世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実

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幸せな気分になる粉

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このところヘスニルの街は少しおかしな空気に包まれている。
春を迎えたこの季節は、作物の種や苗を売りに来た商人で賑わうのはいつものことだが、それ以外にも正体を隠している集団の姿がそこかしこで目に付く。
ローブで身を包んだり質素な服装を纏うなどして一般人の中に溶け込もうという意図があるのだろうが、視線や体つきからとても一般人とは言えない様子が感じられ、誰の目から見ても明らかに浮いた存在となっていた。

街の住民からすると得体のしれない人間が紛れ込んでいると不安になるのだが、怪しい風体とは裏腹に住民とのトラブルは起こさず、金払いもいいということもあって今のところは街への滞在が許されていた。
これらの存在に守備隊や騎士団は何もしていないのかというとそんなことは無く、誰よりもその存在に対して最初に対応し、その結果問題はないと判断するに足る理由が発覚し、そのまま放置しているのだ。
では彼らを監視することもせずに放置する理由とは何か?

実は今ヘスニルの街にはお忍びで正体を隠して訪れている貴族たちがいた。
街中で見かける、身元を隠すようにして潜む彼らはそれぞれが仕える主の護衛であり、今現在は街中で待機をしているというわけだ。
これらの貴族がお忍びで訪れた理由、それはトレント変異種の討伐に関係していた。




トレント変異種の討伐によってその死体は分割されて馬車に積んでヘスニルの街に運び込まれ、一部は王都の魔術協会が研究用に欲しがっていたのでそちらに送り、残りはここで活用法を考えることになった。
ギルドの倉庫を一つ占有するほどの量が積み上げられた変異種の部位を前に、集まったギルドお抱えの職人は何に使うのかを話し合っている。
「やっぱり杖の材料には向かないか?」
「ああ、魔力伝導率は普通の木とほとんど変わらないそうだ。魔道具にも向かんな」
「工芸品にも向かんぞ。材料として使うには柔らかすぎるらしい」
「おいおい、そうなるともう薪に使うぐらいしかないぞ」

職人たちが変異種の死体の利用法に悩んでいるのを俺とパーラは室内の隅に用意されているテーブルセットに腰かけながら眺めていた。
なぜ俺達がここにいるかというと、討伐に加わった身として意見を求められることもあるので、こうして待機しているのだ。

本当はここにギリアムとコンウェルが加わるはずだったのだが、2人ともギルドからの呼び出しが来る前にこの街を離れていたので、俺とパーラだけが捕まってしまった。
確かに仕事が立て込んでいたというわけではなかったが、それでもやることはあったので正直乗り気ではなかった。
ただこれはギルドからの依頼ということなのでちゃんと報酬も発生しているため、全くの損というわけではない。

魔物の素材を加工することに関しては専門家と言えるギルドの職人が持て余すぐらいにトレント変異種の素材は扱いに困っている。
トレントは成長する過程で吸収した養分の種類によってその性質を変える魔物であるが、その性質によってどんなものに加工するかを判断するのは彼らの仕事だ。
とはいえこうして聞く限りでは何に加工したらいいのか困っているようだが、残る一人がその答えを持ってきてくれるのを祈るのみだろう。

「皆さんお待たせしました」
ギルドのホールへとつながる扉が開き、その向こうから聞きなれた女性の声が響いて来た。
この場にいる全員の視線を集めながら歩いてくるメルクスラは、いくつかの書類と手籠を持ってこちらに向かってくる。

トレント変異種は魔物とはいえ木であるため、森の民であるエルフのメルクスラになら何かわかるかもしれないと分析を頼んでいたようだ。
こうしてここに来たということは何かしらの報告が出来る程度には分かることが出来たということになる。
エルフの視点から見た素材の利用方法が聞けるかと、自然とメルクスラの元へと集まりだした。
俺達も話を聞こうとその中に交じってみた。

「こちらで色々と試した結果、この素材はトレント種に共通する素材の使い方では向いていないことが分かりました」
その意見ならここにいる全員が共有していることなので特に何か発言することは無く、全員がその先を無言で待つ。
「なので原点に立ち返り、そもそも変異種となる原因となったアプロルダの卵の効能から考えてみた結果、この素材には媚薬としての効能が確認できました」
おぉ、という感嘆の声が周りから上がる。
これまで使い道がないのではと危惧されていた素材に、光明が差し込んだようだ。

「それでその媚薬としての効能ってのはどれぐらいなんだ?少なくとも巷に出回ってる媚薬なんかより強力じゃなけりゃ店には卸せないぞ」
メルクスラの言葉を受け、職人の中でリーダー格と思われる壮年の男性が疑問を口にした。
変異種の素材という稀少さから、市場で普通に売られている媚薬と同じ値段で売られることは避けたいが、効能が普通のそれと大きな差異がないとなれば高値を付けることは出来ない。
だがそこは流石稀少性が高いだけあって心配はいらかった。

「問題ありません。試験的に作った媚薬はかなり強力なものです。素材の全体量から考えても、市場に流してもそれなりの需要を満たせるでしょう」
そう言って手に持っていた書類を近くにいた職人に手渡す。
次々と人々の手を渡り、俺の元へと書類が回って来た。
横から覗いてくるパーラと一緒に内容を目で追ってみると、変異種の素材である木片を使って犯罪者に投与実験を行った結果が書かれていた。

犯罪者として捕らわれた女性に砂粒ほどの大きさに削った物を投与したところ、投与してからすぐに人目もはばからず嬌声を上げながら自慰行為に耽り、半日ほど自慰行為を続けて最後には体力が完全に尽きて気絶したようだ。
中々ショッキングな内容が書かれているが、横から見ているパーラにはその内容が半分ほども理解できていないようで、首を傾げていたがそれでいい、これは子供が見るのは刺激が強すぎる。
俺は見た目は子供、中身は大人だからいいんだよ。

「一般に流通させるなら、一度の使用量が問題になるでしょう」
「確かにな。砂粒の大きさ程度で気絶するまで効果が続くってのはまずいぞ。これ以下の投与量に調整できなかったのか?」
「あれはあくまでも効果を図るための実験でしたから」
俺達が書類に見入ってた間に話は進んでいたようで、変異種の素材を流通させるうえでの問題点の話し合いに焦点は移っていた。

恐らく砂粒の大きさが最小単位なのだろうが、その大きさですら酷いことになったのだから流通させるのは些か難しいかもしれない。
下手をすれば劇薬と同じ効果を発揮することになるものが簡単に手に入らないようにするためにこうして話し合っているのだ。

いかに効果を薄めて販路に乗せるかを話し合っている中に、俺は思いついたことを口出ししてみた。
「別に単体で売る必要はないのでは?」
俺の発言は思いの外響き渡り、その場の全員の視線が向けられた。
その中で最初に反応したのはメルクスラだった。

「どういう意味でしょう?」
「いや、ですから強力すぎてそのまま媚薬として使うのが難しいなら薄めればいいんですよ」
「薄めるとは、水でですか?それは難しいでしょう。この素材の媚薬の成分は水に溶けないですから」
なんと、既に希釈方法を実験していたのか。
どんだけ有能なんだよ。

「水に溶けないならより細かい粉末状にして他の物、例えば普通に薬師が扱う滋養強壮剤などを混ぜるといいかもしれませんよ。そうすれば嵩増しにもなるし、一回の摂取量も抑えられますから」
そこまで話すと、周りにいる人たちは真剣に耳を傾けているようで、好奇心が滲んだ目が俺を取り囲む。

そこから何度かされた質問に答えていくと、最終的に俺の提案がそのまま採用される運びとなった。
粉末の媚薬を100倍以上に希釈したものを摂取することで、体に無理な負担がかかることなく使用できるはずなので、商品になる際には媚薬1に対して栄養剤100を混ぜたものを少量ずつに小分けして売られることになるそうだ。
一応混ぜる薬の組み合わせに関しては薬師にちゃんと相談して合う物を探すことを言い含め、俺が知る薬師としてバスヌを紹介しておいたが、誰に依頼するかを強制することは出来ないので、あくまでも助言程度にとどめておいた。

こうして変異種の素材の使い道に関する話し合いは一応終わったが、この後の細かい調整に関してはギルドの仕事だ。
俺が出した意見によって、緊急の話し合いが目の前で開かれ始めたので、そこに加わる必要のない俺とパーラは早々に場を辞し、帰ることにした。
帰り際に、メルクスラからまた後日にという言葉を投げかけられたので、もう一回呼び出されるのかと思うと少し面倒くさいという気持ちが湧き上がってしまったのは仕方ない事だろう。





それからしばらく経つと、街中におかしな連中を見かけるようになり、それと前後するように新しく開発された媚薬を求めて人が集まるようになってきた。
商人は言うに及ばず、明らかに高位の貴族の物と思われる馬車もかなりの数が街中で見かけられた。

何となくその光景の発端に心当たりがあった俺達は面倒ごとを避けるためにどこか遠くに長期間拘束される依頼を求めてギルドへと向かったが、そんな俺達の動きを読んでいたルドラマは使いをよこし、丁重でありながら有無を言わせない形で俺達は領主の館へと連行されていった。
既に顔見知りとなった門番と身振りだけで挨拶を交わし、すぐにルドラマの執務室へと向かわされた。
パーラは途中で現れたメイドに連れて行かれたが、恐らくセレンの所だろう。
室内では若干の疲労の色が漂う様子のルドラマが待ち受けており、その視線は俺を射抜くように捉えていた。



「―とまあ、そんなわけで今この街には相当な数の貴族連中が集まっている」
ソファで対面している俺にルドラマは今この街で起こっていることを詳細に説明してくれた。

トレント変異種の素材を使った媚薬が完成し、それをいよいよ市場に流通させようという段になって、ルドラマからストップがかけられる。
実は先行して完成されていた媚薬を受け取っていたルドラマだったが、自分で使うこともないので王家への献上品として王都へと送った結果、新しく画期的な媚薬をエイントリア伯爵家が開発したという噂が貴族の中で一気に広まってしまい、それを求めてヘスニルの街に人が集まるという事態に陥ってしまったのだそうだ。

ある貴族は腹心の配下を派遣し、またある貴族は出入りの商人に調達をさせるためにヘスニルに送り込み、さらには待つことすら出来ずに自ら乗り込んでくる貴族まで現れた。
爵位の大小にかかわらず、あらゆる身分の思惑が渦巻くヘスニルの街は、一種異様な空気が漂っている。
これほどまでに媚薬に貴族がこだわるのは、やはり跡継ぎは多い方がいいというこの世界の風潮も当然あるのだが、大概の貴族は複数の妻を持つ者が多く、その為にこういった薬を欲しがる連中はかなり多い。
ちなみにルドラマはセレンだけを妻としているが、伯爵という身分で妻が一人というのは珍しいケースだ。

そんなわけで、今ヘスニルの街を収めるルドラマは街中にいる貴族やその従者の安全にも気を配るという、かつてないほどに治安に気を配る必要があった。
「お話は分かりましたが、何故俺を呼び出したんでしょう?」
「特に用はない。わしが忙しい原因の発端を作ったお前に愚痴を言いたかっただけだ」
そんな理由で俺を呼び出すとか、どうかしてるぜ。

ルドラマの傍若無人ぶりに戦いていると、執務室のドアがノックされ、執事のヤノスが入室して来た。
ヤノスは俺の姿を見ると軽く一礼し、すぐにルドラマの傍に行き何やら耳打ちをしている。
その行動から俺が聞くのはまずいことを話しているのだろうと思い、二人から注意を逸らしてテーブルの上のお茶に手を伸ばす。
一口すすると何度かご馳走になっている馴染みの味であるが、他のお茶と違ってやはり高級品なのだろうか、普通の店舗や家で出されるお茶とは香りが段違いにいい。
出来るなら手元にこの茶葉を備蓄しておきたいぐらいだ。

そんなことを考えていると、ルドラマ達の話は終わり、俺に声が掛けられた。
「アンディ、呼び出しておいてすまんが客が来てしまった」
「いえ、ルドラマ様もお忙しいのは理解していますので」
「わしは相手が出来んが、セレンに会って行ってくれ。あやつもお前の顔を見たいと言っておったからな」

本当に忙しいようで、ルドラマはヤノスを連れてさっさと執務室を出て行ってしまった。
セレンに会えとは言われたが、いま彼女がどこにいるかわからない状態ではそれも叶わないのではと思うも、すぐにメイドが現れてセレンの元へと案内してくれた。

先を歩くメイドに付いて行きながら館の中を走り回る役人たちの姿につい目がいってしまう。
以前はそれほど忙しそうに動く人たちの姿が見えることは無かったのだが、今はすれ違う人全員が例外なく走っている様子から、本当に忙しいのだなと思わせられた。
案内された先は館の中庭で、以前エイントリア一家と俺とパーラでちょっとしたお茶会をしたことがある場所だった。
セレン達はお茶でも飲んでいるのかと思っていると、庭に置かれたテーブルには誰もおらず、どこにいるのかと庭に目を向けると、少し離れた場所にある花壇にセレンとパーラのしゃがんでいる背中を見つけた。

近付いて行くと、どうやら花の世話をしながら会話をしているようで、伯爵夫人であるセレンが土いじりをしているのは意外だったが、聞こえてくる声は楽しそうなものなので、好きでやっているのだろう。
「セレ―」
「だからパーラちゃんもいざとなったらアンディを押し倒しちゃいなさい」
「うん、押し倒します」
「ちょ、何を教えてんですか!?」

会話の全部は聞いていないが、それでもセレンがろくでも無いことをパーラに吹き込んでいることは理解できるので、強く注意しておく。
「あら、いらっしゃいアンディ。少し待って頂戴。もうすぐ終わるから、そうしたらお茶にしましょう」
「いや、普通に流さないで下さいよ。何ですか、さっきの会話は」
「大丈夫よ、アンディには関係ない話だから」
「俺の名前が出てたじゃないですか。…あまりパーラに変なことを吹き込まないでください」
「変なことじゃないわ。いつか来る日のための助言よ。ねー」
「ねー」
顔を見合わせて笑いあうセレンとパーラの様子から、完全に男の俺が切り込める隙間は無いようで、もやもやとしたものを抱えたまま引き下がるしかなかった。
しかし本当に親子と見紛うほどに仲がいいな。
そのことに関しては悪い事じゃないが、パーラにはあまりセレンに吹き込まれたことを鵜呑みにすることはして欲しくないものだ。



「新しく出回ってるあの薬、私の知り合いにも使った人がいたわね。すごく効果があるって喜んでたわよ」
土いじりを終えて中庭に備え付けのテーブルに移動し、メイドが用意したお茶を飲みながら話に上るのは、今このヘスニルの街をホットな話題の中心地に押し上げている媚薬に関してだった。
セレンは伯爵夫人という立場から頻繁に茶会やパーティに参加することがあるため、そこで話題に上がるのが今ルドラマが扱っている媚薬だった。
まだそれほどの数が出回っているわけではないが、その恩恵にあずかったごく少数の人間の口から上る評判はどれも絶賛するものばかり。

自然と貴族の間ではエイントリア伯爵家に何とか融通してもらおうと裏から手を回すようになっていったのだそうだ。
「なんで正面切って頼まないんです?」
「だってそうしたら自分は子作りをする力がもうありませんって喧伝するような物でしょ?だからこっそりと欲しがるの」
貴族のメンツってやつか。
子作り一つをとっても大変なんだなぁ。

「そんなわけで夫は今面会を希望する貴族たちの相手で大忙し、動けない自分の名代にマクシムを領地の各所に行かせてるのよ。ごめんなさいね、そんなわけだからマクシムは今ここにいないの」
「いえ、元気にしているならそれで」
マクシムも伯爵家の嫡男としての活動を活発に行う様になってきているようだ。

「それでその人が言うにはね、薬の使い方が面白いって話してくれたのよ。薬って言ったら普通口から飲むでしょう?でもその薬は藁を使って鼻から吸引するんですって」
「ぶほぉあっ!」
「ひゃっ、アンディ汚い!」
驚いて吐き出してしまったお茶のしぶきが隣に座っていたパーラにかかってしまったようで、席から一瞬で飛びのいてこっちを睨んでいる。
「えほっごほっうぇっ…、すまんパーラ。セレン様、その薬の吸引法って…」
「大丈夫?…そのやり方の方が効きやすいらしいわよ。夫もその方法をちゃんとバスヌという薬師から説明を受けて、薬を引き渡す際にしっかり伝えたみたい」

そう言えばギルドで話をした時に鼻から吸引するといいってのは話した気がする。
しかしあの時話したのはあくまでも概念の話で、こんな藁をストローにして吸引するという、覚せい剤のような使い方に辿り着くとは予想もしていなかった。
断片だけの情報でそのスタイルを編み出す辺り、バスヌの薬師としての見識の高さが窺える。

「ちなみにセレン様、今例の媚薬の価格ってどれくらいかわかりますか?」
「まだ今の時点ではお金は取っていないそうよ。暫くは無償で提供したあとで本格的に売り込むつもりみたい」
なるほど、まずは使わせてみてその効果を体験してからというわけか。
なかなかいい考えだ。
「売り出すなら薬包一つで銀貨7枚、7万ルパはするんじゃないかしら。まあ実際は色々と上乗せされてもっと高くなるでしょうけど」

薬包一つに2~3gグラムが入っているとして1g当たり銀貨3枚、原材料の稀少性を考えるとこの値段が高いのか安いのかよくわからんが、転売の可能性を考えると今ルドラマが設定しようと考えている値段が末端価格ということか。
最初はタダで薬を使わせて、次から欲しくなったら金をとる。
ますます覚せい剤と似た感じだな。

とはいえ、メルクスラから聞く限りでは肉体的な依存性は無いし、使い道が使い道なので常用することは無いと思うので、悪用されないように気を付けさえすれば問題はないだろうと思う。
危険性の高い薬を貴族連中にバラまくほどルドラマも馬鹿ではないしな。

「それにしてもあの薬も何か名前を決めた方がいいのかしら。いつまでもあれとか例の薬とかじゃ呼びづらいわね。いっそのこと幸せになる薬とかにしましょうか?」
「セレン様、その名前だけはいけない」
いかがわしさがすごいな。
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