かる」
アステルの目はマジだ。変なことを言ったらその場で切り殺されてしまうほどの気迫を感じる。
ここはとってつけた嘘を言ってもバレてしまうだろう。
「分かりました……全てお話します」
そうして私はここがゲームの世界だということは隠して、起こりうるイベントの内容を全てを話した。
アステルは兄シュタインに嫉妬の果てに兄の恋人に手を出そうとし、拒絶さえ、激高して彼女を傷つけてしまう。そのことを知ったシュタインに処刑されてしまうということを。
そしてアステルの名前は王家の汚点としてなかったことにされてしまう。まるで最初からそんな人物がいなかったかのような扱いを受けるのだ。
優秀な兄への嫉妬に狂った哀れな弟。それがアステルというキャラクターの最終評価であった。
排泄物もろくに掃除されていなくて汚くて臭い牢とは違ってすっごく良い匂いがする。
ふかふかのソファに座らされたものの、堅くて冷たい床しか知らなかった私は何だかそわそわしてしまう。
深呼吸をしてみる。うん、空気が美味しい。
あのジメジメしていた牢の中とはえらい違いだ。
私の真正面に座っているアステルは依然として不機嫌そうだ。
こう改めて見るとびっくりするぐらい整った顔立ちをしているな、と私はふと思う。
攻略対象であるシュタイン王子は金髪碧眼のTHE 王子様といった容姿だったが、アステルは黒髪長髪で確かに悪役王子という言葉がぴったりくるかもしれない。そして鋭い目つきや目の下の隈も彼の悪役度を一気に上げているのだった。
しかし彼の夜空をそのまま閉じ込めたような深い青い瞳は私は嫌いではない。
ただ驚くほど細い体やぼさぼさに伸びきった髪はいかがかと思う。
せっかくイケメンなのだからもっとちゃんとすれば良いのに。
「……あの話は本当か? 」
声が小さい。
耳が良い私でなければ聞き取れないだろう。
「へ? 」
やべ、アステルを冷静に分析していた内容は聞いていなかった。
「俺が処刑されるという話だ。さっき話していただろう」
「え、えーっと、その話なんですが……」
実はですね、ここは乙女ゲームの世界で私はこの先の展開を知っているんですよHAHAHA!
……なんて信じて貰えると思えない。頭のおかしい女だと思われて終わりだ。
しかしそれを言わなければただの妄想に囚われた頭のおかしい奴隷だ……。
このままではどっちにしろやばい奴ではないか!!
「言え。何故そんなことが分かる」
アステルの目はマジだ。変なことを言ったらその場で切り殺されてしまうほどの気迫を感じる。
ここはとってつけた嘘を言ってもバレてしまうだろう。
「分かりました……全てお話します」
そうして私はここがゲームの世界だということは隠して、起こりうるイベントの内容を全てを話した。
アステルは兄シュタインに嫉妬の果てに兄の恋人に手を出そうとし、拒絶さえ、激高して彼女を傷つけてしまう。そのことを知ったシュタインに処刑されてしまうということを。
そしてアステルの名前は王家の汚点としてなかったことにされてしまう。まるで最初からそんな人物がいなかったかのような扱いを受けるのだ。
優秀な兄への嫉妬に狂った哀れな弟。それがアステルというキャラクターの最終評価であった。
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