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1年生・春
第15話 入学式は暇である
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あ、ちなみにゼノも私と同じDクラスだ。彼の能力ならSクラスも余裕だろうに、きっとわざわざ私に合わせてくれたのだろう。結構良いとこあるじゃん。
Dクラスになったと聞いたときの両親の落胆ぶりは凄かったが、最終的には今いる環境で頑張りなさいと応援してくれるようになった。まぁ聖女になるつもりなんてさらさらないので適当に暮らして、親に申し訳ないので一応卒業だけはしとこうと思っていたのだが……。
2年生への進級条件がかしこさ:100
今の私のかしこさは2……。
50倍もかしこさを上げなければ2年生になれないってどういうこと?
いや、普通の人なら楽々クリアできる条件なのだが、私が少々アホ過ぎるのだ。
そう、私は留年の危機に瀕していた。
まぁ1年間あればなんだかんだかしこさも上がるだろう、そんな根拠のない自信をつけてしまった私は、式の開始を待つ為にDクラスの待機場所に座り込むのだった。
すると
「あーら、ユノ=ルーンベルグ様じゃない」
この意地悪そうな声は……。
「あ! テンプレ女! 」
そこにいたのはマリーを虐めていたあの金髪巻き髪女だった。
「テンプレ……? 何のことか分かりませんが私にはローズ=フィオネクトという高貴な名前が……」
「へー」
そんなことよりお腹空いたな。後で学食を探検してみようか。
後でゼノを連れて学食食べ尽くしの旅でもしようか。
「へーって……、それより貴女、この私の赤色のネクタイが目に入りませんの!? 」
「赤……? ああちょっと派手だけど似合ってるんじゃない? 」
ネクタイのことを褒めて欲しくてわざわざ話しかけてきたのだろうか? 相当暇なんだろうな。
「そうではなくて! 私はAクラス、貴女はDクラス! この意味分かりまして? 」
そういえば赤色のネクタイはAクラスの証だったっけ。どうでも良すぎてすっぽり頭の中から抜け落ちていた。
「凄いじゃん、おめでとう」
「えへへ、ありがとうございますわ……じゃなくて、貴女、あのルーンベルグ家の血を引きながらDクラスだなんて恥ずかしくありませんの? 」
「別に」
きっぱり言い切る私。コケるローズ。
「あのねぇ、貴女はあの勇者と共に魔王と戦ったとされる伝説の聖女、ルーンベルグの子孫なのですよ! そんな貴女がDクラスだなんて先祖に申し訳ないと思いませんの? 」
ルーンベルグって人名だったのか……。初めて知った。
魔王と戦ったってことなら私だって負けてないぞ、と口には出さないけど内心そう呟く。
どーりですれ違う新入生に憐みの視線やクスクスという笑いをぶつけられたわけだ。
私、結構有名人だったんだな。
すると、丁度入学式開始の合図を告げる鐘が鳴り響いた。
良かった、これでめんどくさい女から解放される。
「じゃ、私はこれで」
どさくさに紛れて逃げようとした私の逃げ道を塞ぐと、ローズはニタニタといやらしい笑みを浮かべる。
「ふふん、ルーンベルグ家も堕ちたものね。貴女がどの程度いけるのか楽しみにしてるわ、精々頑張って足掻くが良いわ。ま、無駄でしょうけど」
おーほっほっほっとこれまたテンプレな笑い声を上げてローズは去っていた。こんなベタベタなキャラ設定しといて恥ずかしくないんかと私は逆に問いたい。
ま、何はともあれ面倒な奴から解放されたのだから良しとしよう。
Dクラスになったと聞いたときの両親の落胆ぶりは凄かったが、最終的には今いる環境で頑張りなさいと応援してくれるようになった。まぁ聖女になるつもりなんてさらさらないので適当に暮らして、親に申し訳ないので一応卒業だけはしとこうと思っていたのだが……。
2年生への進級条件がかしこさ:100
今の私のかしこさは2……。
50倍もかしこさを上げなければ2年生になれないってどういうこと?
いや、普通の人なら楽々クリアできる条件なのだが、私が少々アホ過ぎるのだ。
そう、私は留年の危機に瀕していた。
まぁ1年間あればなんだかんだかしこさも上がるだろう、そんな根拠のない自信をつけてしまった私は、式の開始を待つ為にDクラスの待機場所に座り込むのだった。
すると
「あーら、ユノ=ルーンベルグ様じゃない」
この意地悪そうな声は……。
「あ! テンプレ女! 」
そこにいたのはマリーを虐めていたあの金髪巻き髪女だった。
「テンプレ……? 何のことか分かりませんが私にはローズ=フィオネクトという高貴な名前が……」
「へー」
そんなことよりお腹空いたな。後で学食を探検してみようか。
後でゼノを連れて学食食べ尽くしの旅でもしようか。
「へーって……、それより貴女、この私の赤色のネクタイが目に入りませんの!? 」
「赤……? ああちょっと派手だけど似合ってるんじゃない? 」
ネクタイのことを褒めて欲しくてわざわざ話しかけてきたのだろうか? 相当暇なんだろうな。
「そうではなくて! 私はAクラス、貴女はDクラス! この意味分かりまして? 」
そういえば赤色のネクタイはAクラスの証だったっけ。どうでも良すぎてすっぽり頭の中から抜け落ちていた。
「凄いじゃん、おめでとう」
「えへへ、ありがとうございますわ……じゃなくて、貴女、あのルーンベルグ家の血を引きながらDクラスだなんて恥ずかしくありませんの? 」
「別に」
きっぱり言い切る私。コケるローズ。
「あのねぇ、貴女はあの勇者と共に魔王と戦ったとされる伝説の聖女、ルーンベルグの子孫なのですよ! そんな貴女がDクラスだなんて先祖に申し訳ないと思いませんの? 」
ルーンベルグって人名だったのか……。初めて知った。
魔王と戦ったってことなら私だって負けてないぞ、と口には出さないけど内心そう呟く。
どーりですれ違う新入生に憐みの視線やクスクスという笑いをぶつけられたわけだ。
私、結構有名人だったんだな。
すると、丁度入学式開始の合図を告げる鐘が鳴り響いた。
良かった、これでめんどくさい女から解放される。
「じゃ、私はこれで」
どさくさに紛れて逃げようとした私の逃げ道を塞ぐと、ローズはニタニタといやらしい笑みを浮かべる。
「ふふん、ルーンベルグ家も堕ちたものね。貴女がどの程度いけるのか楽しみにしてるわ、精々頑張って足掻くが良いわ。ま、無駄でしょうけど」
おーほっほっほっとこれまたテンプレな笑い声を上げてローズは去っていた。こんなベタベタなキャラ設定しといて恥ずかしくないんかと私は逆に問いたい。
ま、何はともあれ面倒な奴から解放されたのだから良しとしよう。
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