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10 透明人間、願う(1)
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「ハナオッ、――おいっ、ハナオ!」
俺の叫び声だけが〈喫珈琲カドー〉の店内に響き渡っていた。ハナオは何の反応も示さない。まるで今まで彼の動きを決めていた糸が切れてしまったかのように、ただ無造作に床に横たわっている。睡眠すら必要としないハナオの、こんな姿は見たことがなかった。
(何が起きた?)
わからない。ただ、尋常ではない何かがハナオの身に起きた。それだけしかわからない。
(意識が、ない……? 息は、息はしているのか?)
そもそも彼は、いつも呼吸をしていたのだろうか?
体を揺さぶろうとしても、俺の手はハナオに近づくのをためらう。先程の視覚と触覚とのズレは、まだ肌に刺すような違和感を残している。それに、さわれないのはわかっていた。俺は手を移動させて、そっとハナオの口元にかざすが、手の平には何も感じられない。
「き、救急車、……ッ」
俺はおもわず呟いてから、すぐさまその言葉を否定する。――呼んでどうする? 何て説明する気だ? 「ここに透明人間が倒れています」とでも言うつもりか。
(どうしよう――どうしたらいい?)
焦りと時間だけが積もっていく。あらゆる常識が通用しない。できることが見つからない。
「ハナオッ」
目の前にいるのに、救うことができない。
(誰か……頼むから、誰かハナオを助けてくれ!)
ただ叫ぶように彼の名前を呼ぶことしかできない。俺は無力だ。
フゥ……。
微かな音が聞こえて、俺は声を上げるのをやめた。
ハナオのまつげが僅かに震え、うっすらと瞼が開く。投げ出されたままの指が、ぴくりと痙攣するような動きを見せた後、ゆっくりと曲がってのびて、曲がる。
「ハナオ?」
泣きだしそうな、ひどく情けない声が聞こえた。――俺が出したのか?
ハナオは何度か瞬きをして、思い出したように咳き込んだ。それから億劫そうにゆっくりと仰向けに転がると、目を閉じた。その動きにまた焦りを感じたが、口元が小さく動いたのを見て安堵する。
「……ねぇ、女神。夢を、見たよ」
ハナオがかすれた声で呟いた。再び開かれた瞼の奥に、焦点が合っていないらしくぼんやりとした瞳が見える。
「僕の、姿が見える青年に、会う夢だ。その子は、嗅覚を失くしていた。だから……なのかな、イライラしていて、僕の言葉にも、すぐ腹を立てるんだ。そんな反応は久しぶりで、僕は面白くて、仕方がなかったよ」
ハナオは、ふふっ、と息を吐くように笑う。
「そんな状態で、その子は喫茶店をする。もう、ビックリだよね。だから、僕はコーヒーの淹れ方を、教えてやるんだ。そうして、一緒に暮らす。――新鮮だったよ、すべてが。何度も見てきたはずのことが、その子といるとまるで、初めて見るものみたい。それにね、僕はたくさんのことを教えたよ。……知識を得るのは、楽しい。でも、教える方がもっと楽しいだなんて、知らなかった。どんどん僕の知識を吸収していく姿は、僕に喜びを与えたよ。まるで雛鳥のように僕を慕ってくる姿は、愛おしくてたまらなかった」
ハナオは疲れたように言葉を止めた。一瞬、微かに眉を顰める。
「なんて都合のいい夢、だったんだろうね。……ところで僕は、眠れたんだっけ……?」
とってもいい夢を見ていたのに、目が覚めちゃった――そんな能天気な諦めに似た口調に、俺は突然はぐれた迷子ように困惑した。
「……今のは、独り言か?」
ようやくハナオは視線を動かした。俺に向けた目にやっと焦点が戻ったのか、瞬く。
「あれぇ、ミツだ」
マイペースな声が、驚きを伝えてくる。
「あれぇ、じゃねぇよ」
「あははー、夢じゃなかったぁ。ミツぅ」
「……びっくりするじゃねぇか。いきなり倒れたと思ったら、どえらい流暢な独り言だな」
大きな安堵が憎まれ口に変わる。
「やだなぁ。僕の言葉はいつも独り言じゃない」
「そう、だけど」
客の会話に突っ込んでいる時はそうだ。俺が〝翻訳〟しない限り。でも、今のは。
「――許してよ、ミツ」
ハナオは無理やり筋肉を動かしたようなぎこちない笑みを浮かべた。
「だって、言葉を失くしてしまったら、思考を止めてしまったら、僕は人間じゃなくなる」
俺が何も言えないでいると、ハナオが息を吐いてから、しびれを切らしたように笑った。
「なんて顔、しているのさ」
たぶん泣きそうな顔をしている。不安と無力感に支配された、醜い顔をしているのだろう。
「……今の、何だったんだ?」
ハナオの右手がゆるゆると持ち上がり、ぱた、と胸の上に落ちる。
「心臓の、発作……かな」
俺は目を見開いた。まさか。
『僕の心臓は動いている』
いつかハナオが話してくれた、生きていると判断できる理由。まさか。
「……と、止まった、のか?」
「たぶんね。今はまた、動きだした。仕方ないよね、もう九十年くらい、使っているんだもん」
「そんな、急に……?」
声の震えを抑えるのが精いっぱいだった。
「少し前から、なんか時々変だったんだけど。こんなに大きな異変は初めて。あぁ、ビックリしたー。痛みなんて、もう感じないと思っていたのに。特大のが来るなんて」
まだ血の気の戻らない顔色をしたまま、ふふふ、と笑うハナオは楽しそうだ。
少し前っていつだ、そう口にしかけた俺の脳裏に、一つの光景がひらめく。ハナオが小上がりから跳び下りて、着地に失敗した。
(あれは、いつだった?)
あ、と呟いてつんのめり、一歩踏み出した。ハナオは目を丸くして固まった後、ふざけてみせた。でも、その顔色は少し青ざめていなかったか?
(あの時から、異変は始まっていたっていうのか……!)
どうして。
「なんで、言わないんだよ、お前は。そういう大事なことは言わないで、笑って」
何故俺はハナオに怒っている? 気を失うほどの痛みを感じた人間に対して取る態度じゃないだろう。
「……心配、した?」
ハナオは宥めるように俺の思いを見透かす。胸に置かれていた右手が、ゆっくりと俺に近づく。その指先が頬に触れようとした瞬間、俺の体は震えた。顔が歪んだのがわかる。指が止まった。
「安心して。さわらないよ」
ゆっくりと右手を床に下ろして、ハナオが言う。
(俺は、なんてことを)
なんてことをしてしまったんだろう。そう思った。直近の恐怖はすぐによみがえるから。本能的な反応だった。仕方がない。それは言い訳としては理解できる。だとしても、苦い後悔が込み上げる。
傷つかないはずないのだ。
蝋みたいに蒼白な顔をして苦痛に耐えたハナオに、言葉を失くせば人じゃなくなると正気を保ってきた彼に、俺はなんてひどい仕打ちをしてしまったんだろう。
「ミツは、いい子だね」
俺を見上げていたハナオが、慈しむような微笑みを浮かべた。
「……ところでさ、僕、もうちょっとここに、転がっていていいかな? お客さんが来たら、退くから」
「今日はもう閉店したから、客は来ない。けど、そんな床の上にか? せめて畳の上にしろよ」
「どこだって、一緒だよ。ここでいい」
「けど」
「お願い、ミツ。今は、動けない」
ハナオは目を閉じて息を吐く。
「……わかった」
俺は立ち上がって、そっとハナオのそばから離れる。カウンター内へ入る前にもう一度目を向けると、顔を顰めているのが見えた。本当は、話しているのも辛かったのだろう。
(わかったから、だから)
その先に何を思いたかったのか。俺は意識して考えないようにした。しばらくしてハナオがまるで何事もなかったかのように起き上がってきた後も、俺は何も言わなかったし訊かなかった。俺こそが努めていつものように振る舞っていた。
俺の叫び声だけが〈喫珈琲カドー〉の店内に響き渡っていた。ハナオは何の反応も示さない。まるで今まで彼の動きを決めていた糸が切れてしまったかのように、ただ無造作に床に横たわっている。睡眠すら必要としないハナオの、こんな姿は見たことがなかった。
(何が起きた?)
わからない。ただ、尋常ではない何かがハナオの身に起きた。それだけしかわからない。
(意識が、ない……? 息は、息はしているのか?)
そもそも彼は、いつも呼吸をしていたのだろうか?
体を揺さぶろうとしても、俺の手はハナオに近づくのをためらう。先程の視覚と触覚とのズレは、まだ肌に刺すような違和感を残している。それに、さわれないのはわかっていた。俺は手を移動させて、そっとハナオの口元にかざすが、手の平には何も感じられない。
「き、救急車、……ッ」
俺はおもわず呟いてから、すぐさまその言葉を否定する。――呼んでどうする? 何て説明する気だ? 「ここに透明人間が倒れています」とでも言うつもりか。
(どうしよう――どうしたらいい?)
焦りと時間だけが積もっていく。あらゆる常識が通用しない。できることが見つからない。
「ハナオッ」
目の前にいるのに、救うことができない。
(誰か……頼むから、誰かハナオを助けてくれ!)
ただ叫ぶように彼の名前を呼ぶことしかできない。俺は無力だ。
フゥ……。
微かな音が聞こえて、俺は声を上げるのをやめた。
ハナオのまつげが僅かに震え、うっすらと瞼が開く。投げ出されたままの指が、ぴくりと痙攣するような動きを見せた後、ゆっくりと曲がってのびて、曲がる。
「ハナオ?」
泣きだしそうな、ひどく情けない声が聞こえた。――俺が出したのか?
ハナオは何度か瞬きをして、思い出したように咳き込んだ。それから億劫そうにゆっくりと仰向けに転がると、目を閉じた。その動きにまた焦りを感じたが、口元が小さく動いたのを見て安堵する。
「……ねぇ、女神。夢を、見たよ」
ハナオがかすれた声で呟いた。再び開かれた瞼の奥に、焦点が合っていないらしくぼんやりとした瞳が見える。
「僕の、姿が見える青年に、会う夢だ。その子は、嗅覚を失くしていた。だから……なのかな、イライラしていて、僕の言葉にも、すぐ腹を立てるんだ。そんな反応は久しぶりで、僕は面白くて、仕方がなかったよ」
ハナオは、ふふっ、と息を吐くように笑う。
「そんな状態で、その子は喫茶店をする。もう、ビックリだよね。だから、僕はコーヒーの淹れ方を、教えてやるんだ。そうして、一緒に暮らす。――新鮮だったよ、すべてが。何度も見てきたはずのことが、その子といるとまるで、初めて見るものみたい。それにね、僕はたくさんのことを教えたよ。……知識を得るのは、楽しい。でも、教える方がもっと楽しいだなんて、知らなかった。どんどん僕の知識を吸収していく姿は、僕に喜びを与えたよ。まるで雛鳥のように僕を慕ってくる姿は、愛おしくてたまらなかった」
ハナオは疲れたように言葉を止めた。一瞬、微かに眉を顰める。
「なんて都合のいい夢、だったんだろうね。……ところで僕は、眠れたんだっけ……?」
とってもいい夢を見ていたのに、目が覚めちゃった――そんな能天気な諦めに似た口調に、俺は突然はぐれた迷子ように困惑した。
「……今のは、独り言か?」
ようやくハナオは視線を動かした。俺に向けた目にやっと焦点が戻ったのか、瞬く。
「あれぇ、ミツだ」
マイペースな声が、驚きを伝えてくる。
「あれぇ、じゃねぇよ」
「あははー、夢じゃなかったぁ。ミツぅ」
「……びっくりするじゃねぇか。いきなり倒れたと思ったら、どえらい流暢な独り言だな」
大きな安堵が憎まれ口に変わる。
「やだなぁ。僕の言葉はいつも独り言じゃない」
「そう、だけど」
客の会話に突っ込んでいる時はそうだ。俺が〝翻訳〟しない限り。でも、今のは。
「――許してよ、ミツ」
ハナオは無理やり筋肉を動かしたようなぎこちない笑みを浮かべた。
「だって、言葉を失くしてしまったら、思考を止めてしまったら、僕は人間じゃなくなる」
俺が何も言えないでいると、ハナオが息を吐いてから、しびれを切らしたように笑った。
「なんて顔、しているのさ」
たぶん泣きそうな顔をしている。不安と無力感に支配された、醜い顔をしているのだろう。
「……今の、何だったんだ?」
ハナオの右手がゆるゆると持ち上がり、ぱた、と胸の上に落ちる。
「心臓の、発作……かな」
俺は目を見開いた。まさか。
『僕の心臓は動いている』
いつかハナオが話してくれた、生きていると判断できる理由。まさか。
「……と、止まった、のか?」
「たぶんね。今はまた、動きだした。仕方ないよね、もう九十年くらい、使っているんだもん」
「そんな、急に……?」
声の震えを抑えるのが精いっぱいだった。
「少し前から、なんか時々変だったんだけど。こんなに大きな異変は初めて。あぁ、ビックリしたー。痛みなんて、もう感じないと思っていたのに。特大のが来るなんて」
まだ血の気の戻らない顔色をしたまま、ふふふ、と笑うハナオは楽しそうだ。
少し前っていつだ、そう口にしかけた俺の脳裏に、一つの光景がひらめく。ハナオが小上がりから跳び下りて、着地に失敗した。
(あれは、いつだった?)
あ、と呟いてつんのめり、一歩踏み出した。ハナオは目を丸くして固まった後、ふざけてみせた。でも、その顔色は少し青ざめていなかったか?
(あの時から、異変は始まっていたっていうのか……!)
どうして。
「なんで、言わないんだよ、お前は。そういう大事なことは言わないで、笑って」
何故俺はハナオに怒っている? 気を失うほどの痛みを感じた人間に対して取る態度じゃないだろう。
「……心配、した?」
ハナオは宥めるように俺の思いを見透かす。胸に置かれていた右手が、ゆっくりと俺に近づく。その指先が頬に触れようとした瞬間、俺の体は震えた。顔が歪んだのがわかる。指が止まった。
「安心して。さわらないよ」
ゆっくりと右手を床に下ろして、ハナオが言う。
(俺は、なんてことを)
なんてことをしてしまったんだろう。そう思った。直近の恐怖はすぐによみがえるから。本能的な反応だった。仕方がない。それは言い訳としては理解できる。だとしても、苦い後悔が込み上げる。
傷つかないはずないのだ。
蝋みたいに蒼白な顔をして苦痛に耐えたハナオに、言葉を失くせば人じゃなくなると正気を保ってきた彼に、俺はなんてひどい仕打ちをしてしまったんだろう。
「ミツは、いい子だね」
俺を見上げていたハナオが、慈しむような微笑みを浮かべた。
「……ところでさ、僕、もうちょっとここに、転がっていていいかな? お客さんが来たら、退くから」
「今日はもう閉店したから、客は来ない。けど、そんな床の上にか? せめて畳の上にしろよ」
「どこだって、一緒だよ。ここでいい」
「けど」
「お願い、ミツ。今は、動けない」
ハナオは目を閉じて息を吐く。
「……わかった」
俺は立ち上がって、そっとハナオのそばから離れる。カウンター内へ入る前にもう一度目を向けると、顔を顰めているのが見えた。本当は、話しているのも辛かったのだろう。
(わかったから、だから)
その先に何を思いたかったのか。俺は意識して考えないようにした。しばらくしてハナオがまるで何事もなかったかのように起き上がってきた後も、俺は何も言わなかったし訊かなかった。俺こそが努めていつものように振る舞っていた。
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