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第6回 魯智深、瓦官寺に仏・夜叉と対峙すること
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桃花山に転がりこんだ魯智深、しばらく楽しくやっていましたが、だんだんと退屈になって参りました。何しろスケールのでかい坊さんですので、ちっぽけな山賊とりでは居心地が悪いし、だいいち親分の李忠が彼の目にはひどく吝嗇(けちんぼ)にうつります。
「兄貴が豪快すぎるんだよ。おいらは貧乏が長かったからな。先々まで考えて節約してるのさ」
盗賊でなければ見上げた考えですが、とうぜん智深は面白くありません。山を降りると言い出しました。
「ようし、なら弟と一緒にちょっと餞別を稼いでくらあ」李忠と周通、手下をつれて旅商人を襲いにいってしまいました。
智深、留守番ぐみと酒盛りして待っていましたが、ふと「やっぱりケチな野郎だ。ここにこれだけ金銀財宝があるのに、ワシには下でかすめ取ったやつしかくれんという。いいさ、ワシは自分で餞別をえらぼう!」
やおら立ち上がると拳固をつくっていきなり左右のものをポカリ!またポカリ!留守番連中をみんな伸ばしてしまうと、いままで飲んでいた金杯銀杯にあわせて金目のものをそっくりまとめ、風呂敷づつみにしばります。
さあ下山するかと大股で飛び出した智深、「あっいけねえ!このまま道なりに降りたら李忠たちとはち合わせだ!さてどうするかな」
小手をかざしてあたりを見回せば、ほかの三方は断崖、まさしくとりでには絶好の立地ですが、感心しているときじゃありません。
面倒になった花和尚、「もういいや、飛び降りちまえ」手近の崖からまずは錫杖をコロコロ、風呂敷に頭陀袋もゴロゴロ。さいごにわれとわが身をまるめて投げ出せば、またたく間にふもとまで転がって、幸運にも傷ひとつありませんでした。
「うまくいった!さ、旅をつづけよう」
そうとは知らず意気揚々と引き上げてきた李忠と周通、すっかり荒されたとりでを見ると目を白黒させて「あのクソ坊主!むちゃくちゃしやがる!」と悔しがりましたが、まあこの話しはこの辺で。
東京めざして旅の空の魯智深。金ばなれが良いのも考えもので、何処でどうすったのか、せっかく桃花山で拝借した財宝はあっという間にすっからかん。またもとの貧乏坊主に戻ってしまいました。当人いっこう気にしておりませんが、そうは言っても霞くらう仙人でもなし、お金がなければ食べられません。
腹をすかしてやって来たのは赤松林というところ。樹齢ウン百年というアカマツが生い茂っております。
「なんとまあ、ものすごい奇観だな」
だいたいこういう景勝地には、仏教の道場がつきもの。ここにも確かにありました。古ぼけた扁額に刻まれた名は、“瓦官ノ寺”。
「助かった、何かめぐんでもらおう」
勇んで入ったところ、物を知らぬ魯智深にもすぐにわかることが。「やあ、ついてない。ここは廃寺だったか」
いたるところに朽ちた柱、崩れた土塀、大昔にはそれはもう立派な伽藍だったろうことは見て取れます。
「だいぶ自然にかえりつつあるなあ。南無南無、人間のやることなんて精々こんなもんか」
と、どこいらからかいい匂いがいたします。「おっ、まだ人がいるな」
煙のもれる庫裡の戸をはじけんほどに開け放つと、中には痩せっぽちの老人たちが数名。
「失敬、ちょっとお斎をご馳走してくれい」つかつか進むと、おんぼう窯にかかったほとんど汁のようなお粥に手を伸ばし……ところが老人たちが必死で止めます。
「どうか許してくだされ、わしら三日ぶり、ようやっとの食事なんですじゃ」
智深、「うるさい、拙僧だって死にそうなんだよ」と怒鳴りますが、涙をためた爺さまがたの哀れな姿、これでは粥ものどを通りません。「わかったわかった、泣くな。わけを話してくれ」
聞けばまたしても悲惨なおはなし。
「この瓦官寺ともうすところは、百年まえは天子さまもご来駕あるような格の高い御堂でござった。それが寺領を失ってからは衰亡の一途、いつしか廃墟同然となって久しゅうおざる。わしらは寺の役僧で残った塔中をほそぼそ管理しておりましたが、数ヶ月まえからタチの悪い雲水二名が現れて、建屋をぜんぶ乗っ取ってしまいました。刃向かったもんはみな斬り殺され、わしらは庫裡でどうにか生きとるわけで」
そうこうする間に向こうの中庭に話題のふたりがやって来て、女性に酌をさせながら景気良く酒盛りなどはじめています。
「見えますかいな、床机にすわった僧服すがたが“生鉄仏の崔道成”。立っとる行者ふうのが“飛天夜叉の丘小乙”。ふたりとも札付きの悪党、化け物みたいなすご腕じゃ」
「しゃらくせえ、そんならワシが始末してやる」
ぱっと踊りでた魯智深、ずかずか庭へと歩いていきます。
こちらは悪党二名、へんな坊さんが怒り顔で近づいて来るのでとっさの機転、にこやかに応対します。
「おお、御坊はどちらから見えられた」
「みっともねえ猿芝居はよしな、こっちはぜんぶご存知なんだ」
「ははあ、さては掘ッ立て小屋の坊主もどきに一杯くわされましたな。まあお掛けなさい。いいですか、事情があべこべなのです。ぞろぞろやってきて寺を奪ったのはあっちの方。愚僧こそ州の要請であらたに赴任した僧籍のもの。やつらときたら、夜な夜なあすこから忍び出てまた塔中を取り返そうとする。ほとほと手を焼き困りはて、檀家のご婦人といま相談しておったところです」
花和尚、すなお一直な男ゆえ、うんうんと聞いているうちにすっかり信じこんでしまいました。カンカンになって庫裡に喚き入ります。
「やいやい、よくもだましてくれたな!」
「ああ、坊さま、だまされたのはあんたの方だわ。よくよく見んしゃい、わしらとあやつら、どっちが良いもんを食っとるか」
「あッ!ワシとしたことが!」
急いでとって返すと、崔道成はもう戒刀片手にござんなれ、という構え。
「さっきは丸腰だったからひやひやしたぜ」
ニヤリと笑って打ちかかります。花和尚、がっきと錫杖で受けとめ間合いをはかりますが、どうも背後にいやな気配がいたします。
そこでわざと大音声に「ハッ!」と叫ぶと生鉄仏、一撃がきたものと飛び退きます。そのすき後ろを振り返れば、あぶない!隠れていた丘小乙の刀が横なぎに一閃してきました。杖もて撥ねあげことなきを得ましたが、まさに前門の虎、後門の狼、はさみうちの形勢となって、じりじり追い詰められてゆきます。
智深、常ならばふたりはおろか二百人にも遅れをとらぬ腕前ながら、いまはとにかく腹が減って力が出ません。そんな状態で錫杖を振り回したものですから余計に腹はすく、頭に血がいかず足もとはフラフラ、これでは闘いになりません。ふたたび「ヤッ!」と大喝して牽制すると、隙をついて逃げ出すことにいたしました。
「おおい、クソ坊主!怖気づいたか、かえせかえせ!」
敵は橋のたもとまで小走りにやって来てさんざ悪態つきますが、真剣に追っかけてはきません。二度のハッタリが効いているようです。
さて智深、なんとかふもとの松林まで逃げおおせ、疲れた体を大の字にして寝っ転がっておりますと、持ち前の義侠心からか後追いでムラムラと怒りが込み上げてきました。
「ちくしょう、俺はいつもいつもこれだ。いま見捨てていけば、寺に残った爺さんたちはどうなる。さりとて舞い戻ったら返り討ちだ。まったく情けないやら悔しいやら!」
と。そのとき林のむこうで「……チッ。はずれだ」と舌打ちする声が聞こえました。
「しめた!人間がちかくにいるな。これぞ仏さんのたすけ!」
魯智深がばと跳ね起きるや、声のしたほうに走りより、「出てこい、出てこい!」と呼ばいます。老松のかげから飛び出て来たのは編笠かぶった若者。あまり上等そうな身なりじゃありませんが、背に腹はかえられません。
「おい!なんでも良いから食い物をよこせ!」
若者からからと笑います。
「坊さんがたかりとは世も末だな。俺は山賊だよ!」
「誰だって構うもんか!無いなら金でもいいぞ」
「こいつめ、坊主を斬るのは罰があたるから嫌だが、こんな破戒僧なら良いだろう、覚悟しやがれ!」
若者は野太刀を抜くと構えに入ります。智深、錫杖ふりあげ挨拶がわりに「おうっ!」と獅子吼してみせますが、若者びくともたじろがず、二人はしばしのにらみ合いののち、猛然と打ち合いをはじめました。
「兄貴が豪快すぎるんだよ。おいらは貧乏が長かったからな。先々まで考えて節約してるのさ」
盗賊でなければ見上げた考えですが、とうぜん智深は面白くありません。山を降りると言い出しました。
「ようし、なら弟と一緒にちょっと餞別を稼いでくらあ」李忠と周通、手下をつれて旅商人を襲いにいってしまいました。
智深、留守番ぐみと酒盛りして待っていましたが、ふと「やっぱりケチな野郎だ。ここにこれだけ金銀財宝があるのに、ワシには下でかすめ取ったやつしかくれんという。いいさ、ワシは自分で餞別をえらぼう!」
やおら立ち上がると拳固をつくっていきなり左右のものをポカリ!またポカリ!留守番連中をみんな伸ばしてしまうと、いままで飲んでいた金杯銀杯にあわせて金目のものをそっくりまとめ、風呂敷づつみにしばります。
さあ下山するかと大股で飛び出した智深、「あっいけねえ!このまま道なりに降りたら李忠たちとはち合わせだ!さてどうするかな」
小手をかざしてあたりを見回せば、ほかの三方は断崖、まさしくとりでには絶好の立地ですが、感心しているときじゃありません。
面倒になった花和尚、「もういいや、飛び降りちまえ」手近の崖からまずは錫杖をコロコロ、風呂敷に頭陀袋もゴロゴロ。さいごにわれとわが身をまるめて投げ出せば、またたく間にふもとまで転がって、幸運にも傷ひとつありませんでした。
「うまくいった!さ、旅をつづけよう」
そうとは知らず意気揚々と引き上げてきた李忠と周通、すっかり荒されたとりでを見ると目を白黒させて「あのクソ坊主!むちゃくちゃしやがる!」と悔しがりましたが、まあこの話しはこの辺で。
東京めざして旅の空の魯智深。金ばなれが良いのも考えもので、何処でどうすったのか、せっかく桃花山で拝借した財宝はあっという間にすっからかん。またもとの貧乏坊主に戻ってしまいました。当人いっこう気にしておりませんが、そうは言っても霞くらう仙人でもなし、お金がなければ食べられません。
腹をすかしてやって来たのは赤松林というところ。樹齢ウン百年というアカマツが生い茂っております。
「なんとまあ、ものすごい奇観だな」
だいたいこういう景勝地には、仏教の道場がつきもの。ここにも確かにありました。古ぼけた扁額に刻まれた名は、“瓦官ノ寺”。
「助かった、何かめぐんでもらおう」
勇んで入ったところ、物を知らぬ魯智深にもすぐにわかることが。「やあ、ついてない。ここは廃寺だったか」
いたるところに朽ちた柱、崩れた土塀、大昔にはそれはもう立派な伽藍だったろうことは見て取れます。
「だいぶ自然にかえりつつあるなあ。南無南無、人間のやることなんて精々こんなもんか」
と、どこいらからかいい匂いがいたします。「おっ、まだ人がいるな」
煙のもれる庫裡の戸をはじけんほどに開け放つと、中には痩せっぽちの老人たちが数名。
「失敬、ちょっとお斎をご馳走してくれい」つかつか進むと、おんぼう窯にかかったほとんど汁のようなお粥に手を伸ばし……ところが老人たちが必死で止めます。
「どうか許してくだされ、わしら三日ぶり、ようやっとの食事なんですじゃ」
智深、「うるさい、拙僧だって死にそうなんだよ」と怒鳴りますが、涙をためた爺さまがたの哀れな姿、これでは粥ものどを通りません。「わかったわかった、泣くな。わけを話してくれ」
聞けばまたしても悲惨なおはなし。
「この瓦官寺ともうすところは、百年まえは天子さまもご来駕あるような格の高い御堂でござった。それが寺領を失ってからは衰亡の一途、いつしか廃墟同然となって久しゅうおざる。わしらは寺の役僧で残った塔中をほそぼそ管理しておりましたが、数ヶ月まえからタチの悪い雲水二名が現れて、建屋をぜんぶ乗っ取ってしまいました。刃向かったもんはみな斬り殺され、わしらは庫裡でどうにか生きとるわけで」
そうこうする間に向こうの中庭に話題のふたりがやって来て、女性に酌をさせながら景気良く酒盛りなどはじめています。
「見えますかいな、床机にすわった僧服すがたが“生鉄仏の崔道成”。立っとる行者ふうのが“飛天夜叉の丘小乙”。ふたりとも札付きの悪党、化け物みたいなすご腕じゃ」
「しゃらくせえ、そんならワシが始末してやる」
ぱっと踊りでた魯智深、ずかずか庭へと歩いていきます。
こちらは悪党二名、へんな坊さんが怒り顔で近づいて来るのでとっさの機転、にこやかに応対します。
「おお、御坊はどちらから見えられた」
「みっともねえ猿芝居はよしな、こっちはぜんぶご存知なんだ」
「ははあ、さては掘ッ立て小屋の坊主もどきに一杯くわされましたな。まあお掛けなさい。いいですか、事情があべこべなのです。ぞろぞろやってきて寺を奪ったのはあっちの方。愚僧こそ州の要請であらたに赴任した僧籍のもの。やつらときたら、夜な夜なあすこから忍び出てまた塔中を取り返そうとする。ほとほと手を焼き困りはて、檀家のご婦人といま相談しておったところです」
花和尚、すなお一直な男ゆえ、うんうんと聞いているうちにすっかり信じこんでしまいました。カンカンになって庫裡に喚き入ります。
「やいやい、よくもだましてくれたな!」
「ああ、坊さま、だまされたのはあんたの方だわ。よくよく見んしゃい、わしらとあやつら、どっちが良いもんを食っとるか」
「あッ!ワシとしたことが!」
急いでとって返すと、崔道成はもう戒刀片手にござんなれ、という構え。
「さっきは丸腰だったからひやひやしたぜ」
ニヤリと笑って打ちかかります。花和尚、がっきと錫杖で受けとめ間合いをはかりますが、どうも背後にいやな気配がいたします。
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智深、常ならばふたりはおろか二百人にも遅れをとらぬ腕前ながら、いまはとにかく腹が減って力が出ません。そんな状態で錫杖を振り回したものですから余計に腹はすく、頭に血がいかず足もとはフラフラ、これでは闘いになりません。ふたたび「ヤッ!」と大喝して牽制すると、隙をついて逃げ出すことにいたしました。
「おおい、クソ坊主!怖気づいたか、かえせかえせ!」
敵は橋のたもとまで小走りにやって来てさんざ悪態つきますが、真剣に追っかけてはきません。二度のハッタリが効いているようです。
さて智深、なんとかふもとの松林まで逃げおおせ、疲れた体を大の字にして寝っ転がっておりますと、持ち前の義侠心からか後追いでムラムラと怒りが込み上げてきました。
「ちくしょう、俺はいつもいつもこれだ。いま見捨てていけば、寺に残った爺さんたちはどうなる。さりとて舞い戻ったら返り討ちだ。まったく情けないやら悔しいやら!」
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魯智深がばと跳ね起きるや、声のしたほうに走りより、「出てこい、出てこい!」と呼ばいます。老松のかげから飛び出て来たのは編笠かぶった若者。あまり上等そうな身なりじゃありませんが、背に腹はかえられません。
「おい!なんでも良いから食い物をよこせ!」
若者からからと笑います。
「坊さんがたかりとは世も末だな。俺は山賊だよ!」
「誰だって構うもんか!無いなら金でもいいぞ」
「こいつめ、坊主を斬るのは罰があたるから嫌だが、こんな破戒僧なら良いだろう、覚悟しやがれ!」
若者は野太刀を抜くと構えに入ります。智深、錫杖ふりあげ挨拶がわりに「おうっ!」と獅子吼してみせますが、若者びくともたじろがず、二人はしばしのにらみ合いののち、猛然と打ち合いをはじめました。
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