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1年生・春
第14話 嬉し恥ずかし新生活
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いよいよ今日から待ちに待った寮生活が始まった。
ちなみにゼノは私の双子の弟として一緒の寮に入ることに成功した。
反対されなかったのかって? どうもゼノが魔法で何か色々いじっているらしく、気持ち悪いぐらい周囲はすんなり受け入れてくれた。
いやー、魔法というものは怖い。
何はともあれ、私の思い通りになったのだから良いとしよう。
「いやいやいや!!! なんで僕がお前と同じ部屋なんだよ! 」
同じ部屋だと告げたときのゼノの慌てぶりは異常だった。
というか入寮日になって初めて告げた。すっかり言うのを忘れていたのだ。
「え~? だって一応私たちは双子の姉弟ってことになってるんだから同じ部屋じゃないとおかしいでしょ」
「あのなぁ!! 僕は一応男なんだぞ。もっと危機感持ってくれよ! 」
「危機感? なーに寝込みでも襲う気? 」
寝首かかれるのも悪くはない。いやむしろ大歓迎だ。
「バカバカ!! そんな下品ないことするもんか! 」
顔を真っ赤にして否定するゼノ。
そんな必死にならなくても……。
「しないの? 何だつまんない」
「お前本当に良いとこの令嬢なのかよ……」
呆れたようにため息を吐くゼノ。そう言われてもね……前世の記憶が戻ってしまったものは仕方ない。
「まーまー、ほらベッドも綺麗だしキッチンも広いよ! そうカリカリしないでよ」
私は屋敷から持ってきた荷物を整理しながらゼノに言い聞かせる。
これでもし、やっぱり魔王城に戻る!! なんて言いだされたら面倒なのでここは話題を変えるしかないと思ったのだ。
ゼノはぶすっと唇を尖らせたまま不意に口を開いた。
「……お前、気持ち悪くないのかよ。僕角生えてるし、普通の人間とは違う見た目なんだぞ」
私は思わずきょとんとゼノを見つめてしまった。
「ゼノは角のない私を気持ち悪いって思うの? 」
「お、思うわけないだろう!! 」
「だよね、私も思わないよ。見た目なんて些細なこと、どーでもいいよ。そんなことより荷ほどき手伝って~!! 荷物が多すぎ」
「あ、ああ」
茫然としていたゼノが我に還ったように動きだした。
あんだけ文句言ってたのにやけに素直に手伝ってくれる。どーしたんだ……心変わりか?
「やっぱお前は凄いね。僕じゃ一生勝てそうにないよ」
「当たり前じゃん」
「……ってお前これ下着!!! 」
ゼノが開いたカバンの中に入っていたのは私の下着類。あ、ここに入っていたんだ。忘れたかと思って焦ってしまった。
顔をゆでだこのように真っ赤にしたゼノは大騒ぎだ。
「あー、ここにあったんだ。適当にタンスにぶち込んどいて」
「いやいや!!! 僕にやらせるなよ、自分でやってくれ!! 」
「下着ぐらいでびーびー騒ぐなようるさいな~」
私はゼノから下着を受け取るとさっさと着替え始める。いや~、この学園の学生服は肌を覆うようなローブのようなものなのだが、これがまた動き辛過ぎて仕方がない。
動きやすさを重視するなら下着一枚に限るな
「ななななななな!!!!???」
壊れたラジオのように「な」を繰り返すゼノ。いよいよおかしくなってしまったのだろうか。
「やっぱこの恰好が一番楽だわー」
んー、と伸びを一つ。うん、やっぱりこの恰好が快適だ。
「服を着ろーーーーーー!!!! 」
耳元で怒鳴られる私。思わず飛び上がってしまった。
「うっさい!! 急に大きな声出さないでよ! 」
「女としてちょっとは恥じらいぐらい持ってくれ!! 」
屋敷のお母さまより口うるさい……。
「まさか、私を弱体化させようとしてる!? 服着せて戦闘力を下げたところを襲わせるつもりじゃ!? 」
「何でそういう方向にばかり考えがいくんだよ! 」
あ、違うの?
なんだつまらない。
「じゃ良いじゃん、そう堅いこと言わずにね? 」
ゼノはもう呆れた様にがっくりと肩を落とした。
「かしこさ2はこれだから……」
あれ? 私ゼノにステータス教えたっけ?
かしこさ2を弄られると流石の私も何も言えなくなるのだった。
ちなみにゼノは私の双子の弟として一緒の寮に入ることに成功した。
反対されなかったのかって? どうもゼノが魔法で何か色々いじっているらしく、気持ち悪いぐらい周囲はすんなり受け入れてくれた。
いやー、魔法というものは怖い。
何はともあれ、私の思い通りになったのだから良いとしよう。
「いやいやいや!!! なんで僕がお前と同じ部屋なんだよ! 」
同じ部屋だと告げたときのゼノの慌てぶりは異常だった。
というか入寮日になって初めて告げた。すっかり言うのを忘れていたのだ。
「え~? だって一応私たちは双子の姉弟ってことになってるんだから同じ部屋じゃないとおかしいでしょ」
「あのなぁ!! 僕は一応男なんだぞ。もっと危機感持ってくれよ! 」
「危機感? なーに寝込みでも襲う気? 」
寝首かかれるのも悪くはない。いやむしろ大歓迎だ。
「バカバカ!! そんな下品ないことするもんか! 」
顔を真っ赤にして否定するゼノ。
そんな必死にならなくても……。
「しないの? 何だつまんない」
「お前本当に良いとこの令嬢なのかよ……」
呆れたようにため息を吐くゼノ。そう言われてもね……前世の記憶が戻ってしまったものは仕方ない。
「まーまー、ほらベッドも綺麗だしキッチンも広いよ! そうカリカリしないでよ」
私は屋敷から持ってきた荷物を整理しながらゼノに言い聞かせる。
これでもし、やっぱり魔王城に戻る!! なんて言いだされたら面倒なのでここは話題を変えるしかないと思ったのだ。
ゼノはぶすっと唇を尖らせたまま不意に口を開いた。
「……お前、気持ち悪くないのかよ。僕角生えてるし、普通の人間とは違う見た目なんだぞ」
私は思わずきょとんとゼノを見つめてしまった。
「ゼノは角のない私を気持ち悪いって思うの? 」
「お、思うわけないだろう!! 」
「だよね、私も思わないよ。見た目なんて些細なこと、どーでもいいよ。そんなことより荷ほどき手伝って~!! 荷物が多すぎ」
「あ、ああ」
茫然としていたゼノが我に還ったように動きだした。
あんだけ文句言ってたのにやけに素直に手伝ってくれる。どーしたんだ……心変わりか?
「やっぱお前は凄いね。僕じゃ一生勝てそうにないよ」
「当たり前じゃん」
「……ってお前これ下着!!! 」
ゼノが開いたカバンの中に入っていたのは私の下着類。あ、ここに入っていたんだ。忘れたかと思って焦ってしまった。
顔をゆでだこのように真っ赤にしたゼノは大騒ぎだ。
「あー、ここにあったんだ。適当にタンスにぶち込んどいて」
「いやいや!!! 僕にやらせるなよ、自分でやってくれ!! 」
「下着ぐらいでびーびー騒ぐなようるさいな~」
私はゼノから下着を受け取るとさっさと着替え始める。いや~、この学園の学生服は肌を覆うようなローブのようなものなのだが、これがまた動き辛過ぎて仕方がない。
動きやすさを重視するなら下着一枚に限るな
「ななななななな!!!!???」
壊れたラジオのように「な」を繰り返すゼノ。いよいよおかしくなってしまったのだろうか。
「やっぱこの恰好が一番楽だわー」
んー、と伸びを一つ。うん、やっぱりこの恰好が快適だ。
「服を着ろーーーーーー!!!! 」
耳元で怒鳴られる私。思わず飛び上がってしまった。
「うっさい!! 急に大きな声出さないでよ! 」
「女としてちょっとは恥じらいぐらい持ってくれ!! 」
屋敷のお母さまより口うるさい……。
「まさか、私を弱体化させようとしてる!? 服着せて戦闘力を下げたところを襲わせるつもりじゃ!? 」
「何でそういう方向にばかり考えがいくんだよ! 」
あ、違うの?
なんだつまらない。
「じゃ良いじゃん、そう堅いこと言わずにね? 」
ゼノはもう呆れた様にがっくりと肩を落とした。
「かしこさ2はこれだから……」
あれ? 私ゼノにステータス教えたっけ?
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