法律の適用されない村

夢幻旬

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はのみな村

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 「おっすー!あきら!」
  
 元気なかたおかがやって来た。
 
「おはよー。」
  
 元気のないあきらが返答した。
 
「おいおい、元気ないなあ!もっとテンション上げてこうぜ!楽しみだろ!」

 確かに楽しみではあるが眠気はそれでは覚めない。
 
「よっしゃー!じゃあ目的地にレッツらゴー!」
 「おー。」

 こんな感じで旅が始まった。

 2時間電車に揺られ、1時間バスに揺られ着いたところは全世界74億の人がみんな田舎と言うであろう所だった。

「なんかすごい所だな。」

 あきらは都会っ子の為初めての風景だった。

「まぁまぁ、そんなこと言わずに行こうぜ!道はこっちだ!」

 意気揚々とかたおかは歩いて行った。

「はぁ、歩きたくねぇ…」

 30分後着いたところは遺跡感がある村だった。

「ようこそいらっしゃいました。はのみな村です。ぜひ楽しんで行って下さい。いっひっひ。」

 と、入り口にいたおばあさんが言った。
 このとき、あきらがあのワードに気付いていればあんな事は起きなかったかもしれない。
 しかし、あきらは疲れで何も聞いてはいなかった。

「そうそう、ここここ!あの不気味な婆さんいたもん!さ、入っちゃおうぜ!」

 ちょっとした坂道を歩き、麓に着くと左側にアパートらしきものが見えた。

「このアパートの102が噂の部屋だ!」

 休む間もなくかたおかは隠れながら部屋に入って行った。
 あきらもそれに続いて入って行った。
 中は特に死臭がすると言うこともなく。ごく普通の部屋だった。

「意外と綺麗だな。誰かが掃除してんのかな?」
「前来たときもこんな感じだったなぁ。
確かに綺麗だな。まぁ、汚いよりいいだろ!笑」

 まぁ、確かに臭い、汚いよりはましだなとあきらは思った。
 一通り部屋を見たが特に面白いところはなかった。

「なーんか、前より細かく部屋見たけど発見はなかったなぁ。しゃーない、帰るか。」

 さすがのかたおかも飽きたらしい。
 
 外に出て、ジュースを飲んでいるとさっき入った部屋に入る男の姿が見えた。

「おい、見たか?あの人も面白半分に来た人かな?」

 なんか、そうは見えなかったとあきらは感じた。

「なんか違うっぽくね?観察してみるか。」

 あきらとかたおかは岩陰に隠れて観察してみた。
 
 すると数分後先程の男と共に女の人が部屋から出て来た。

「さっきあんな女の人いたか?」

 かたおかが問う。

「いや、俺も見てないな。」

 怪しいと思った2人は男と女の人を追跡してみることにした。
 しかし、足が速すぎて追いつけなかった。見失ってしまったのだ。

 そうこうしてるうちにだんだんと辺りは暗くなっていき、夜を迎えた。
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