世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実

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待ち伏せ

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太陽が真上に上る頃、街から離れた草原を人影の乗せられた馬が速足で駆けていく。
草原を抜け、景色を荒れ地が占め始めると、目的地まではもうすぐだ。
俺は馬に乗れないので、誰かの後ろに乗せるということになったのだが、立候補したのはコンウェルだった。
俺としてはメルクスラの後ろに乗りたかったんだが…。
いや、別にやましい気持ちじゃないよ?
体重が軽い方に同乗した方が馬の消耗も少ないからね。ほんとだよ?

いつのまにやら同行する冒険者の間では俺が参謀的な位置に祭り上げられており、安全の為にコンウェルの後ろに乗せられた。
俺は最後までメルクスラの後ろに乗ることの利点を説明していたが、呆気なく却下された。
参謀的存在って偉くないの?



目的地に到着すると、潜伏場所を探す。
理想はある程度の高さがあって、向かいに低めの足場があるのが望ましい。
完璧を求めるとキリがないが、ある程度妥協して潜む。
高い方の丘には俺とコンウェルを始めとする攻撃班兼水撒き係が計7名。
向かいの少し低い丘には、メルクスラとその護衛が計5名。

アプロルダの動きを知るために、斥候役の冒険者を偵察に行かせて大分経つ。
待つだけの時間とは実に長く感じる。
先程までは小声で話をする余裕もあったが、時間が経つと段々と口数が減って行き、今では誰も口を開かない。

1時間ほど経ったころに、道の向こうから馬蹄の音が近付いてきた。
アプロルダの偵察に行かせていた者だ。
見下ろす俺たちに向けてハンドサインで合図を出す。
俺は簡単な意味しかわからないが、他の冒険者が通訳してくれた。
「目標がこちらに接近中、接触までもう少しだそうだ」

その声に全員が頷きを返し、向かいのメルクスラ達にも合図を送り、その時を待つ。
水は大人がすっぽり入る大きさの大樽を4つ用意した。
といっても持ってきたのは空の樽で、中身はここに着いてから俺が充填した。
その光景を見て他の冒険者は呆れた顔をしていたが、メルクスラだけは険しい顔をしていた。
理由を尋ねてもなんでもないの一点張りで教えてくれなかったが、怒っている感じじゃなかったのでスルーした。

徐々にアプロルダの歩く音が振動と共に近付いてきた。
まだ姿が見えないのに俺たちがいるところまで振動が伝わってきている。
道の向こうから現れた体は優に10メートルは超えており、尻尾まで含めると15メートルはある。
アプロルダとしては大きい個体か。
トカゲの一種と聞いていたが、見た目はほとんどワニだな。
体は緑色の堅そうな鱗で覆われていて、ナイフの様な牙と爪はどす黒い色をしており、一度振るわれれば人間など紙切れのように切り裂かれそうだ。
歩く速度はあまり早くなく、一歩一歩踏み締めて歩く度に振動で重量感が伝わってくる。

生半可な武器ではあの堅そうな鱗に通りそうもなく、人間の持てる武器では有効な攻撃方法を見いだせない。
魔術での攻撃も通じそうなのは火魔術くらいだろうが、それでも確実に倒せるとは思えない。
俺のレールガン擬きならあるいはと思うが、連射できるのは2発が精々、しかもある程度近づく必要もある。
加えてあの巨体だ、脳か心臓等の重要な臓器を明確に狙う必要がある。
トカゲの生命力を考えると安全に倒すには骨が折れそうだ。

一人ならともかく、今回は大人数での討伐だ。
俺は補佐に回り、一番重要な止めを刺す役はコンウェルにやってもらう。
コンウェルは本来は剣士だが、今は特大のポールアックスを持ってきている。
黄一級は伊達ではなく、得意な武器以外も一通り扱えるとのこと。
これはギルドから貸与されたもので、打撃の際の衝撃を一点に集中させる効果を持つ魔道具なのだそうだ。
これを使ってアプロルダの首を断ち切るのだと意気込んでいた。


もうじき俺達の潜む場所の下を通り掛かると言うところで、アプロルダがピタリと止まった。
もう数メートル先が樽を落とす位置にベストなのに。
まさか、気付かれたのだろうか。
全員に緊張が走る。
周囲を睥睨しているその動きに目が離せないでいると、ある一点を凝視し始めた。
その方向はメルクスラ達が潜んでいる丘の方向だ。

仕方なくここで仕掛けようとすると、後ろから肩を掴まれて制止された。
振り向くと険しい顔で首を振っている。
「コンウェルさん、まさか見殺しにしろと?」
「違う、あれだ。見ろ」
そう言ってメルクスラ達のいる丘の方へと顎をしゃくってみせた。

見ると、丘の麓から一匹の熊が飛び出して来た。
魔物ではないが、かなりの大きさの体からは信じられない程の俊敏な動きだ。
「土熊だ。この辺りにはよくいるやつだよ」
コンウェルはメルクスラ達以外が狙われている事に気付いていたので俺を止めたのか。

アプロルダの存在に恐怖し硬直していたが、そこを見つかり一か八かで飛び出したのだろう。
だがその甲斐空しく、アプロルダの前足の一撃で上半身を吹き飛ばされて絶命した。
殺した獲物を捕食するかと思ったが、それに見向きもせずに歩き出した。

俺達の潜伏に気付かれていなかったことに安堵の息を吐き、再びタイミングを計る。
ズシンズシンと響く振動に揺られて、今か今かと待ち続ける。
ゆっくりとした歩みにイライラが募りはじめた時、遂にその瞬間が来た。

「今です!」
羽扇を用意するべきだったか。
右腕を真横に振って俺が出した合図で一斉に下へと向けて樽の中身がぶち撒けられていく。
突然真上から水を掛けられたアプロルダは驚き、俺達の方を睨み付けた。
その凶暴性から何かをされたと判断して俺たちのいるところへと上がってこようとする。
だが、その眼前に突然土壁がせり出して来た。
俺がたった今作った防壁だ。
これは予定通りなので他の冒険者にも伝えていたが、目の前で突然起きたことにやはり驚きは隠せないようで、感心する声や口笛を吹く音なども後ろから聞こえた。

それに一瞬驚き怯んだ隙に、メルクスラの風魔術がアプロルダを襲う。
使う魔術は冷たい風を重視したものを頼んでおり、吹き付ける向きもなるべく高高度の上空から真下に叩きつけるようにとお願いした。
こうすることで少しでも冷たい空気を当てたかったが、見事に成功したようで、こちらにまで冷たい空気が流れてくる。

一気に冷やされたアプロルダの動きはどんどん鈍って行き、今ではもう動けないでいる。
頃合いと判断し、コンウェルに向き直り、頷く。
それに頷きを返し、コンウェルが丘を下り、途中に俺が即席で作った踏切板を使い、高く飛び上がった。
俺としては上手く狙えるのかと疑問に思ったが、そこは流石高ランク冒険者、空中で体を上手く使い、さらに縦に一回転し遠心力を加えたポールアックスをアプロルダの首元へ叩き込んだ。
アプロルダの足が地面に僅かに沈んだことが今の一撃の重さを物語っている。
動物の体から出る音とは到底思えない轟音と、硬いものが砕ける音が響く。
恐らく鱗を砕きポールアックスの刃が食い込んだのだろう。

成功したと思い、その場の全員が歓声を上げたその時。
アプロルダが今までにないほど暴れだした。
手足をばたつかせ、尻尾を振り回し、当たった周りの岩が礫になって散らばっていく。
想定以上に硬い鱗に阻まれ、首を切断するに至らなかったようで、仕留めきれなかったその巨体を滅多矢鱈に振り回して暴れている。
コンウェルは首に刺さったままの武器に捕まっている状態で振り回されていたが、やがて限界が来たのか手を放してしまい遠くの方へと振り飛ばされてしまった。

アプロルダの性格上、自分に攻撃を加えたと思う敵を見逃すはずもなく、実際その通りにコンウェルへと目標を定めて歩き出した。
地面を転がるコンウェルを助けようと、他の冒険者達が下へと降りていき、注意を引く為にアプロルダへと攻撃を加えていく。

爪や牙に触れるとまずいので、距離を取った攻撃が主体となるが、遠距離攻撃の手段を持たない者は足や口が届かない位置を重点的に攻撃する。
当然そんなことで倒せるわけもなく、注意を引くので精一杯だった。
だがその時間稼ぎでコンウェルを助け出すことに成功し、今は撤退の機会を窺っている。
全員がコンウェルの所に移動して、防御陣形を組みながら少しずつ後退している時、俺は丘を駆け下りていた。

このまま撤退もやむなしと思ったが、アプロルダの首に刺さったままのポールアックスを見て、いい手を思いついた。
早速実行へと移すために、なるべく大きめな岩を見つける。
いい具合に丸くて重さもある、直径3メートルぐらいの岩を丘の斜面に沿って転がす。
土魔術で向きを修正するガイドレールを作りながら走って付いて行く。

途中でこちらを見るメルクスラと目が合い、ハンドサインを送る。
出したサインの意味は『魔術』と『補助』の2つだけ。
それに頷きを返したのを確認し、丘の中腹に土魔術で岩を集めて角度を付けたジャンプ台を作る。
そこへ転がしていた岩を誘導し、アプロルダの直上へとスキージャンプの要領で飛ばした。

飛び出す直前にメルクスラに送ったハンドサインで見事に合わせてくれたようで、上空で風を操って岩の位置を調整し、アプロルダの真上で落下を開始した。
ドンドン加速していき、ついにはアプロルダの首へと岩を直撃させた。

大地を砕くほどの衝撃と轟音が砂煙を生み出し辺りを覆っていく。
やがて風に流されて砂煙が晴れたその場には、首を見事に切断されたアプロルダと、目の前で起きた事への理解が出来ずに、呆然と立ちすくむ冒険者達の姿だけがあった。


俺が考えたのは、アプロルダに刺さったままのポールアックスへ岩の重量に落下のエネルギーを加えて首を切断してしまおうという作戦だ。
岩の直撃を受けたポールアックスは、衝撃を一点に集中させるという効果を発揮し、巨大質量と落下エネルギーの生み出す莫大な衝撃を余すことなく首の切断へと導いた。
転がしやすい岩と、土魔術を使える俺という最高の組み合わせが威力を発揮した結果だ。

成功する確率を考える暇もない、咄嗟に思い付いたアドリブだらけのやり方だが、他に方法がないのだからやるしかなかった。
本作戦の肝である、メルクスラの風魔術による落下位置の調整も見事にやってのけてくれた。
これ以上ないほどに最良の結果だ。

上手くいったことで気が抜けて、その場に座り込んでしまった俺の耳に、冒険者達の上げる歓声が聞こえる。
その声に引かれ、俺も下に降りて近づいていくと、すぐに囲まれてもみくちゃにされた。
「すげーぞ、アンディ!ほんとにやっちまったな」
「あれも作戦通りか?」
「もうおしまいだと思って覚悟を決めたとこだったんだ」
「よくあんなこと考え付くな。いっぺん頭の中が見てみたいぜ」
等々。
口々に俺に感謝と賛辞を送ってくる声に、罪悪感で一杯になる。
即興の作戦で運任せでした、なんて言えるか?
いい具合に勘違いしてくれているんだから、そのままにしておいたほうが皆の精神衛生上いいはず。
そこへコンウェルが冒険者の一人に肩を貸してもらいながら近づいてきた。

「お疲れ様です、コンウェルさん。体はどうですか?」
「ああ、大丈夫だ、問題ない。幸い右足と肋骨を痛めただけだ。歩く分には問題ないが、戦闘は無理だな」
確かに右足を庇って歩いているようだ。
わいわい騒いでいるところへメルクスラも合流する。

「皆さん、お疲れ様でした。これから報告へ戻りますが、全員でとはいきません。ほとんどの方にアプロルダの死体の警備に残ってもらいますが、怪我人とその護衛だけで戻ります」
そう言ってコンウェルを見る。
実際怪我らしい怪我をしているのは一人だけで、あとは擦り傷程度の人が数人いるだけだ。
なので、メルクスラとコンウェルとその護衛の数人で街へ戻ることになる。
俺は居残り組だなと思っていたら、気が付くと馬に乗せられていた。

「メルクスラさん?なぜ俺は馬に乗せられてるんです?居残り組なのでは?」
「アンディさんは今回の討伐の進行の説明に必要なので同行していただきます」
有無を言わせず馬を走らせていく。
せめて乗るならメルクスラの後ろが良かったんだが、今回は別の冒険者の男の後ろに乗せられた。
コンウェルは怪我をしているので、別の人の後ろに乗っている。

帰りは急ぐ必要はないのだが、報告を急ぎたいのと、立ち寄った村で警備役で残ってもらった冒険者の野営の道具などの物資の手配のため、ゆっくりな帰還とはいかなかった。
物資の搬送は今からなら暗くなる前に向こうへ届くらしい。

街に着く頃には空も夕暮れに染まり、閉ざされた門の前で防衛準備をしていた守備隊に迎えられた。
「ギルド職員のメルクスラです。アプロルダの討伐が完了しましたので報告に戻ります。開門を願います」
その言葉を聞いて兵士たちは一瞬止まったが、すぐに開門の準備に入り、俺たちはギルドへと戻るために、大通りを駆けて行った。
街の中は普段と同じ様子だが、どことなく喧騒が大人しい気がする。
恐らく冒険者達の殺気立った雰囲気が伝わっていたのだろう。
だが危機が去った以上、これからいつもの日常に戻っていくに違いない。





「―以上が報告の全てです」
あの後ギルドに戻った俺たちはすぐさま会議室へ呼び出され、ギルドマスターへ報告をしていた。
コンウェルは怪我の身の為、治療院に搬送された。
なのでこの場には報告を受けるギルドマスターとヘルガ、報告する側にメルクスラと俺の4人だけとなっている。
今はヘルガとメルクスラの2人で報告と質問がされている。
俺とギルドマスターはただ聞いているだけ。

「こちら側の損害は?」
「コンウェルさんが負傷した以外は人的被害はありません。ただ、貸与されていた爆砕斧ばくさいふが破損しました。現在、爆砕斧の能力の大部分が喪失されています」
その言葉に俺の体がビクッと震える。
それに気づいたギルドマスターの視線が痛い。

実はあの後確認した所、岩の一撃を受けた爆砕斧はその身に込められた効果を限界以上に発揮したのと引き換えに、刃の部分がボロボロに欠けてしまっていた。
どう見ても俺が考えた作戦の犠牲になったのだ。

この武器が一体いくらの価値があるのかわからないが、少なくとも俺が弁償できるとは思えない。
ガタガタブルブル震えていると、メルクスラが救いの声を出した。
「ですが、修復可能と保管係の者が言っていましたので、さほど大きな問題ではないかと」
おお、メルクスラ様、あなたが女神か。
尊崇の念を込めた俺の視線を背中に受けてもメルクスラは微動だにしない。

「あいわかった。ご苦労じゃった。ヘルガとメルクスラは報告書の作成に入ってくれ」
礼をしてから2人が退出していった。
俺が残される理由がわからないんだが。
まさか弁償の話か?

「さて、アンディ。何故お前が残されたかわかるか?」
「いえ、全く。話すべきことは全てメルクスラさんから出ましたからということは俺はここにいる必要はありませんねええそうですね失礼します―」
「まあ待て。お主には話すことがある。貸与の品についてとかのう」

ちっ、一気に捲し立てて逃げようと思ったのに。
この爺、一体俺からいくら毟り取るつもりだ。
街の危機を救ったのは俺達だぞ?お?やんのかゴラ?
「…なんちゅー顔しとるんじゃ。さっきのは冗談じゃよ、心配せずとも賠償請求はせんわい」
なんだ、そういうことなら話を聞こうじゃないか。

「今回の件については間違いなく領主の耳にも入ることになる。恐らく今回の功労者の呼び出しにお前も含まれるじゃろう。ついてはお前のランクを今から上げておく必要がある」
何が言いたいかというと、要するに危険な依頼に付いて行って討伐に大きく貢献したのが黒3級の子供だと言うのはいささか外聞が悪い。
なので順番は逆になるが、俺を黒1級へと昇格をさせて依頼遂行の妥当性を高めようということだ。
さすがにこれ以上ランクを一気に上げることは、ギルドマスターといえども権限を逸脱するらしい。
辻褄合わせのランク昇格になるが、試験を受けずに上げられる限界までの譲歩となる。
言いたいことは理解できるし、昇格させてくれるのはあり難い。
だが、聞き逃せないことが一つある。

「領主様に呼び出されるんですか?」
「そうじゃよ、街の危機を救った功労者に労いの声を掛けるのは為政者の義務じゃからの」
「それって断れません?俺は礼儀を知らないただの子供ということにして」
「お勧めはせんのう。権力者の|お誘い(・・・)を突っぱねていいことはないぞ。まあここの領主はそんな小さい男ではないがの」
どうにも断るとよろしくないようで。
まあ俺もあくまで面倒くさいだけであって、何が何でも嫌というわけではない。

とりあえず領主が帰ってくるのがもう少し先のこととなるので、今日の所は休んでいいと言われ、会議室を後にした。
その足で宿に戻ると、女将さんに捕まり事情を聞かれた。
「―といった感じですね。じきに門の封鎖も解かれますよ」
「そりゃよかったよ。全く、いきなり街から出るなって言われて、客が一気に増えて忙しいったらありゃしない。まあ、うちも商売だから、いないよかはましだけどね」
どうやら街の封鎖と合わせて街にいた人間が宿を求めて方々に殺到したようだ。
ここも例外ではなく、家族3人経営の宿の処理能力を大幅に超える数の客を抱えることになり、親戚近所に応援を頼んだほどだ。
いつまで続くかわからない封鎖に圧迫感を覚えたが、意外に1日で解除されることにホッと胸を撫でおろしていた。

「それにしても、そんな危険な魔物が迫ってたなんて、ギルドも教えてくれたっていいんじゃないのかい」
「まあ、街を混乱させないようにそうしたんでしょう」
俺がアプロルダの討伐に行ったことは伝えていない。
聞かれなかったからね。
だからギルドで聞いた話という感じにぼかして伝えた。

情報料がわりと夕食に少しおまけをしてもらい、部屋へ戻ると抗いがたい睡魔に誘われて、ベッドに横になった途端、気絶するように眠りに落ちて行く。
思っていたより疲れていたようで、眠気に抵抗する暇もなかった。
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